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Zoom会議で「この人デキるな」と強く印象づけられるポイント5つ

  • 2020.7.3
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今回は、Zoom会議を成果につなげるコツを、参加者の側から考えます。どうしたら会議に貢献できるのか、上司の評価につながるポイントはどこか──。ファシリテーターとして多くの会議で司会進行を務めてきた、ちょんせいこさんが教えてくれました。

自宅からビデオ会議に参加する女性
※写真はイメージです(写真=iStock.com/Nattakorn Maneerat)
一緒に会議をつくり上げていく意識を

Zoom会議に参加してみて、リアルの会議との違いに戸惑ったという人も多いのではないでしょうか。よく聞くのは、「画面越しなので場の空気が読みにくい」「発言のタイミングがつかめない」といった声。これらの気がかりを解消するにはどうすればいいのでしょう。

実は、こうした悩みは司会進行役のファシリテーターも同じです。そのため、会議をスムーズに進めるには、参加者全員が「みんなで協力して会議を作ろう」という姿勢を持つことが必要です。

進行をファシリテーターに任せっぱなしにしたり、発言を振られるのをひたすら待っていたりする“お客さん”として参加するのではなく、一緒に会議をつくり上げていく意識を持つと会議が変わります。

例えば、Zoom会議が堅苦しくなりがちなら、チェックイン(会議開始)の際に軽いあいさつや近況報告をしてみてはどうでしょうか。皆がひとことずつ言ってから会議を始めれば場も和みますし、リモートワークのため減っている雑談を補うこともできます。

また、本会議の前に参加者数人で事前打ち合わせをしておくのもおすすめです。すべてを本会議の中で解決しようとすると、「思ったことを伝えられなかった」「時間が足りなかった」などの後悔も生まれます。事前に会議の流れを少しでもつくっておくと、本番もスムーズに進行しやすくなります。

ファシリテーターへの協力度も決め手に

Zoom会議では、ファシリテーターへの協力姿勢がそのまま会議への貢献につながります。具体的には、次の5つの行動を意識してみましょう。

Zoom会議に貢献するコツ
①発言した後、次の人に「意見のバトン」を渡す
②タイムマネジメントは各自でも行う
③オンラインに適した表情や話し方を心がける
④ファシリテーションスキルを学んでおく
⑤みんなに感謝の気持ちを示す

順に見ていきましょう。まず①は、自分が発言した後「○○さんの意見はどうですか」と誰かに振ってみたりすることです。意見を言いっぱなしにしてファシリテーターに後を引き受けさせるのではなく、自ら積極的にバトンを回していくのです。皆の発言の機会を増やせますし、議論の活性化にも貢献できます。

②のタイムマネジメントでは、時間内で会議の成果を出せるよう、各自が協力します。ファシリテーターは時間管理に気を配っていますが、参加者全員がこの意識を持てば、進行はグンとスムーズになります。意見を言うときは、長くならないように工夫します。

③の表情や話し方は、リアル会議の時よりも大切になります。Zoom会議では、無表情でじっとしていると「不機嫌なのかな?」と思われがち。会議中はできる限り笑顔で、うなずいてみせることをおすすめします。

苦手な人もいるかもしれません。私も最初は笑顔でいるのが照れくさかったのですが、Zoom会議では画面にずっと自分の顔が映し出されています。ある時、自分の不機嫌そうな顔に驚きました。時々チェックして、自分の表情がどう見えるか確認してみてください。

話し方では、意識してノイズを消すように練習します。ノイズとは「あのー」「えっと」といったつなぎの言葉。緊張すると間を埋めようとして使ってしまいがちですが、間延びして聞こえますし、あまり多いと意見が伝わりにくくなります。

不要なノイズはできるだけ排除して、滑舌もはっきりと、強弱をつけて話すようにしてみましょう。表情や話し方は慣れの部分も大きいので、最初は苦手でも、意識して続けているうちに自然とできるようになります。もちろんいつでも笑顔でいる必要はありませんが、いつでもできるようにしておきます。

意見の中身と貢献度でワンランク上の評価を

④に「ファシリテーションスキルを学んでおく」を挙げたのは、これを知っていれば、会議の進行に的確に協力できるようになるからです。

例えば、ファシリテーターは議論を可視化するためにGoogleスライドなどをホワイトボードのように使います。でも、実は司会進行をしながら書き手も務めるのは結構大変なもの。トレーニングも必要です。

この時、参加者が交代で書き手を代わってくれると助かります。事前に少し練習しておいて、大変そうなときは交代できれば、会議への貢献度がアップします。みんなから感謝されるでしょうし、何より自分自身の学びになります。

意見のバトンやタイムマネジメントにも同じことが言えます。参加者同士の協力があればファシリテーターの仕事は減ります。みんなの活発な議論で、会議の成果もあがります。

会議が終わったら、ぜひ⑤の「みんなに感謝の気持ちを示す」を実行してみてください。ファシリテーターにとっては、「お疲れさまでした」「ありがとう」といったねぎらいの言葉が、次のモチベーションになります。感謝の気持ちを表すことは、次回以降の会議の温かな雰囲気づくりにもつながります。

ここまで、Zoom会議に貢献するコツを考えてきました。では、こうした会議で自身が評価されるためには、何を重視すべきでしょうか。あえて答えるなら、それはやはり「意見の内容」に尽きるでしょう。

会議の成否は、どんな過程(プロセス)で、どんな意見(コンテンツ)が出たかという2点で評価されます。参加者にいちばん期待されているのはコンテンツです。そして、良きプロセスは、良きコンテンツを生み出します。「デキる人」と評価されたいのであれば、この2つの相関を理解して会議に貢献することをおすすめします。

「ファシリテーションスキル」は、会社の会議や研修などに有効なビジネススキルと思われがちです。しかし、この技術は、世代や意見の違いも超えて人をつなげる力があります。業務だけでなく、広く社会全体の成長にも貢献できるのです。ファシリテーションスキルを、できる限り多くの方に身につけていただけることを願っています。

構成=辻村洋子 写真=iStock.com

ちょん せいこ
株式会社ひとまち 代表取締役・日本ファシリテーション協会フェロー
2003年に会議の技法「ホワイトボード・ミーティング(R)」を開発し、効率的、効果的な会議の普及やファシリテーターの養成、チームマネジメントのスーバーバイズなどに取り組む。『元気になる会議─ホワイトボード・ミーティングのすすめ方』、『人やまちが元気になるファシリテーター入門講座』など著書多数。

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