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不倫は性欲だけじゃない!犬山紙子が腑に落ちた「不倫の理由」【音声あり】【犬山の遠吠え!やってまーす Vol.7】

  • 2020.7.17
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一児の母のエッセイストで、TVコメンテーターの犬山紙子さんが、夫婦問題や子育てをはじめ、様々なテーマで語るラジオ『犬山の遠吠え!やってまーす』。本連載では番組内のトークを言葉にまとめ、音声と併せてお届けします。今回は2020年6月18日放送分より。

■不倫のコメント、やめません?
世間はまだまだ「不倫」っていうキーワードでざわついてるなぁ……という印象ですが、私もコメンテーターの仕事をしているもので、コメントを求められることがあります。

あの、今日は私から提案したいことがありまして……コメンテーターのみなさん!「不倫の話ではコメントしない協定」を結びませんか?

だって、不倫って犯罪ではないのでね。そこに性被害の告発などが入ったなら話は別ですけれど、単なる不倫はヨソの家の話のことだから中身までわかりませんし、私たちが周りからコメントすることで、「不倫された側」がツラく思うことだって、あるみたいなんです。

だから、私も不倫のコメントを求められたときは、「これから話すことは、このお2人ではなく、不倫の一般論についてです」と前置きを入れるように最近はしてきました。でも、他のワイドショーなんかを見ていても、みなさん同じようにされていて。

どうしても下世話な気持ちがわいてしまって、見たくなっちゃう気持ちがあるのもわかります……自分が「不倫された側」に立ったらと思うと、感情移入もできてしまうし、腹が立つのもしょうがない。

けれども、今は不倫が犯罪レベルでバッシングされちゃう対象になってしまっているし、「不倫された側」のお子さんが傷つくみたいに、「その先にあるもの」を考えると、笑って消費するのも違うよなって思うわけです。

■不倫がバレて、ラブラブになる夫婦もいる



『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』という本を書いたときに、宮崎謙介さんと金子恵美さん夫婦に取材をしたんです。

宮崎謙介さんは元国会議員で、「育休議員」とした話題になったあとで、金子さんが妊娠中に浮気をしていたことが発覚し、「不倫議員」と世間から強くバッシングを受けた方です。でも、この夫婦はいま、すごくラブラブなんです、実は。

取材するまで、私は「パートナーの妊娠中に浮気をするような男と離婚せず、なぜ金子さんはずっと一緒に居続けるんだろう」って思ってたんですよ。話を聞いてみると、宮崎さんは世間からの激しいバッシングで「死にたい」という気持ちに何度も陥ったそうです。そして、当時は金子さんも国会議員で、こちらも支持者からかなりのバッシングを受けたと。

夫婦で強いバッシングを受ける中で、むしろその体験で一致団結したというお話だったんですよね。ただ、これはバッシングしてもいいという話ではもちろんなくて、金子さんは「これまで彼が私にしてくれたことや、彼の良い部分と天秤にかけたときに、浮気のほうが軽かった」という思いがあったと言っていました。

つまり、不倫っていうのは人それぞれで、一般論で片付けたらあかんなぁ、というふうに思っているわけですね。

■「新しい自分」を不倫で発見してしまう
不倫といえば、エスター・ペレルさんというアメリカのカップルカウンセリングでは重鎮とされる女性が書いた『不倫と結婚』って本がありまして。「不倫してしまう人って、どういう気持ちなんだろう?」という不思議を知りたくて読んでみたんです。だって、芸能人だけじゃなくて、今の社会で不倫をすることって、明らかにリスクが大きいじゃないですか。

この本で、すごくタメになったことのひとつが、「人が不倫のなかに発見する最も魅惑的なものは、新しい相手ではなく、新しい自分自身である」と。

たとえば、「自分の一生は平凡に進むのかぁ、毎日がルーティンで、なんとなく先も見える……」みたいな鬱屈とした状況にある人が、不倫相手を見つけることで、「自分にはこんな可能性があるんだ、こんな魅力もある」と自分を発見するらしいんですよ。結局は、自分の新たなアイデンティティが欲しいから、不倫をするのだと。

それまでの私は、不倫ってただの性欲でするものだと思っていたから、この一節に出会って、すごく腑に落ちたんですよね。新たな自分の発見を考えると、円満な夫婦関係であっても、リスクを冒してでも、不倫に走ってしまう人もいるかもしれないなぁ、と。

でも、「新たな自分」は不倫でなくても見つけられるんですよね。友人関係もそうだし、ハマれるものを見つけるでもいいし。私も最近、好きな作品の二次創作の妄想を「友人と」語り合うことを始めて、キャラクターへの考察が深くなり、その考察を通して自分を知る……みたいな機会が増えています(笑)。

自分の二次創作が、浮気されたりする悲恋な妄想ばかりだとわかり、過去の恋愛とか、自分に枯渇しているものとかまで見えてきて。まるでセルフカウンセリングみたいです。


■不倫とも結びつく、性依存の問題



もちろん、不倫が性欲がベースの人もいますけど、もう1つ考えないといけないことがあって、それが「性依存」の観点です。「セックス依存症」みたいに呼ばれることもあります。

私がこれを知るきっかけになったのは、津島隆太さんが描いた『セックス依存症になりました。』というマンガで、監修には精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳先生が入られています。斉藤先生はいろんな依存症の問題に取り組まれている方です。それもあって、性依存について、すごくわかりやすく描かれている作品です。

性依存と言われても、「ただ性欲が旺盛な人で、だらしない人」って、つい思ってしまいがちですけど、そうじゃない。セックスをしないと吐き気がしたり、幻覚まで見てしまったりとか、人によって様々な程度があります。アルコール依存と同じで、「それをしないとしんどいから、やるしかない」みたいな状況になってしまうそうなんですね……。

生活に甚大な被害が出るとわかっていても「止められない」。だから性依存も、ちゃんとカウンセリングを受けて、同じ依存を抱えてる人同士で支え合う自助グループにも加わって、克服していくという道筋を立てなきゃいない。

けれど、性依存への世の中の印象が悪すぎてカミングアウトもしにくいし、性依存だと気づいていない人だっている。その回復の道がすごく遠いように感じるんです。必ずしも「性依存=犯罪者」ではないことも含め、もっと世間に認知が広まるのも大切だと思っています。

■電子書籍で好きなものを送りつけています
今日も、リスナーさんからのメールをひとつ読みますね。りんね@大学生さんからのメッセージです。
私が毎年楽しみにしているアニソンフェスが、新型コロナの影響で来年に延期になっちゃって悲しいです。犬山さんも今期、何かアニメは観ていましたか?
アニメ、時間もなくて、今はなかなか観られてないんですよー……過去の好きなアニメでいうと、私は「タクティカルなアニメ」が好きなんです。布石の置かれたストーリーで「うわ! この作者は頭がいい!」って興奮しちゃうのが好きで。

それで言うと、もともとは『週刊少年ジャンプ』で連載がスタートしたマンガの『ワールドトリガー』がアニメ化されたときは観てました!

で、私もその一味だったんですけど、当時は「ワートリヤクザ」って言われる人たちがいて……とにかく周りにハマってほしいから、コミック全巻を勝手に送りつけるという(笑)。

特に今は電子書籍があるので、送りつけても相手の本棚を専有しないじゃないですか。だから、まずは電子書籍で買ってもらって、そのあとでお金を渡すやり方でお願いしてました。まずは読んでもらって、その後に語り合おうじゃないか、と!

今だと「鬼滅の刃ヤクザ」とかもいるんでしょうね。りんね@大学生さんは、楽しみにしていたイベントが延期になって悲しいところですが、あくまで「延期」ですから!再会したときの喜びも大きいはず。延期を待つ間には、ぜひアニメの『ワールドトリガー』を観てみてはいかがでしょうか(笑)。


ラジオ番組『犬山の遠吠え!やってまーす』は毎週木曜日、深夜0時30分からMBSラジオ(AM1179/FM90.6)で放送するほか、アプリやネットで楽しめる「radiko」でも生配信。また、過去の放送は音声配信サービス「Radiotalk」で聞くことができます。

(長谷川賢人)

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