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家事をしない夫・・・ワンオペに疲れました。どうすればいいのでしょうか?【ひとみしょうのお悩み解決】

  • 2020.6.13
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“【お便り募集】文筆家ひとみしょう お悩み解決” に送っていただいたお悩みの中からひとつピックアップしてひとみしょうさんがお答えしていきます。

「yokoさん40歳」のお悩み

ひとみさんはじめまして。
結婚して10年、8歳の子どもがいます。
夫がまったく家事育児に無関心、非協力的で、嫌気がさしています。
共働きですが、家事育児はずっと私一人のワンオペです。
何十回と夫と話し合い、お願いもしてきましたが、家事育児をやるようにはなりません。
今ではもう諦めています。
私がインフルになったときも、夫は普段と変わらず仕事後に飲んで帰ってきました。
次の日からは田舎の母に出てきてもらい、家のことをやってもらいました。
子どもが大きくなったら離婚するつもりですが、あと少なくとも10年はこの夫の世話をすると思うと、やっていられない気持ちになります。
どう考えたらいいのでしょうか。

〜ひとみしょうのお悩み解決コラム〜

ぼくはこれまで、ほとんどすべての相談メールに対して、相談者が希望が持てる方向の答えをしてきました。ちょっと無理っぽいなと思っても、相談メールに分け入って、希望が持てるところをどうにか探して、そこを膨らませて「がんばってくださいね」という気持ちを込めてお答えしてきました。

そんなふうに、希望の伝道師を自認しているぼくも、今回ばかりは希望の方向に話を膨らますことができません。
大変申し訳ないのですが、家事をしない男は死ぬまで絶対に家事をしないとしか言えないのです。ごめんね。

昭和の名残・平和ボケの名残

家事をしない男とは、端的に平和ボケした昭和の名残を「いいもの」として引きずっている時代錯誤の男です。
昭和って、経済が右肩上がりだったし、奥さんが外に出て働くことをよしとしなかった時代でしたね。専業主婦が多かった背景には、奥さんは家のことをするものだという、世間の圧力があったのでしたね。

きっと、yokoさんの旦那さんも、ほかの多くの家庭のように、家事をするお母さんと、一切家事というものをしないお父さんに育てられたはずです。そしてそのような家庭を「いいもの」と認識しているはずです。「いいもの」という認識を持っていないのなら「ほかに家族のひな型が思い浮かばない」のだろうと思います。
あるいは「おれの親父、最強! おれも一切家事をしない親父みたいになりたい」と思っているか。

でもね、考えてもみてくださいよ。自分のパンツ1枚洗えないとか、自分のごはんすら作れないというのって、端的に平和ボケだと思いませんか?

たとえば留学経験がある男性は・・・

たとえば留学経験がある男性は、洗濯も掃除も、料理もできます。というか、できる人のほうが多いはずです。

多くの場合、大金を握りしめて人は留学しませんね。生活を切り詰めることを前提に留学しますね。必然的に、自炊します。自炊できなければ飢え死にしちゃうから、自炊の能力がおのずとつきますね。掃除や洗濯など言うまでもないですね。
彼らは危機感を持っているのです。洗濯も掃除も、料理も、すべて自分でやらなければ、おれはこの知らない土地で野たれ死んでしまうという危機感を持っているのです。

対して、昭和男は……端的に平和ボケなんですよ。

「どう考えたらいいのでしょうか」に対する答え「大きな子どもがいる」と思うしかない

さて、「どう考えたらいいのでしょうか」という質問に対する答えですが、「大きな子どもがいる」と考えるしかないように思います。
お子さんは現在、8歳のお子さんひとりですか? そしたらそこに、大きな(もうすぐおじさんと呼ばれる年齢の)子どもが加わって、yokoさんは2人の子どものめんどうを見ると考えるのです。

がしかし、本当の子どもは(8歳の子は)、育て方によっては「男であっても家事はするものだ」ということを覚え、実践するようになるでしょう。子どもって、いわば「まっさらな頭」を持っているのだから、yokoさんの子に対するふるまい次第で、そういう「学習」をしてくれますね。

でも、大きな子どもは学習しませんね。育てる側にしてみれば、育て甲斐のない子どもです。
がしかし、しかたないです。今すぐ離婚するという選択肢を採らないのなら、育て甲斐のない大きな子もどうにか育てるしかないですよね。さもなくば、彼は野垂れ死んでしまうから。

「残念ね」とぼくは思います

ぼくは家事が好きです。コロナの影響で在宅勤務になった人が、閉塞感を抱いたり、退屈そうにしているそうですが、ぼくの仕事は年中在宅勤務だから(家の書斎で仕事をしています)、さして苦痛ではないですし、なにより家で仕事をしていたら気分転換に家事ができるので、とても幸せなのです。

ぼくが好きな人とか、尊敬する人も、家事が好きなはずです。
たとえば、指揮者の佐渡裕さんは、料理好きらしいです。あるいは村上春樹さん。クラシック音楽を聴きながらパスタを茹でるというじゃないですか!

自分のことは自分でする。自分が心地よく生きるための手間を惜しまない――こういう姿勢こそが、その人の人生を豊かにしてくれます。

なのでぼくは、yokoさんの旦那さんに「残念ね」と思います。
yokoさんもそう思えばどうですか?

(ひとみしょう/作家・コラムニスト)

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