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オバマ前大統領夫妻が製作総指揮した話題のドキュメンタリー映画、『ハンディキャップ・キャンプ:障がい者運動の夜明け』。STAY HOMEで観る【今月のプロ押し映画!】

  • 2020.5.23
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Netflix映画『ハンディキャップ・キャンプ_ 障がい者運動の夜明け』独占配信中
Netflix映画『ハンディキャップ・キャンプ: 障がい者運動の夜明け』独占配信中

世界同時配信の新作映画や韓国ドラマ・ブームの再燃で話題のNetflixでは、地味ながら優れたドキュメンタリー作品も数多く配信されている。3月25日に世界配信が始まった『ハンディキャップ・キャンプ 障がい者運動の夜明け』は、今年の1月に行われたサンダンス映画祭で観客賞を受賞した最新の話題作。製作総指揮にはオバマ前大統領夫妻も名前を連ねている。

1951年から77年にかけて、ニューヨーク郊外で障がいを持つティーンエイジャーのためのサマーキャンプが開かれていた。そこは、さまざまな差別や困難の中で生きる彼らにとって、普段の生活では味わうことのできない自由や自分たちの可能性を感じられる場所だった。特に70年代前半、キャンプは最も活気に満ちていた。そこで知り合い、交流と信頼を深めた、悩みを共有する仲間たちとの絆はやがて、雇用問題や段差のない街づくりなど、バリアフリーな社会を求める社会的弱者ための公民権運動へと発展し、10数年かけてようやく1990年の「障がいを持つアメリカ人法」の制定へとつながっていった。

共同監督にして主要出演者の1人、ジム・レブレヒト(字幕の表記はレブレクト)は、自身も二分脊椎症で、71年のキャンプに参加。そこでの体験で自信をつけた彼は、その後多くのハリウッド映画でも活躍する音響編集マンとなった。本作は彼が長年温めていた企画で、伝説のキャンプを収録したビデオ映像を中心に、障がい者たちが自らの権利を獲得するために行動した不屈の戦いの記録が描かれている。その姿は感動的であると同時に、“バリアフリー後進国”と呼ばれる日本の現状は、アメリカよりも明らかに数十年遅れていることを痛感させてくれる。コロナ禍のなか、ちょっとした意識改革にもなる必見の1本だ。

Text: Jun Edoki

『ハンディキャップ・キャンプ:障がい者運動の夜明け』

ジェームス・レブレヒト& ニコール・ニューナム監督

Netflixにて独占配信中

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