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和柄や縁起もののはんこをポンと押してほっこり/消しゴムはんこ作家・ただのやまもとさん

  • 2020.7.13
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千鳥や麻の葉などの和柄、だるまや富士山などの縁起ものの図柄から、手彫りのぬくもりや和のやさしさが伝わってくる「ただのやまもと」さんの消しゴムはんこ。ただのやまもとさんとは、多田那津子さんと山本圭子さんの二人によるクリエイティブユニット。消しゴムはんこのつくり方や毎日が楽しくなる使い方を教えていただきました。

和柄や縁起もののはんこをポンと押してほっこり/消しゴムはんこ作家・ただのやまもとさん
和柄や縁起もののはんこをポンと押してほっこり/消しゴムはんこ作家・ただのやまもとさん

プロフィール
多田那津子(ただなつこ)/Tシャツデザイン会社に8年勤務。お客さんの要望に応えながらの制作経験をもとにグラフィックソフト・イラストレーターでデザインを担当。
山本圭子(やまもとけいこ)/約20年前に消しゴムはんこづくりを楽しみ始め、はんこを手にした人の笑顔が喜びに。現在は臨床検査技師の仕事のかたわら、制作を担当。

お互いにものづくりが好きで意気投合
和柄や縁起もののはんこをポンと押してほっこり/消しゴムはんこ作家・ただのやまもとさん
多田那津子さん(左)と山本圭子さん(右)

多田さんと山本さんは共通の友人を介して知り合い、二人ともものづくりが好きだったことから、革細工や刺繍、活版印刷などのワークショップに一緒に参加するように。2015年、二人はヨーロッパとカナダをめぐる77日間の旅行に出かけたそうです。

「旅行中って意外と時間を持て余す時があるんですよね。いろいろと話すうちに山本さんが楽しんでいた消しゴムはんこづくりを二人ですることになりました」と多田さん。
「消しゴムはんこづくりを始めたのは、姉からデザインナイフをもらったことがきっかけ。細かい作業が時間を忘れてしまうほど好きで、つくり方は独学です」と山本さん。

和柄や縁起もののはんこをポンと押してほっこり/消しゴムはんこ作家・ただのやまもとさん
ことりっぷ

そうと決まれば旅行中からさっそく図柄のデザインをスタート。ちょうど外国にいて「日本の文化ってやっぱりいいよね」と見直しているところだったので、和柄を取り入れることに。帰国後に二人がカフェの手伝いをした時に親しんだコーヒー、文字、縁起ものの図柄なども加え、今は「福わけはんこ」として作品づくりを続けています。

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ことりっぷ

「デザインはすっきりとシンプルで、だれもが日常的に使えるものを心がけています」と多田さんはにこやか。「日本伝統の和柄はそれぞれ成り立ちがあり、開運や家内安全などの願いが込められているもの。そういう意味をきちんと理解したうえでデザインすることも大切にしています」。

ただのやまもとさんの消しゴムはんこのつくり方
和柄や縁起もののはんこをポンと押してほっこり/消しゴムはんこ作家・ただのやまもとさん
ことりっぷ

それでは、消しゴムはんこのつくり方を見せていただきましょう。
まず、デザインした図案をレーザープリンターで普通紙に出力。それを消しゴムの上にのせ、除光液を浸した布で押さえて図案を転写します。次に、消しゴムを図案の大きさにカッターでカット。図案の外側をデザインナイフで切り落とし、はんこの形を整えます。

ここで注意しているのはナイフの角度。直角ではなく斜め45度に入れ、プリン型のような円錐台にすると、消しゴムはんこの強度を保つことができ、欠けにくくなるのだとか。また、彫る時はナイフを動かすのではなく、消しゴムを動かすほうが彫りやすいのだそう。

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図案の内側は黒い部分を残し、そのほかの部分をくり抜くように彫ります。消しゴムはんこ用の消しゴムは青と白など色が2層になっており、青い層を彫って白い層が見えていれば、十分に深く彫れているしるし。完成したら、インクをつけて押します。

和柄や縁起もののはんこをポンと押してほっこり/消しゴムはんこ作家・ただのやまもとさん
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「消しゴムはんこづくりは、紙に押すまで仕上がりがわからないのがどきどきして楽しいですよね」と山本さんも笑顔。「仕上がりを目にした瞬間、きれいにできあがっていると達成感もあって嬉しいですね」。

毎日が楽しくなる消しゴムはんこの使い方
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ことりっぷ

ほんわかとした図柄が愛らしい「福わけはんこ」は、眺めているだけでもわくわくしますが、さまざまな方法で使うとより毎日が楽しくなります。

たとえば、ぽち袋やおすそわけ袋、メッセージカードにポンポンと押すと、手づくりのあたたかみやオリジナル感でいっぱいに。受け取った相手にも気持ちが伝わり、喜んでもらえそうです。「これいいね」と会話もはずむかも。

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はんこをどの位置に押すかは迷うもの。ぽち袋の場合は袋のはしの何ヶ所かに図柄が切れるように押すとリズム感が出て、バランスよく見えます。はんこの色も一色にしたり、二色を組み合わせたり、袋の色との相性も考えながらいろいろと試しましょう。

はんこを押した帯をぽち袋にかけると、のし紙のようになり、少しあらたまった雰囲気に。おすそわけ袋に描いた絵にはんこを繰り返し押して模様にしたり、シール用紙にはんこを押して切り抜いたオリジナルシールで封をしたりするのもおすすめ。

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ことりっぷ

スケジュール手帳や旅ノートに予定や思い出をあれこれ書き込む際、アイコンや罫線、フレームはんこを使うとかわいく、見やすくなります。さまざまなアイデアや工夫を散りばめながらデコレーションし、自分だけのオリジナルをつくれるのが楽しいですね。

重ね押しを簡単にできる「縁起ものクリアスタンプ」
和柄や縁起もののはんこをポンと押してほっこり/消しゴムはんこ作家・ただのやまもとさん
ことりっぷ

今年2月、「福わけはんこ」にクリアスタンプ作家「Sakuralala」さんとコラボした「縁起ものクリアスタンプ」が仲間入り。欧米でおなじみのクリアスタンプは、持ち手のアクリルブロックにつけたり外したりできるスタンプパーツを貼り、インクをつけて押すもの。

持ち手が透明で、押したい場所が見えるのでずれることなく押せて、重ね押しをする時にも便利です。アクリルブロックにスタンプパーツをいくつかレイアウトしたうえで押すこともでき、和柄や海老、鯛、松、梅など縁起ものの図柄がまた愛らしいですよ。

米袋を再利用した名刺入れやペンケースも
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ことりっぷ

ただのやまもとさんは、米袋を再利用し、名刺入れやペンケース、ポーチなどの日用小物「のちほど」もつくっています。和柄の畳へりを組み合わせたデザインが素朴ながら小粋。米袋に柿渋が塗られ、使うほどに味わいが増すのも喜ばれているそうです。

和のやわらかな風合いに心がなごむ作品を前に「日本文化をもっと学んで表現の幅を広げていきたい」と話す多田さんと山本さん。これからの活動にますます注目したいですね。

「福わけはんこ」は、ハンドメイドマーケット「minne」で購入できます。オーダーも受けつけているので、気軽に相談してみて。

撮影協力/cafe EST(カフェエスト)フルーツたっぷりパフェや本格パスタが評判のお店

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