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身体ナビゲーションVol.48「男性ホルモンと薄毛の関係」

  • 2015.4.24
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こんにちは。健康管理士のSAYURIです。

前回はアンドロゲン(男性ホルモン)の減少によって起こる不調、男性の更年期障害について解説しましたが、 体調不良ではないものの、男性を悩ませるのが“薄毛”。実は薄毛にも男性ホルモンの1つ、テストステロンが関係しています。今回はテストステロンと薄毛の関係についてご紹介したいと思います。

●男性型脱毛症とは

最近ではAGA(Androgenetic Alopesia)と呼ばれる男性型脱毛症。成人男性に多く見られる頭髪が薄くなる症状のことを指します。

額の生え際や頭頂部がどちらか一方、もしくは双方から薄くなっていきます。現在、薄毛で悩んでいる人のほとんどがAGAであると言われていて、早い人であれば20代前半から症状が出ます。

「男性ホルモンが多い人は薄毛になりやすい」「体毛が濃い人は薄毛になりやすい」などとよく言われますが、男性ホルモン(テストステロン)そのものが脱毛を促進しているわけではありません。

テストステロンが頭皮などに存在する“5aリダクターゼ”という酵素と結びつくとDHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンに変化します。このDHTにより毛髪の成長が妨げられて完全に成長しないまま抜けてしまうのです。

本来の太さになるまで成長しないまま抜けてしまうので、未熟な細い髪ばかりが増えてしまい、頭皮が目立って透けてくるのです。このことからも5aリダクターゼ自体の分泌量が多いと薄毛になりやすいといえるでしょう。DHTは皮脂の分泌、髭や体毛の発育を促進する一方、頭髪の発育を阻害する働きも持っているのです。

●育毛剤が効かない薄毛

全ての薄毛の原因がDHTではありませんが、DHTが原因となっている薄毛については、いくら育毛剤などで地肌に栄養を与えてもあまり効果は期待できないようです。しかし、近年AGAの治療は注目されていて、今では5aリダクターゼが酵素と結びついてDHTに変換されること自体を阻害する治療薬も出ています。

5aリダクターゼの働きの違いやDHT産出量の違いは遺伝の影響を受けますが、遺伝的な要素以外にも過度なストレスや睡眠不足、脂質過多の食生活など生活習慣もひとつの原因となるので、遺伝的要素のない人でも薄毛になることがあります。

【参考文献】

・総務省認証予防医学学術刊行物『ほすぴ』成人病予防対策研究会発行

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)

長年の医療機器メーカー勤務の経験から健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーの資格を取得し、健康管理士事務所『優縁』を設立。現在、食で愛を育む食愛ナビゲーターとして、食育の講演や執筆活動を中心に、NPO法人『予防医療推進協会』理事長として、成人向けの生活習慣改善のさまざまな提案を発信中。

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