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子連れ再婚のリスク?精神的DVを与えてくる旦那と別れる?別れない?【ひとみしょうのお悩み解決】

  • 2020.7.6
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“【お便り募集】文筆家ひとみしょう お悩み解決” に送っていただいたお悩みの中からひとつピックアップしてひとみしょうさんがお答えしていきます。

「こはるさん43歳」のお悩み

はじめまして、こはると呼んでください。
ひとみさんの記事を読み、私にない考えがたくさんありそうでしたので、何か解決の糸が見えたらと思いメッセージさせて頂きます。

昨年7月12日に夫と出会い、当日、婚約しました。
共にバツイチ同士で共に別れた相手側に子供がおります。夫側には3人。20歳(男)、18歳(女)、15歳(女)。
私には2人、12歳(女)、7歳(男)が離れて暮らしております。
昨年12月に入籍して、2020年1月に海外で挙式をしました。が、今、スピード離婚の危機を迎えています。
原因は上記の子供たちです。
あと、夫にはDV気味な部分があり、離婚をすぐにチラつかせて私を苦しめて楽しんでいるようです。
ボイスレコーダーを私の家出中に忍ばせておいたら、嬉しそうに楽しそうに私が苦しんでいるのを自分の息子に電話で報告していました。その後は歌を唄いながらお皿を洗っていたりして楽しげでした。

私は彼の「再婚しても自分の子供を可愛がってなにが悪い」という態度が苦痛です。
私を新参者扱いし、歴史が長い子供の方が上という考えならば、再婚する資格さえないと私は思えてなりません。
精神的に辛く、精神安定剤も飲むようになりました。
仲直りしたいけど、私より子供たちの方が上という考えがあるこの人と、二重人格だと分かった彼と、これから先の人生共に過ごして良いのかわからない状況です。
なにか良い案はないでしょうか?

〜ひとみしょうのお悩み解決コラム〜

こはるさんはスピード離婚したほうがいいとぼくは思います。

女性って、旦那さんに精神的DVを受けていても「わたしが悪いんだ」「わたしがもっとしっかりしさえすれば旦那の機嫌が良くなって、事態は好転する」などと思いがちでしょう?そう思う女性って多いでしょ? でもそう考えること自体が、事態をさらに悪化させるのです。

女性の特徴とはなにか?

キルケゴールという哲学者は、女性の特徴(女性らしさ)を、献身と言っています。すなわち、相手にほとんど無償でいろんなことをしてあげたいと欲して、実際にそうすること、これが女性の特徴であるとキルケゴールは言います。
たしかにそのとおりだとぼくは思います。

女性って、相手の男性のことをいったん好きになってしまえば、もう「なんだって」やりますよね? 他人が聞くとびっくりするようなことだって平気でやるじゃないですか。
極端な例ですが、元交際相手の裸の画像をばらまいて逮捕される男がいますね。あれは、男が変態だというだけでなく、相手の女性が交際中はきわめて献身的だったということなのです。彼が求めるままに、あんなこともこんなこともしてあげていた、ということです。

ではなぜ、女性はそこまで献身的なのでしょうか?

ひとつには「そもそもそれが女性だから」という答えがあると思います。人間には男と女しかおらず、どちらかが献身的な性質を持っていないと、人間という「種(種族)」が生き残れない、というわけで、マンモスを狩るのが男であるのに対し、男の留守中に家や村を守る役割、すなわち献身的に他人の世話をする役割として女がいた――たとえばこう言えるでしょう。

他に理由があるとすれば、女性は献身的という性質を持っているがゆえに、「自分」というものを置き去りにしてしまった(あるいは、置き去りにしてしまっているように見える)ということが言えると思います。

精神的DVの被害者とは

彼氏や旦那に精神的DVを受ける女性の特徴に、「自分をもっていない」というのがあると、ぼくは見ています。

「わたしはこうしたい」「わたしはこう生きる」という考えがなく(あるいは薄く)、つい彼氏や旦那の色に染まり、彼の言うとおりにふるまってしまう。「なんか違う」と感じても、男の言うがままにふるまってしまう――このような女性の性質が、事態をより深刻なものにさせてしまっているのだとぼくは感じます。

もちろん、言うまでもなく、男が良くないんですよ。パートナーのことを精神安定剤に頼らざるを得ない状態にまで追い詰める男が良くないのは言うまでもないことです。

ただ、男が良くないというのとはまったく独立に、女性の側には、すなわち、こはるさんの側には、女性ならではのそのような性質があるから、今回このような事態に陥ったのではないでしょうか、ということです。

これからどうすれば、こはるさんは幸せになれるのでしょうか

さて、これからどうすれば、こはるさんは幸せになれるのでしょうか。冒頭にスピード離婚を推奨しましたが、離婚すればそれでOKなのでしょうか。

キルケゴールという哲学者は、献身の度が過ぎる人のことを「自分の人生に絶望している人」と言いました。具体的には「弱さの絶望を抱いている人」と言いました。

弱さとはなにか? 「本当は自分はこう生きるべきだと知っているにもかかわらず、そう生きることができないこと」これをキルケゴールは「弱さの絶望」と呼びました。

こはるさんもきっと、ホントは自分はどう生きるべきか知っていると思います。でも、つい、彼氏がいたほうが幸せとか、経済的なこととか、性的なこととか……なにが原因がわかりませんが、なんらか現実的なことが先立って、今のように生きているのだろうと思います。
本当はこう生きるべきだ、の「こう」に正直に生きると、もつれた糸が一本ずつほどけていくと思います。

最後に。芸能人の子連れ再婚がときどきテレビで話題になりますが、夫と妻それぞれが、相手の連れ子のことをどう思って、どう接しているのかについて、もっと生々しく報道すべきだと思いませんか?
「子連れ再婚で幸せ」みたいなざっくりした(ウソかホントかわからないような)ことを報道する傍らで、夫の妻への精神的DVとか、妻の連れ子に対する夫の性的虐待とか、そういうのがネットで話題になっているのだから。(ひとみしょう/作家・コラムニスト)

※参考 キルケゴール・S『死に至る病』講談社(2017)

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