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信念に生きた現代ロシアの伝説的作家を描く。『ドヴラートフ レニングラードの作家たち』【今月のプロ押し映画!】

  • 2020.7.18
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(c)2018 SAGa/ Channel One Russia/ Message Film/ Eurimages
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20世紀を代表するロシア人作家と言われるセルゲイ・ドヴラートフが、政府の厳しい統制の下、自由な題材で小説を書くことを許されず、雑文書きで生計を立てていた1971年の6日間を描く。ドヴラートフ役のセルビア人俳優ミラン・マリッチは、美丈夫だったという彼にソックリなのだとか。言われてみればなるほど、妻とは離婚しても周辺にいる女性たちが放っておかなかっただろう、という雰囲気が漂う。妻とは別れてもドヴラートフの娘を想う気持ちは人一倍。彼女の欲しがる人形を買うために無理して仕事をすればうまくいかず、仕方なしに密輸に手を染める友人に助けを求めれば、コトが露見して友人は逮捕され、事故とも自殺ともつかない死を遂げることになった、というのが惨めだ。

日本でも知られたアレクセイ・ゲルマン監督を父に持つ監督のアレクセイ・ゲルマン・ジュニアは、社会主義リアリズムに従うことを強制された作家や詩人、画家などが自由を奪われ、悪戦苦闘して深く傷ついていた時代に生きたドヴラートフの苦しみを、時代の匂いとともに丁寧に描き出す。

ドヴラートフ レニングラードの作家たち』公開中

アレクセイ・ゲルマン・ジュニア監督 配給:太秦

Text: Sachiko Watanabe

(c)2018 SAGa/ Channel One Russia/ Message Film/ Eurimages
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