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「朝顔市」「ほおずき市」って?なぜ朝顔やほおずきが売られるの?

  • 2020.7.3
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【2024年1月24日更新】毎年7月に全国各地の寺社などで催される「朝顔市」と「ほおずき市」。朝顔は観賞用として、ほおずきは薬用として縁日で売られるようになったのが始まりです。なかでも7月6〜8日の入谷(いりや)の朝顔市、7月9〜10日の浅草寺(せんそうじ)のほおずき市は有名で、例年、国内外から多くの観光客で賑わいます。大切にしたい日本の夏の風物詩としてご紹介します。

jaruncha / Shutterstock.com


7月に催される「朝顔市」と「ほおずき市」。その由来や楽しみ方を、和文化研究家の三浦康子さんに教えてもらいました。

朝顔市とは?

朝顔市とはその名の通り、朝顔を売る市のこと。日本各地で開催されますが、台東区入谷の鬼子母神(きしもじん)の市が特に有名です。

朝顔は奈良時代末期に遣唐使によって薬用植物として伝来し、江戸時代になると美しい花が注目を浴びて観賞用として栽培されるようになりました。武士や庶民の間で、大きな花の「大輪アサガオ」や、葉や花がユニークに変化した「変化咲きアサガオ」などが大流行したのです。

その後、ブームは一旦沈静化したのですが、明治時代中期から入谷の植木屋で広く育てられるようになり、朝顔市が催されるようになりました。朝顔市は大正時代に1度途絶えたものの、1948年(昭和23年)に復活。朝顔は別名「牽牛花(けんぎゅうか)」というので、七夕の牽牛(=彦星)にちなみ、例年、七夕を挟んだ7月6日〜8日の3日間に「入谷朝顔まつり」の名称で開催されています。

朝顔は鉢植えでも次々と蕾が膨らんで、長く花を咲かせてくれます。今年はおうちで朝顔鑑賞を楽しんでみてはいかがですか?

ほおずき市とは?

浅草寺のほおずき市は、四万六千日(しまんろくせんにち)に開かれる、観世音菩薩の縁日。毎年7月9日、10日に当たり、この日に参詣すると46,000日分(約126年分)お参りしたのと同じご利益で、一生分の功徳を得られるとされています。

ほおずきは、江戸時代に薬草として港区芝にある愛宕(あたご)神社の縁日で売られ、「水で鵜呑みにすると、大人は癪を切り、子どもは虫の気を去る」といわれていました。それが四万六千日の本家である台東区の浅草寺に波及し、やがて「ほうずき市といえば浅草寺」になったそうです。例年7月9日、10日には多くの参拝客で賑わいます。

ほおずきも朝顔と同様、鉢植えで楽しめます。日当たりのいい窓際に置いて朝晩たっぷり水をあげれば、青かった実もどんどん朱色になり、夏の間楽しめますよ。お近くのフラワーショップやネットショップで探してみてくださいね。

監修:三浦康子

和文化研究家。日本の文化を今に生かす方法をさまざまなメディアで提案。「行事育」提唱者。著書に『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)他多数。

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