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イマドキ若者たちが、コロナ自粛中に見つけた「すごい楽しみ方」とは

  • 2020.6.12
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新型コロナウイルスによる外出自粛で、大学生のライフスタイルはどう変わったのでしょうか。今回は、大学生の男女5人を招いてオンライン座談会を開催。司会と解説は、YouTubeチャンネル「原田曜平若者研究所」を主宰するマーケティングアナリストの原田曜平さんです。

ホームフィットネス
※写真はイメージです(写真=iStock.com/Prostock-Studio)

(座談会参加者)
宮本 恵理子さん/早稲田大学4年生。バンドサークルなどに所属。趣味はドラム演奏。女性
磯部 卓冶くん/早稲田大学4年生。広告研究会に所属。趣味はサーフィン。男性
門戸 美礼さん/慶應義塾大学3年生。ダンスサークルなどに所属。趣味は筋トレ。女性
山本 里沙さん/慶應義塾大学1年生。放送研究会に所属。趣味は映画鑑賞。女性
加藤 耀くん/東京理科大学1年生。趣味は音楽鑑賞や動画鑑賞。男性

女子大生が毎日1時間半の筋トレ

【原田】外出自粛の期間中、皆はどう過ごしていたんだろう。大学も休校になって、家で過ごす時間が大幅に増えたと思うんだけど、コロナ以前と変わった点があったら教えてくれるかな。

【宮本さん】基本はずっと家にいて、外に出るのはスーパーに行く時か散歩ぐらいでした。暇なのでギターやピアノの練習、それと運動不足解消のために筋トレを始めました。筋トレは結構熱中しちゃって、筋膜ローラーやダンベルを買って1日1時間半ぐらいはトレーニングしています。スクワットも1日100回ぐらいするようになって、プロテインも飲み始めました。

【山本さん】私は、以前は帰宅する時間が遅くて、夜ご飯も友達と食べてから帰ることが多かったんですが、今は家で家族と食べるのが習慣になりました。後は海外ドラマをよく見るようになりましたね。

【磯部くん】趣味のサーフィンができなくなったので、3密じゃない場所を探してスケボーを始めました。それと、前は紙巻きタバコを吸っていたんですが、部屋の中でも吸いやすい加熱式タバコに変えました。前は、加熱式なんて軟弱なヤツが吸うものだと思っていたんですけど(笑)。

【門戸さん】私は運動が好きなので、最初は外に出られなくてつらかったです。でも、YouTubeを参考に痩せるダンスやK-POPダンスを始めてみたら楽しくて。母と一緒に筋トレもするようになり、今は充実しています。

動画配信サービス4社に一気に加入

【加藤くん】僕は人のいない駐車場などで弟とバスケをするようになりました。通学がなくなったので、運動量が少なすぎるんじゃないかって不安になったんです。インドア派だったのが、逆にアウトドア化した気がしています。あと、タバコは僕も加熱式に変えました。でも、家で吸う量が増えちゃって。ヤバいと思って今は禁煙目指して減煙中です。

【原田】運動を始めた人が多いんだね。加藤くんの話からは健康意識の高まりも感じるよ。じゃあ動画配信サービスはどう? 自粛期間中に加入者がかなり増えたそうなんだけど、皆も加入したのかな。

【宮本さん】アマゾンプライムとHulu(フールー)に加入して、日本のドラマをたくさん見るようになりました。『逃げるは恥だが役に立つ』とか、今までは時間がなくて見られなかったので、いい機会だと思って見ています。

【山本さん】私もアマゾンプライムに加入しました。少し古いですけど『ゴシップガール』とか、おすすめ欄に出てくる海外ドラマを片っぱしから見ていますね。

【門戸さん】私も同じで、アマゾンプライムで韓国ドラマを見始めました。どれも話が長いので、以前だったら億劫で全部見られなかったと思うんですが、外出自粛中は2~3日でイッキ見しちゃってましたね。

【磯部くん】僕は、外出自粛になってしばらくしてから、アマゾンプライム、パラビ、Hulu、dTVなどに一気に加入しました。ただ、どれも無料のトライアル期間がそろそろ切れるので、全部にお金を払い続けるわけにもいかなくて。今はどれをやめるか考えているところです。

【原田】コロナ明け&無料期間明けとともに去る、配信会社にとっては一番損になるパターンだね(笑)。でも、そういう若者は結構多いみたいだよ。

【加藤くん】動画配信サービスは、コロナが落ち着いたら見る暇がなくなりそうなので加入しなかったんです。代わりにTSUTAYAに行って、アメリカドラマのDVDをよく借りていました。あと、期間中はたくさんのアーティストがYouTubeでライブ動画を公開していたので、それを追いかけるだけでも結構忙しかったです。

【原田】時間ができて、以前は見られなかったコンテンツを見るようになったわけだね。逆に、外出が減ったことでやらなくなったことはある?

オンライン飲みで女子のメイクが変化

【宮本さん】メイクしなくなりました。特にファンデを使わなくなりましたね。代わりにスキンケアを大事にしたくなって、今は毎日コットンパックをしたり、スチーマーを当てたりしています。ただ、オンライン飲みの時はファンデを塗るので、それも肌にいいものにしようと思って、自然派コスメの「チェリーブロッサム トーンアップクリーム」を買いました。

【門戸さん】私もファンデは省いて、アイブロウとビューラー、リップだけで時短メイクをするようになりました。そうするとやっぱり肌をきれいにしたくなって、保湿をしたり母親の美顔ローラーを借りたりしてお手入れしています。

【山本さん】私も、肌には何も塗らなくなりました。肌を休ませる時間がつくれてよかったと思っています。マスカラも、前はキープ力重視で選んでいたのが、落としやすさ重視に変わりました。オンライン飲みが終わったらすぐ落とせるように、今はお湯で落ちるマスカラをメインで使っています。

【原田】それは大きな変化だね。これまで、化粧品メーカーにとっては「若者向けのスキンケア商品をどう伸ばすか」が大きな課題だったんだけど、それも変わっていきそうだね。

【加藤くん】メイクではないですが、僕は自粛期間中にヒゲで遊ぼうと思っていろいろ試しました。アゴと鼻の下だけ伸ばしてみたり……。結果、全部似合わなかったので実験は失敗だったんですけど(笑)。

缶チューハイの消費量が急増

【原田】男子も、誰も見てくれないからこそ実験できることがあったんだね。もうひとつ聞きたいんだけど、料理はどう? 外食ができなくなって、皆ご飯はどうしていたのかな。

【門戸さん】前はバイト先でまかないを食べたり友達と外食したりで、ほとんど料理しなかったんです。それが、母に教わってチキン南蛮やキーマカレー、ビーフシチューなんかをつくるようになって、料理の楽しさを知りました。

【磯部くん】お昼ご飯はたまに自分でつくるようになりました。と言ってもパスタとかチャーハンとか、「ザ・大学生」みたいな料理ばかりですけど。最初はネットで検索していましたが、今はレシピを見ずにつくれるようになって、自分なりにアレンジして楽しんでいます。

【加藤くん】僕の実家は、外出自粛になってから生協に加入しましたよ。食材を宅配してくれるから。1回で大量に購入できるようにコストコにも加入していました。

【宮本さん】料理じゃないですけど、私はビールや缶チューハイの量が増えました。コロナ以前は居酒屋飲みがメインでしたが、今は家で毎晩親とビールを飲むし、友達とのオンライン飲みでは缶チューハイ4缶以上は当たり前。自分でもよく飲むなと思います(笑)。

“若者向け健康器具”やスキンケア商品の可能性

【原田】それはお酒メーカーにとってはうれしいだろうな。若者が「宅飲み」の価値を再発見しているわけだね。料理も、これをきっかけにチャレンジする若者が増えれば、手軽な調理器具の需要が増えそうだね。また、家庭でも食材の宅配や大量購入のニーズが高まっていくのかもしれない。動画配信サービスやメイクの傾向にしても、これがコロナ後も続くブームになり得るのかどうか、今後も注目していきたいと思う。

今回の座談会からは、外出自粛で多くの若者が運動を意識するようになった様子がうかがえました。その一方で、参加者のほとんどがこれまでは使っていなかった動画配信サービスに加入しています。学校やバイト、友達との付き合いなどで忙しかった大学生たちに、運動と休息の両方を楽しむ時間的余裕ができた結果と言えるでしょう。

またメイクの話題では、対面の飲み会がオンライン飲み会に変わったことで、スキンケアを大事にするようになったという声が聞かれました。家庭用運動器具やスキンケア商品は、これまでは社会人世代や中高年が主な購入層になっていましたが、これからは大学生もターゲットになり得るのかもしれません。次回は、アフターコロナの人間関係や仕事観、消費意識などについて聞いていきたいと思います。

構成=辻村洋子 写真=iStock.com

原田 曜平(はらだ・ようへい)
マーケティングアナリスト
1977年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、博報堂に入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。2018年よりマーケティングアナリストとして活動。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。著書に『平成トレンド史』『それ、なんで流行ってるの?』『新・オタク経済』などがある。2019年1月より渡辺プロダクションに所属し、現在、TBS「ひるおび」、フジテレビ「新週刊フジテレビ批評」「Live News it!」、日本テレビ「バンキシャ」等に出演中。「原田曜平若者研究所」のYouTubeチャンネルでは、コロナ禍において若者の間で流行っていることを紹介中。

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