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コロナで本格到来する「成果主義の時代」を生きぬくために一番大切なこと

  • 2020.7.30
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これから主流になっていくのが、テレワークと出社のハイブリッド勤務。働く時間ではなく仕事の成果で評価される時代に、仕事より優先的に入れるべき予定とは?『在宅HACKS!』の著者の小山龍介さんに聞きました。

ショールームにてアーティストのコレクション
※写真はイメージです(写真=iStock.com/syolacan)
「気づいたら仕事ばかり」になっていませんか

在宅勤務になるとオーバーワークになりがちなのは、前回(ビル・ゲイツも実践、在宅ワークが捗りすぎる「午後3時の新習慣」2つ)もお話ししたとおり。時間割をつくらなければ、真面目な人ほど気づいたら仕事ばかりという状態になりかねません。

自分のしたいことを実現するための時間をしっかりと確保するためには、1日の時間割をつくることも大切ですが、1週間、1カ月と長いスパンの中で、「自分へのアポを入れる」という発想が必要です。

アポというと、どうしても他人とのアポが優先されがちですが、ぜひ自分へのアポも入れて、まずは自分が必要な時間をおさえておく。自分の時間を天引きしておくのです。そうしなければ、会社や他人の要求に120%応えようとしてしまって自分のための時間がなくなり、キャリアが広がっていきません。

一番の狙い目は水曜日

自分へのアポを入れるためには、まず自分の持っている時間を可視化することが大切です。1週間のスケジュール帳を利用して、何曜日が忙しくて、何曜日に時間があるのかを一目で把握できるようにしておきましょう。そして時間がありそうな日に自分へのアポを入れていきます。スカイプレッスンなどの自分磨きもいいですし、趣味や運動の時間を確保するのもいいでしょう。これらの時間は、仕事でトラブルが起きたときの緊急対応をするためのバッファーとしても利用可能です。

1週間の中で、水曜日は特別な曜日です。月曜日、火曜日と始まって、1週間の動きがいちばん見えているし、何かトラブルがあっても木金で挽回できるからです。

水曜日をノー残業デーにしている会社も多いですから、水曜日は早めに退社してセミナーを受けたり、趣味に使ったりするのもいい。在宅勤務を水曜日にあてるのもよいでしょう。

月単位や季節ごとに自分へのアポを予定する

1カ月も同じように、どこが忙しくて、どこに時間があるのか、スケジュール帳を活用してチェックしましょう。たとえば、月初に定例会議があるならその準備に1日かかる、月末の経費精算に2時間かかる、といったことも埋めていくと、自分が使える時間がはっきりとわかります。

もう少し長いスパンで見ていくなら、季節は重要です。たとえば春は生命が活動的になる季節。新しいことを始めたくなります。ですから春は、習い事などいろいろなことをスタートするのにいい時期です。

また、読書の秋といわれるように、秋は秋で、落ち着いて読書や勉強に取り組める時期です。

夏は、外に出るのがよいでしょう。オフィスにいても発想はなかなか広がりませんが、何かを体験したり、新しいものに触れたりすることで発想は大きく広がっていきます。

「泊まれる公園」を体験してみる

たとえば、静岡県の沼津に「INN THE PARK」という泊まれる公園があります。森の中にある、宙に浮いた「球体テント」に泊まれるのですが、それがいったいどういうものなのか、泊まった人にしかわかりません。朝は鳥のさえずりや木が揺れる音で目が覚めるのでしょうか。

そんなふうに夏は行動範囲を広げて、よりいろいろなものを見聞きし、経験しておくのがおすすめです。夏休みに家族や友人といっしょに出かけてみるのもいいでしょう。

夏は軽井沢、冬は沖縄など、バカンスをとりながら、旅行先で仕事をすることをワーケーションといいますが、これも仕事にはプラスになります。

そういった季節ごとの体験を、プライベートの予定と合わせて、自分のスケジュール帳に落とし込んでいく。こうやって自分へのアポを優先していきましょう。

成果主義の時代に一番大切なこと

これからは仕事を時間ではなく、成果で計測する時代になるといわれています。より成果主義的な方向にいくし、反対に成果さえ上げていれば、1日3時間しか働かなくてもかまわないという時代になっていきます。

その中で、最も重要なことはスキルを磨いておくこと。スキルを磨くためには、思い切って自分に投資する日を決めて、その日を自分が今まで経験したことのないことを経験するインプット日にします。これを私は「自分R&D」と呼んでいます。

R&Dとは企業における研究開発のこと。R&Dがなければ、社会の新たなニーズに応えていくことはできません。企業が次のステップに進むうえで欠かせないものです。自分R&Dもまた、次のステップに欠かせないものとして、仕事時間の20%はR&Dに振り分けたいところです。

インプットの日と決めた日は仕事をせず、未知の情報を取り入れることに集中します。例えば美術館に行って芸術に触れる、話題になっている場所に行ってみるなど、本業にまったく関係のないジャンルに取り組むことで視野を広げるのです。

これからの変化の激しい時代には、今まで以上に「自分へのアポ」という意識を強める必要が出てくるでしょう。そして、自分の専門分野からいったん離れて、視野を広げるには座学よりも「体験」が効果的です。

テレワークと出社のハイブリッド型勤務の時代だからこそ、こういったこともよりやりやすくなるでしょうね。

ぜひ仕事は効率よく終わらせて、自分の貴重な時間を良質なインプットのために使いましょう。そうすることで、キャリアは複線化し、キャリアの幅は広がっていくのです。

構成=池田純子 写真=iStock.com

小山 龍介(こやま・りゅうすけ)
経営コンサルタント・事業プロデューサー
1975年生まれ、京都大学文学部卒業。グリーンホールディングス株式会社代表。松竹で歌舞伎の新ビジネス立ち上げなどを経て独立。

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