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瞼の上の高揚感は“初めての夜遊び"。MAC「ダズルシャドウ アイ ライク 2 ウォッチ」

  • 2020.7.12
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手放しで外出しづらい日々が続く中、誰に見せるわけでもないけれど、自分のためだけにしたい贅沢がある。自分の気持ちや暮らしを豊かにするために買ってみた、特別な“贅沢品”について、イラストレーターとして活躍するヤベミユキさんが綴ります。

移動自粛は解除されたとはいえ、まだまだ手放しではお出かけしづらい世の中。こんなときだからこそ、自分の気持ちを上げるために、たまにはとっておきの“贅沢”をしたくなってしまう。

しばらく静かに暮らしていた反動で、沸き起こってきたのは、思いきりはじけたいという願望。私の場合、それはコスメ欲に表れた。

マスクで口元が隠れるというのもあり、目元を孔雀のようにバサバサと盛りたくてたまらない。より輝くものを求めて、私が手にとったのがMACの「ダズルシャドウ アイ ライク 2 ウォッチ」。

■自分のためのおしゃれがしたくなる、キラキラのアイシャドウ

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とにかくザクザクのラメが美しい。ぱっと見はゴールドのラメだけど、目元に乗せると、角度によって赤茶にもグリーンにも変化する。指塗りでまぶたに乗せるとシャイニーな、濡れたような質感になる。

クリームシャドウではないので、夜には多少顔に落ちるのだけど、夜遊びの翌朝のようなノンシャランな雰囲気が逆にいい。子どもの頃にあまりの美しさに心を奪われ、宝箱に入れては何度も眺めたオーロラのキャンディの包み紙を思い出す。

また、ミッドトーンの中にあるまばゆい輝きは、初めての夜遊びのようでもある。
久しぶりにフルメイクをしてシャドウを目元に乗せると、自分自身の心が喜びに満ちている感覚が湧き上がり、自分のためにおしゃれをすることはこういうことか、とストンと腑に落ちた。

というのも、私は、自分自身のためにおしゃれをする感覚がずっとわからなかった。
長年アパレルで新作の服を着て店頭に立ってきた私にとって、洋服は100%、他人に見せるためのものだった。
(どれくらい他人目線重視だったかというと、オープントゥを履くときに、人に見える親指と人差し指だけせっせとペディキュアを塗りピカピカに磨き上げたほど)

環境に合わせてカメレオンのように着こなしを変える自分でいるのは楽だったけれど、どこかにじみ出る薄っぺらさが嫌だった。

瞼に美しい輝きを乗せた高揚感で、ようやく私は重い腰を上げようかと思えた。思いきり自分のためだけにおしゃれを楽しめたなら、どんなにいいだろう。

■空想の中で何にでも変身できた、子どもの頃のように

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そう、たとえば、憂鬱な雨の日は、いつ着ればいいのかわからないようなセンシュアルなランジェリー(しかも絶妙にトイレに行きづらいロンパース!)で、思いのままに過ごしたり。

晴れたある日は、農園のマダムのように、素朴なコットンのスカートをはためかせながら、鼻歌まじりに洗濯を干したり。

アンダーグラウンドなメンズのTシャツに、アラブの王様のようにターバンを巻き、アクセサリーをジャラッと重ねてベッドの上で踊ったり。

空想の中で何にでも変身できた子どもの頃のように、TPOとか、年齢とか、似合う服診断とか、今まではめてきたものをすべて取っ払って、思い切りハメを外してみよう。”外したハメ”のその中には、本当に私が望んでいる何かが眠っているような気がしてならない。

久々にクローゼットを開けると、吟味しながら買い集めた洋服が眠っていた。宝箱にしまっていたあのキャンディの包み紙を見るように、私はそれらを眺めた。

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