1. トップ
  2. 恋愛
  3. 努力しても努力しても自尊心が低いのはなぜ|川村真木子×胎盤JD対談#モヤるのがおかしい?

努力しても努力しても自尊心が低いのはなぜ|川村真木子×胎盤JD対談#モヤるのがおかしい?

  • 2020.5.23
  • 8376 views

「高学歴の女性や一流企業に勤める女性は、自分のスペックの高さを隠しがち」なんて話をよく耳にします。日本特有の「奥ゆかしくあれ」「謙虚であれ」といった美徳も相まって、自分の能力を堂々とアピールできない女性が多いようです。「なぜ女性は堂々と自分の能力を誇れないの?」この違和感について語って頂くのは、アメリカの大手投資会社で活躍する外資系バリキャリ女子・川村真木子さんと、Twitter14万フォロワーで現在就活中の女子大生コラムニスト胎盤JDさんのおふたり。どうやら根底にあるのは「自尊心の低さ」を増長させてきた"社会"に課題があるようです。

「自分よりちょっと下」を恋人に選びたがる理由

――昨年の東大の入学式で上野千鶴子名誉教授が述べた祝辞が話題をよびました。大学内や社会における男女の格差についてどう思われますか。

胎盤JDさん(以下敬称略):つい最近まで、東大女子が参加できない東大のインカレサークルって結構あったんですよ。ほかの大学の女子、例えばいわゆるモテる女子大ランキングに入るような大学の女子生徒は入れるのに、東大女子は排除されるって謎ですよね。そこで思うのは、大学生くらいの男の子にとってベストなのって、そういう賢いけど賢すぎない、可愛いけど可愛すぎない「俺よりはちょっと下」っていう女の子なんですよね。

川村真木子さん(以下川村):それはある!すごくよくわかります。

胎盤JD:だから、そこまで偏差値は高くなくて、華やかなイメージがある大学はきっちりハマるんですよ。企業の採用でも、事務職採用=男性社員の結婚相手としての採用っていう意味合いがあるという話もあるから、就職にも強い。自分よりレベルの高い女性とはやりづらいという部分が男性にはあるから、それが東大女子の排除につながるんだと思います。

川村:それって東大女子だけじゃなくて、大学を出たあともずっとつきまとうんですよ。一流企業に勤めているような高収入のハイスペック女子も、同じように男性から一歩引かれて見られてしまう。例えば私が以前いた某外資系投資銀行に勤める女性社員たちもそうだったんですけど、皆外に出ると東大出身っていうこととか勤務先も隠すんですよね。そうしないと合コンで男性にモテないと。

胎盤JD:わざわざ違う会社名をいったりするんですか(笑)?

川村:そうそう! そうじゃないと男性にウケないっていう社会って悲しい。

胎盤JD:東大男子ですらそうなんだから、一般の男性はさらにハイスペック女子を避けますよね。

女性自身の自尊心の低さも問題?

川村:男性からどう見られているかとは別に、女性自身の自尊心の低さも問題だなと個人的には思っていて。例えば外資系金融業界でも「自分はこの仕事はできません」「私は出世しなくていいです」っていう女性が多いんですね。

胎盤JD:えー! 外部の人にじゃなく、社内でもそんな感じなんですか?

川村:そう、男性を引っ張るようなポジションにつくのは嫌がる女性が多いです。日本だけではないですけど、ニューヨークやロンドンに比べて、日本はそれが特に顕著。とにかく上に立ちたがらない、自分の能力に自信がないっていう女性社員が多い。多分それって、男性を敵に回すことになったり、煙たがられてしまったりということが見えているからなんでしょうね。あとは、ハイスペック女子がモテない=女として価値が低い、みたいに女性自身が思ってしまっていることも。これ、意外と根が深い問題だなと考えています。だって努力を積み重ねてきた自分の人生を、自分で否定しているということになりませんか?それってとても悲しいことだと思うし、そういう女性の思考を助長してきた男尊女卑志向の社会については、本当に残念だなと思うんですよね。昨日今日できた価値観ではないからいきなり変わるのは難しいけど、女性自身も、もっと自尊心を持ってほしい。自分を卑下したり自分のスペックを否定したりしないでほしいです。

――日本も昔に比べたらそういった格差がなくなっているように感じますが。こんなことをいう人は要注意といったキーワードは何かありますか。

胎盤JD:「女性は職場の華だから」とかいう人はだいたいヤバいと思う。「女性は職場を明るくしてくれる」とか、そんな役割を押し付けないでほしい。女は華やかじゃなければだめなんかい!って。

川村:そもそも、女性が男性と同じようにいろんな能力があるってことをわかっていない、もしくは見ようとしない人も多いですよね。

――そういう人への対処法、おふたりはどうします?

胎盤JD:「アハハ!そうですね!」って笑って流した方がいいのはわかってはいるんですけど、私の場合はあえて空気の読めない子っていうキャラをつくって「えー!その考えめっちゃ古いですよ!」って明るく言っちゃいますね。受け流すでもなく喧嘩するでもなく。

川村:私の場合は、周りのメンズや男友達が古い考えを持っていたら、長期にわたって洗脳します。例えばニュースを見せて「今、世の中ってこうなっているみたいですよ」って言ったり「こういう感じで産休って変わってきていますよ、御社はどうですか」って聞いたりして長期的に周りのメンズや男友達を育てています(笑)。

主体的に動けば追い風が吹く時代

――女性は就活のときから一般職にするか、総合職にするかと選択を迫られますよね。中間のエリア総合職という選択肢もありますが。

川村:エリア総合職って蓋を開けてみるとほとんどが女性なんですよね。それでいて仕事内容はけっこうハードで、ただ単に転勤がないっていうだけで給料がめちゃめちゃ低く抑えられている。基本的に多くの日本企業は、男性をあらゆる手をつかって稼がせようとするんですよ。例えば同じ大学を出て同じような能力の男女がいたとしたら、男性のほうにちょっとでも良いポジションを与えたり、ボーナスを多くあげたりとか。私なんて昔の上司から「結婚していて旦那さんがいるんだからボーナスはこれくらいでいいでしょう」って言われたこともありますよ。

胎盤JD:本当ですか? 外資系でもそんな上司いるんですね。

川村:ある程度グローバルな思考の人は多いんですけど、たまたまそのときは頭の固いおやじが上司だったので(笑)。私が自分の中で、いい仕事もできて出世もできたなって思えたときは、上司が女性だったんですよ。たまたま出会えた上司が女性だっただけですが、彼女の下では「性別」を意識することなく、「女性の私でもできます」アピールする必要もなく、純粋に仕事に没頭できたのがありがたかったです。

胎盤JD:結局は男社会だから、企業に属して稼ごうと思うと難しいということですね。

川村:そうですね。でも、少しずつ企業も社会も変わってきてはいるので、今後そこまで悲観する必要もなくなるかなとは思っています。また、自分でビジネスをやるのも面白い時代ですね。例えばネットで何かを売るとか、明日から始められるビジネスもあるわけだから、昔よりは悲観していないですね。副業がブームになっているのも女性にとっては追い風。物事がすごいスピードで変わっていっている今の社会にフィットしていると思います。だからこそ自分の居場所も多いほうがいいし、なんでも分散させていくほうがいい。そういう意味では、男性もこれから安泰じゃないからね!

Profile

川村 真木子さん
奈良県生まれ。一児の母。高校時代に渡米、UCバークレーを卒業する。卒業後、米投資銀行ゴールドマンサックスを経て米大手投資会社に転籍。3万人のフォロワーを抱える社会派インスタグラム@makikokawamura_が人気。

胎盤JDさん
現役女子大生。美容、恋愛、人間関係に関するつぶやきが人気で、Twitterは現在15万フォロワー。全日本元カノを許さない協会会長。Twitter@kopiJd。著書に『「誰でもいいから電話しよ」の「誰でも」は君のことだよ』がある。

Text by MAYUMI HASEGAWA
Illustration by NATSUKI MINAMI

元記事で読む