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脳科学でみると「ダイエットしても痩せない」のは当然だった!じゃあ、どうすればイイの?

  • 2015.4.21
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同じ“ダイエット”という目的でも食事制限で減量したいと思っている人は“〇〇を食べたら痩せる”といった情報がたくさん目につき、運動で減量したいと思っている人は“ウォーキングやジョギング、トレーニングの情報”がやたらと目につくようになるものです。

そして、「やっぱり痩せるには食べる物に気を付けないとね。」「やっぱり痩せるには運動よね!」と結論づけるもの。

“ダイエット”という同じ目的であるにもかかわらず、何故このような“違う結論”に至るのでしょう。

それは脳の基底部にある“RAS(Reticular Activating Sistem/網様体賦活系”というフィルターシステムの存在が大きな影響を与えています。今日はこの“RASを制したモノこそキレイになれる”理由をダイエット指導者としても活動する筆者が説明しましょう。

 

RASって何?

私たち人間は視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚という五感を通して毎秒、膨大な情報を得ていますが、それを全て受け取っているわけではなく、RASがその時に重要だと判断した情報以外は全てシャットアウトしています。

これはダイエットだけではありません。妊娠したことのある人なら経験があると思うのですが自分の妊娠が分かった途端、やたら妊婦さんが目についたのではないでしょうか。それはあなたと同時期に妊娠した人が急に増えたのでしょうか? 違いますよね。

それまでは“RAS”によってシャットアウトされていた妊婦さん達の姿が目に入るようになっただけのことです。あるブランドのバッグが欲しいと思ったら、やたらそのブランドのバッグを持っている人が目につくのも同じこと。

 

「RASがもたらす」意外なダイエットの敵とは?

例えば「〇〇を食べたら痩せる」といった情報を得て「これなら私にも出来る!」と思いその食品を食べ続けていると、そのうち飽きてきて食べるのが嫌になってきます。しかし自分が飽きてきたという理由で挫折したとは思いたくないという心理も働きます。

するとRASが「〇〇を食べたら痩せる」という情報をシャットアウトし逆にその“〇〇に否定的な情報”だけをインプットするようになるのです。

これは、ウォーキングのような運動系での減量計画でも同じことが起き得ます。当初「早歩きは痩せる」という情報を採用して実践してみたけど、それが辛く感じるようになると、それまでなかった(正確には目につかなかった)早歩きのダイエット効果に否定的な情報が目につき「やっぱり早歩きしてもダメなんだ。」と自分を納得させようとし、止めてしまうので当然効果を出せずじまいなのです。

 

人は自分の「挫折を正当化したい」生き物

筆者が指導した方でもやはり起こりました。例えば2人の55㎏の女性が同じ指導を受けてダイエットをスタートしたのですが、1人の女性は「私は50㎏まではいつも落ちるけど、そこからが落ちないの。」もう1人の女性は「私は52㎏までは落ちるけど」。そう思っている各自、自分の言った体重で見事に止まってしまうものなんです。

何故なら、その体重になると「停滞期だから頑張っても落ちない」と運動をサボったり、「どうせ我慢しても落ちないんだから。」とそれまで控えていた甘い物やお酒などに手を出したりしてしまっているからなのですが、これもRASが過去の記憶から“体重が落ちない言い訳”を探し出してきた結果です。

運動をしたくないと思えばRASが運動をしない(本人は出来ないと思っている)ための情報(時間がない、場所がない)だけを取り込み、どうしたら運動が出来るかという運動をするための情報はシャットアウトしてくれるのです。

また「ダイエット中は大好きなスイーツは我慢!」と強く意識するとかえって、雑誌やテレビのスイーツ特集が目についたり、それまで知らなかった(気が付かなかった)美味しいケーキ屋さんを見つけてしまったりするのもRASの仕業。

 

RASを上手に使えばシメたもの!

「脳がそんな働きをするならダイエットで所詮成功しないんだ……」と思った方、そうではありません!

運動するのであれば「どうすれば楽しく運動が続けられるか?」、食事に気を付けるのであれば「どんな食べ方なら楽しく美味しく続けられるか?」、そんな意識の持ち方をすれば、それに沿った情報をRASがインプットしてくれ、目的達成のために継続的に動けるはずです。

 

気合と根性でツラ~く厳しい道のりを制した者だけがキレイになれるワケではありません。脳の働きを知って上手く活用してみてはいかがでしょうか。

(トータルヘルスナビゲーター:SAYURI)

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