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現代の奴隷問題を鋭く描いた『ボヤンシー 眼差しの向こうに』8月公開決定、予告編も

  • 2020.7.29
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第69回ベルリン映画祭のパノラマ部門、さらに第92回アカデミー賞の国際長編映画賞に豪代表作品として選出された『BUOYANCY』(原題)が、『ボヤンシー 眼差しの向こうに』の邦題で、8月7日(金)に公開されることが決定。ポスタービジュアル、予告編、場面写真が一挙に解禁された。

■あらすじ

自分の境遇に納得がいかず、カンボジアの片田舎からタイへ密かに出てきた14歳の少年、チャクラ(サーム・ヘン)は、友人に紹介されたブローカーによって身売りされ、漁船の奴隷になってしまう。

そこで待っていたのは、1日22時間の労働と、絶対的な権力を持ち、歯向かう者や衰弱した者を見せしめのごとく拷問し、殺し、海に捨てていく船長。陸から遠く離れた船上から逃げ出すこともできず、非人間的な環境と拷問の恐怖に怯え、次第に人間性を失っていくチャクラが生きるために選んだ手段とは…。

■長編デビュー作がベルリン映画祭で話題に

昨年行われた第69回ベルリン映画祭で、優れた作品を広く上映するパノラマ部門に選出された本作。人間の内面を深く描いた作品に贈られるエキュメニカル審査員賞を受賞したほか、観客賞で3位に入賞するなど話題を集めた。さらに、第92回アカデミー賞にも、外国語映画賞から国際長編映画賞の名称になった同賞に、オーストラリア代表として選出されている。

そんな本作は、オーストラリア出身のロッド・ラスジェン監督の長編デビュー作。ラスジェン監督自身が長年にわたり取材してきた奴隷労働の現実をフィクションに落とし込み、全編クメール語とタイ語で描き上げた。

■少年チャクラが乗ったのは、絶望の漁船

今回、解禁されたのは、かすかに太陽の光が差し込む薄暗い海に、あおむけで漂うチャクラの姿が印象的なポスタービジュアル。そして、まだ体の線も細く、あどけない表情のチャクラの姿や、船を絶対的に支配している船長とその部下、チャクラと同じ奴隷たちの姿を捉えた場面写真19点。

どの場面写真も、チャクラの真っすぐな瞳が印象的だが、中には船長が笑みを浮かべながらチャクラの額に銃を突き付けているものもあり、チャクラの置かれた過酷な環境が伺えるものばかりとなっている。

さらに予告編は、チャクラのカンボジアでの暮らしぶりから始まり、タイでの出会いや出来事、そして漁船に乗ることになり「だまされた」とつぶやくチャクラの声が淡々と紡がれていく。

船の操縦デッキから手招きした船長が、チャクラの耳元で「今日からはこの船がお前の家だ 死ぬまでな」とささやいてニヤリと笑うシーンや、甲板に並んで立たされたチャクラたちに銃を突きつけたり、ロープで足をくくって海に放り込むといったシーンが続き、逃げ場のない船の生活が描かれる中、最後に見せるチャクラの意を決した表情が何を物語るのか、これからの展開が気になる映像となっている。

『ボヤンシー 眼差しの向こうに』は8月7日(金)より全国にて公開。

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