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無職でも住民税はかかる?無収入の人が知っておきたい基礎知識をFPが解説!

  • 2020.6.12
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仕事を辞めて無職になると、収入がないので税金もかからないと考える人がいますが、実は無職・無収入でも住民税など一部の税金は支払わなければなりません。そこで本記事では、無職でも住民税が課税されるケースや、免除されるケースについて詳しく解説します。

無収入だと住民税はどうなる?

仕事を辞めて無職になった途端、住民税は支払わなくてよくなると考える人がいますが、実はそうとは限りません。仕事を辞めてしばらく経ったある日のこと、突然役所から住民税の納付書が届いて驚く人がよくいます。なぜ収入がないのに住民税の請求が来るのでしょうか。

前年の所得金額をベースに翌年請求される

仕事をしていると毎月給与から住民税や健康保険料が引かれるため、そのときの所得に対して課税されているイメージがあるかもしれませんが、実は住民税は前年の所得をベースに計算されています。

そのため、今現在無収入だとしても、前年の所得がある場合はその金額に対して住民税が課税されるので、無職であっても住民税がかかるのです。

退職金に注意

仕事を辞めて無職になる人で注意が必要なのが、退職金です。仕事を辞める際にまとまった退職金を受け取っている場合、退職金にも住民税が課税されるので、退職してすぐに退職金を使い果たしてしまうと、翌年住民税の納付書が届いて驚くことになります。

退職金を受け取る際には、翌年の住民税が上がることをよく認識しましょう。

住民税がかからないケース

このように無職であっても、住民税が課税される可能性があることはおわかりいただけたでしょうか。では、どうなると住民税が全くかからなくなるのでしょうか。

生活保護

1月1日時点で生活保護による生活扶助を受けている人については、住民税は一切課税されません。行政から補助を受けて生活をしているわけですから、住民税を課税するのはさすがに無理があるからです。

所得が一定以下

1月1日時点で次に該当する人のうち前年の合計の所得金額が125万円以下だと、住民税はかかりません。

  • 障害者
  • 未成年者
  • 寡婦

また、前年の合計所得が次の金額以下の場合は、上記に該当しなくても住民税が免除されます。

  • 同一生計の配偶者や扶養している親族がいない場合:35万円
  • 同一生計の配偶者や扶養している親族がいる場合:35万円×(同一生計配偶者+扶養親族数+1)+21万円

同一生計の配偶者には控除対象となっている配偶者も含めて考えます。これらに該当する場合は、住民税は完全にかかりません。

所得割のみかからないパターン

住民税は完全に非課税になるパターンと、一部非課税になるパターンがあります。住民税には所得をベースに課税される所得割と、定額で課税される均等割がありますが、所得割のみかからないというパターンがあるのです。

条件としては、前年中の総所得金額等が以下の金額以下の場合です。

  • 同一生計の配偶者や扶養親族がいない場合:35万円
  • 同一生計の配偶者や扶養親族がいる場合:35万円×(同一生計配偶者+扶養親族数+1)+32万円

総所得金額等とは、所得の合計金額から、繰越すことができる損失額を控除した後の金額のことをいいます。この場合は、住民税のうち所得割は免除されて均等割だけ請求されることになります。

住民税がかからない所得

住民税は所得に対して課税される所得割部分がありますが、次の所得については住民税が課税されないので覚えておきましょう。

  • 障害年金、遺族がもらう恩給や年金
  • 雇用保険による失業給付金
  • 職業訓練を受講する際の給付金
  • 生活保護で受け取る給付金
  • 月額15万円までの通勤手当
  • 相続や贈与でもらった財産(相続税や贈与税がかかります)
  • 児童手当
  • 出産手当金
  • 育児休業給付金
  • 出産手当
  • 傷病手当

これらの所得については、住民税はかかりません。最近では新型コロナウイルスの影響により、持続化給付金や定額給付金などの支援策が講じられていますが、住民税はかからないものが多いので積極的に利用することをおすすめします。

利用できる控除制度と手続き

住民税が免除されるケース以外については、原則として住民税を支払わなければなりません。ただし、次に該当する場合は住民税が一定額控除される場合があります。

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災害など

地震や津波などによって家や家財がなくなったなどの被害に遭われた人で、住民税の支払いが困難な場合は一部免除してもらえることがあります。申請には災害によって被害を受けたことを証明する書類として、罹災証明書の添付が必要です。

生活保護やそれに準ずる人

生活保護やそれに準ずる人で、住民税の支払いが困難な場合も一部免除してもらうことができる場合があります。生活保護受給者に限られるわけではないので、まずは一度相談してみることをおすすめします。申請には保護証明や生活の状態がわかるもの、そのほか収入がわかるものが必要です。

前年所得と失職

前年の所得が一定以下で、かつ1ヶ月以上失職などしていて所得がない場合、住民税の減免が受けられる場合があります。ただし、失職した原因が自己都合や期間が満了したことによる場合は対象になりません。あくまで会社の倒産や整理解雇、病気などの原因によることが条件です。

申請には給与明細書や雇用保険の受給者資格者証、医師の診断書や入院証明書などの添付が必要です。これらに該当する可能性がある人は、各役所の市民税課に問い合わせてみましょう。

コロナ禍で無職になった場合に利用できる給付金

新型コロナウイルスの影響で、仕事を解雇されて無職になる人が増えています。仕事を失っても住民税はすぐにゼロにならないので、当面の生活資金についてなんとか対策をとることが必要です。

中にはそれによって社宅を追い出されて引越しを迫られるというケースも少なくありませんが、この場合に利用できる給付金についてご紹介します。

住宅確保給付金

新型コロナウイルスの影響で仕事を失ったり、収入が大幅に減ったりした人については、一定額の住宅確保給付金を受給することができます。

給付金額の上限は地域によって違っていて、例えば東京都渋谷区の場合、ワンルームでひと月あたり53,700円が支給され、最長で3ヶ月間給付を受けられます。

ただ、通常給付金というと本人が受け取ることになりますが、住宅確保給付金は本人ではなく大家さんや管理会社に対して直接支払われるため、注意が必要です。

詳しくは、申請書に管理会社もしくは大家さんの署名捺印をもらった上で、家賃振込先口座を記入することになります。あとは、申請書を各自治体の窓口に提出することで、最長で3ヶ月間自動的に振り込まれることになるのです。

ただし、給付額が家賃に満たない場合は差額分を自分で振り込む必要がありますので、事前にいくら差額が必要になるのか確認しましょう。住民税を直接控除する制度ではありませんが、住宅確保給付金を活用することで、浮いたお金を住民税の納税資金に回せます。

また、給付金関係については、受け取っても翌年の住民税には影響がないケースが多いので、利用できる給付金は積極的に活用しましょう。

無職の場合の住民税に関するまとめ

住民税は全く収入がない人でも、前年の所得が高い場合はそれなりの金額になるので、払い方について考えておかないと期間中に支払えなくなる可能性があります。住民税を滞納した場合に課税される延滞税は負担が大きいので、できる限り避けるべきです。

納付書が突然届くとびっくりすることになるので、確定申告書や源泉徴収票を見ながら、自分自身にかかる翌年の住民税についてシミュレーションしておくとよいでしょう。

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