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画家・岡美里さんのおうち時間。リンゴやコーヒーとともに、どっぷりと本の世界に浸る。

  • 2020.5.16
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快適なおこもり時間を実現する人たちの取材を通して見えてきたのは、「どこに出かけても必ず帰りたくなる家」「長時間過ごすことが楽しい家」という共通項。家での時間を楽しむためのコツを彼女たちから学びます。今回は、画家の岡美里さん。彼女は少しずつ本を読むことは出来ず、寝食を忘れてのめり込んでしまうタイプだという。本に浸るという覚悟を決めて、家時間がたっぷりと出来た時に分厚い本を手にする。そんな彼女のライフスタイルをご紹介します。

どっぷりと読了した後は世界が変わって見える。

「村上春樹が新刊を発売する時はそれを読む日をあけておきます(笑)」岡さんのその言葉に、村上春樹の大ファンなのかと思うとそれは違う。彼女が楽しいのは、読書後に友人と感想を話し合う時間とのこと。

「読書の醍醐味は読み終えた後に友人と感想を言い合うこと。村上春樹はみんなが読むから、たくさんの友人と意見を交わせてすごく盛り上がります。そして、日常の中でいつの間にか自分の中に溜まっていった疑問や謎に対する答えを本の中に見つけ、腑に落ちる。そういう気持ちよさも、本を読む時間の醍醐味の一つ」

本棚前のソファが岡さんの読書スペース。リンゴやコーヒーとともに、ここで読書時間に浸っている。「夏はこうやってここで読書しながらうとうと寝てしまうのが好き。分厚い本は没頭する時間が長いので、本を読み終えた時にふと世界が違って見えることがあり、だから読書はやめられません。漫画も分厚い本と同じく、長いシリーズものに没頭して一気読みを。本も漫画も、読んでいて気に入ったフレーズに出合ったら、それがページのスタートに近い位置なら右上を折り、ページの後ろの方なら右下を折るというルールを決めています。そうすると数年後にまたその本を読み直した時に、折り跡を見つけて『あの頃はここが響いたんだなぁ』と、度面白いので」

【家時間のおとも】私にとって幸せの象徴であるりんごをむく時間。

「ナーバスな時期にりんごをむいていたら、母に『あなたはいつも楽しそうね』と言われ、それ以来りんごをむいていれば機嫌よくいられるのかも、と私の中でおまじない行為に」

【ベストツール】分厚い本の中でも特に今の気分はこの3作。

「村上春樹とくらもちふさこは読書の定番。エリック・マコーマックの『雲』は話題の一冊で読むのが楽しみです。外国の小説は翻訳者で選ぶことも多く、柴田元幸さんは鉄板です」

Profile/岡美里(おか・みさと)

横顔のポートレートをライフワークとしており、これまで描いた横顔は約1,500人。千葉にアトリエ「ネアンデール」をオープン。

(Hanako1184号掲載/photo:MURAKEN text:Maki Kakimoto)

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