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パパの実感ナシ? 出張でフォローできなかった産後妻の信頼の取り戻し方

  • 2015.4.29
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【パパからのご相談】

もう自分では解決できないので相談させてください。結婚2年目、7か月の息子を持つ新米父親になります。結婚1か月後に長期出張が決まり、今も継続中です(あと8年ほど)。

そのため、妻とは実質1か月ほどしか生活をしておりません。

また、出張後すぐに妊娠が分かり、おなかが大きくなっていく姿も見れず、あっという間に父親になったという感覚です。そのため、未だに脳は自分の子どもだと理解しているのですが、心はよく理解していない状況です。また、妻は義母、義姉と3人で妻の実家に暮らしているため、子育ては非常に助かっていると思いますが、私からすれば、やはり人の家の子という感覚が抜けません。その結果、妻にきつく当たったりしたこと、心ない言葉を浴びせてしまったことにより、妻の気持ちが完全に離れてしまいました。

毎日の連絡が半年以上前からなくなり、危機感を覚え、先日久しぶりに家に帰り、私のことをどのように思っているか確認したところ、「好きや嫌いではなくて、疲れた」とのことでした。幸せかどうかを確認すると、「子どもの成長が見れて幸せ」とのことでした。私への興味は既にないような状態です。

妻からは、「徐々に距離を縮めていければ元に戻るのではないか?」といわれましたが、彼女自身、元に戻る気があるのかが分かりません。これから先、元の夫婦関係に戻るために“毎日連絡を取り合うこと”と“3か月に1度、出張先に遊びに来ること”を決め、出張先へ戻りました。

これ以上どうしたらよいでしょうか? なんとも言えないむなしさと悲しさがあり、「この先やっていけるのか? 元に戻れるのか?」という考えが無限ループしている状態です。

●A. 奥様に寄り添い、思いやりを“言葉と行動”で示せば、夫婦関係は修復できます。

ご相談ありがとうございます。メンタルケア関連を中心として活動しているフリーライターの桜井涼です。

相談者様は大変苦しい思いをされているのですね。文面から伝わってきました。今も心苦しさやむなしい感じなどが入り乱れておられるのでしょう。まずは、気持ちの整理をして、ご自分のことだけを攻めないようにしてほしいと思います

●お互いのことを打ち明けあって共有できることを増やしましょう

人は、相手のことがわからなくなったときに不安を感じます。特に女性は自己開示が得意で、自分のことをよく話しますので、打ち解けやすい性別と言われています。ところが男性は、自己開示が苦手だということがわかっています。『親密な対人関係の科学』という本に、対人関係のコミュニケーションを調べた調査結果が記載されていますが、自己開示量は女性よりも男性の方が明らかに低いようです。

相談者様は、出張先で仕事に必死で立ち向かっておられるのですよね。本当に大変なことだと思います。1人でがんばっておられて、素晴らしいとさえ感じています。

奥様は、相談者様の味方だと感じ、心が通じ合って結婚に至ったはずです。だから、もう少し奥様に心を開いてお話してみてはいかがでしょう。そうすることで、“ストレスとなること”“考え方”“生活リズム”など、さまざまなことを共有できます。それに大事なお子さんのこともかなり共有できます。

また、以前にきつく当たってしまうことがあったようですが、今後そのようなことがあっても、状況を分かち合うことができれば、修復するために謝ることだってできるようになります。

●時間をかけて父親になる気持ちを育てていきましょう

男性が親になる気持ちを持つことは、女性よりも時間がかかります。女性はお腹の中で育っていくわが子をずっと感じています。でも男性の場合は、生まれてからでないと感じることができません。実感が持てないのは当然のことです。

特に相談者様は、奥様と一緒に妊娠中の体験を共感することができなかったこともありますし、一緒に住んで夜泣きや授乳、入浴などの世話をしたわけではないので、自分の子どもだという認識が薄いというお気持ちはわかります。一緒に住んでいる私の夫でさえ、生まれて子どもと生活をしてやっと、「わが子の実感が湧いてきた」と言っているくらいです。それに多くの既婚者の取材をしてきた中でも、相談者様と同じような悩みをもつ人がいました。

『子どもと15年暮らしているけど、未だに実感がない。でも、趣味とか話をしている中で親子なんだと感じることがある』と言っていた、20代にでき婚をした30代半ばの既婚男性もいたくらいです。

子どもと接する時間や抱きしめて・頭をなでてあげて・手をつないでといった、“触れる”ことを中心としたコミュニケーションをたくさんしていく中で、父親としての実感がわいてくるのではないでしょうか。人との関わり合いは理屈では説明できるものではありませんよね。お子さんとはこれからですよ!

●「好き」「嫌い」を通り越しての、「疲れた」の意味

奥様が、「疲れた」と言っておられるのは、好きな相手からきつく当たられたことよりも、自分に何も話してくれず、こちらの話も聞いてくれなかったことに感じていることかもしれません。相談者様が、「今からでも遅くない」とコミュニケーションをとることを提案されたのはとてもいいことだと思います。

今の時代、スカイプなどで顔を見ながら会話することができるのですから、うまく活用してみるのがいい方法だと思います。相談者様は、元の夫婦関係を望んでいらっしゃいますね。でしたら、相談者様が奥様に寄り添うことを大切にしてほしいと思います。毎日連絡を取り合うにしても、業務連絡のようでは前と同じになってしまうのではありませんか?

出産を終えて疲れた体で奥様は子育てをがんばっておられます。ご実家の支えがあったとしても、一番の心の支えになるのは夫である相談者様です。話したいことがいっぱいあった時期を逃してしまったのですから、今度は逃さないように大事に話を聞いてあげて欲しいと思います。

最初は奥様も警戒して、話してくれることが少ないかもしれません。根気よく、体と心を気づかってあげてください。時間はかかりますが、奥様も次第に本当の意味での心を開いてくれるはずです。

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仕事という名の戦場で、家族のために離れて1人でがんばっておられる相談者様は、本当にすごい方だと思います。肉体的にも精神的にも一生懸命になっておられることはよくわかります。私の父も単身赴任をしていましたから。

そういう人は、がんばり過ぎてしまう傾向にあります。ですから、無理をしすぎないようにして頂きたいです。奥様とお子さんのことを大事に考えていらっしゃるので、毎日のコミュニケーションもきっと、「がんばって修復しなければ」と考えておられるのではないでしょうか。

ただ、夫婦関係の修復は時間のかかるものです。お互いがどれだけ寄り添い、優しく相手のことを考えてあげられるかにかかっています。最初は、相談者様の方から寄り添ってあげてくださいね。殻に閉じこもってしまった心を開かせるのには、それが一番の薬です。

しかし、無理をすることで余計に時間がかかってしまうこともあります。力を抜いて、相談者様らしく進めてみて頂きたいと思います。

【参考文献】

・『親密な対人関係の科学』大坊郁夫/奥田秀宇・編

●ライター/桜井涼(フリーライター)

新潟県佐渡島出身。親が転勤族だったため、幼少期より引越し・転校を多数経験しました。母親が病弱だったこともあり、「地球が滅亡しても生きていける!」と呼ばれている父の元、家事からサバイバルまでを様々経験してきました(そのワザが震災時に大活躍!)。4人兄弟の長として奮闘してきましたが、現在は、2児の母をしています。妊娠中と出産のハプニングを乗り越え、今はフリーライターとして活動中です!

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