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オバマ氏、黒人大学群卒業生に「感動的なスピーチ」を披露!

  • 2020.5.19
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5月16日(現地時間)、アフリカ系アメリカ人を対象に設立された大学群「歴史的黒人大学(HBCU)」のオンライン卒業式『Show Me Your Walk HBCU Edition』が開催され、78大学から2万人以上の学生が参加した。

JPモルガン・チェース銀行が主催したこの卒業式には、芸術、政治、音楽、スポーツなどの分野を代表する20名以上の黒人リーダーが参加し、HBCUの卒業生たちを祝った。黒人人気俳優ケヴィン・ハートが司会を務め、オバマ前大統領もオンライン演説で参加。オバマ氏はこの卒業式で1回目のスピーチを行い、同日夜にTVとオンラインで同時放送された全米の高校生の卒業を祝う番組『Graduate Together: High School Class of 2020』にも出演、2度目の演説を行った。

そこで、氏が残した印象的なスピーチをここにお届け。

「どんな状況下でも、大学を卒業したことはみなさんにとって大きな成果であり、ここに辿り着くまでに数々の障壁を乗り越えてきた人が大勢いると思います。みなさんは学校以外の場面でも難題に取り組んできました。みなさんの多くが大学の授業料を払うのに苦労してきたでしょうし、なかには家族のなかで初めて大学を卒業するという人もいるでしょう。

今学期の半分をZoomでのオンライン授業に費やしたとしても、みなさんはその期間に多くのことを学び、今日のこの瞬間を掴み取りました。みなさんは自分に自信を持つべきです。ご両親や祖父母、教授、師匠、叔父、叔母、兄弟、本当にいとこなのかどうか定かではないいとこなど、学生時代をサポートしてくれた周りの人々がみな、あなたを誇りに思っていますし、今日はそうした人々にも感謝をしてください。

今回の卒業式は、みなさんが想像していたものではなかったと思います。HBCUは主に学問の厳格さや地域社会、高い目標に基づいた教育で知られていますが、そのはっちゃけぶりでも有名だからです。春になると、4年生はみなキャンパスで誰より輝いて見えます。ハワード大学やモアハウス大学などで行われる春のイベント『スプリングフェスト』では、羽目を外す人も少なくありません。

グランブリング州立大学やサザン大学、ジャクソン州立大学、テネシー州立大学の学生たちは、ライバル校との合同卒業式に眉をひそめているかもしれませんが、今は通常の時期ではないのです。みなさんは、壊滅的なパンデミックと深刻な不況のまっただ中にある世界で自分の道を見つけるよう求められているため、このタイミングは決して理想的とは言えません。

こうした疫病は、わが国の黒人社会が歴史的に対峙してきた不平等と過剰な負担を浮き彫りにしています。先日ある親子がジョギングをしていた黒人男性を止め、自分たちの質問に答えなかったという理由だけで彼を射殺したように、新型コロナウイルス感染症の影響に見舞われている今の状況でも、黒人に対する理不尽な扱いがまかり通っているのです。

こうした不当な行為は今に始まったことではありません。今新たに始まっているのは、あなた方のように若い世代の人たちの多くが、この現状を修正する必要があるという事実に気付いているということです。従来のやり方ではうまくいきませんし、あなたがいくら稼いでいても、周りの人々が飢えや病気に苦しんでいたら意味がない。

我々の社会と民主主義は、自分のことだけを考えるのではなく、お互いを思いやることではじめて機能します。このパンデミックによって、トップに立つ多くの人々がどのような行動をしているのかが明らかになりました。彼らの多くは、責任を持って対処しているという素振りすら見せていないのです。世界がよりよい方向に向かうかどうかは、あなた方次第です。すべてが突如として手に入るように感じられる今こそ、みなさんが主導権を握るチャンスなのです。もはや、みなさんに『時期尚早』と口を出す人はいません。

そのため、従来の方法を強いる人はいないでしょう。これまで以上に、今はみなさんの時代であり、みなさんの世代がこれからの世界を形作っていくのです。この責任を引き受けていただくにあたり、私はみなさんの世代が勇敢であること、そして不信感や恐怖で曇ることのないビジョンを持っていることを望んでいます。

アフリカ系アメリカ人である若者として、みなさんは他の人々よりも早くから社会の荒波に揉まれてきたことでしょう。しかし、若きHBCUの卒業生として教育を受けてきたことは、社会のあるべき姿を示しているのです。みなさんの多くは、変化の種をまくという理由で、国内のどの学校でも選ぶことができたはずです。しかし、システムを根底から揺るがした勇敢な人々の足跡を辿る道を、みなさんは選択した。

私は今日、みなさんが素晴らしい選択をしたということをお伝えするために演説をしています。気付いているかどうかはわかりませんが、今は公民権運動の世代よりも、より多くのロードマップやロールモデル、そして情報を手に入れることができます。そして、みなさんは私の世代よりも多くのツールと才能を持っている。正義のために闘う戦士として世界を作り直すのに、これほど適した世代はないのでしょう

さらに、「私たちは、みなさんと共に歩むことを待ち望んでいました。学位を取得し、今まで学んできたことを活かしていけるかどうかは、みなさん次第なのです」と締めくくった。

オバマ前大統領のスピーチは、以下の動画からも視聴可能!

この卒業式は女性ラッパーのラプソディ(Rapsody)のラップで幕を開け、彼女自らが作詞した曲で卒業生たちを盛り上げた。また、参加者した著名人たちは終始、秀でた活動をしてきた学生たちを紹介。そのなかには、大学のほぼすべての組織で会長を務め、フォーブスの「30歳以下の奨学生トップ30」に選ばれた学生や、卒業生代表に選ばれるような学生たちが含まれている。HBCUの学長たちもオンラインで参加し、パンデミックという大きな課題について触れながら、祝辞を述べた。

ヒューストンのサーグッド・マーシャル法科大学院を卒業したエリカ・ヤングは、「優秀な黒人を見るのに、TVをつける必要はありません。鏡の中にいるあなた自身を見てください」と語った。

ハワード大学を卒業した米民主党カマラ・ハリス上院議員は、HBCUについて「生涯の友人と出会った場所です。ハワード大学で教育を受けたことは、私の人生を向上させ、未来への足がかりとなりました」と述べたうえで、作家のトニ・モリスンや数学者のキャサリン・ジョンソン、キング牧師がみなHBCUの卒業生であることを紹介し、「わが国にはみなさんの才能とやる気、そして決断力が必要です。覚えておいてほしいのは、みなさんは決して一人ではないということ。そしてHBCUの家族はいつもみなさんのそばにいるということです」と語った。

友人や家族たちとともに喜びを分かち合えないのは残念だが、従来とは大きく違う形での開催となったこのイベント、卒業生たちにとって、きっと思い出深いものとなったはず!

※この翻訳は抄訳です。

Translation:Masayo Fukaya

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