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「正反対の者同士は惹かれ合う」は本当?

  • 2020.5.15
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よく聞くこの格言は本当か、専門家が解説!

「恋愛における相性が良いのは、まず似た者同士だと思いますよね」と話すのは、マンハッタンに拠点を置く認定臨床心理学者のジョセフ・シロマ博士。でも、「似た者同士であることが恋愛における相性を高めるのは確かですが、必ずしもそうとは限りませんし、それが思わぬ面倒を招くこともあります」とシロマ博士は続ける。

例えば、あなたとパートナーの両方がリーダータイプのアルファだと、かなり単純なこと(今日はどこで夕食をとるかなど)でもいちいち衝突する可能性が高い。逆に、双方が意思決定を相手に任せたいタイプだと、おそらく何も決まらない。

「人間関係における数々の重要な要素、特に人柄やニーズ、好みの相性は、似た者同士より、正反対の者同士や双方を補完する者同士の方が、ずっとよいものですよ」とシロマ博士。

私たちが正反対の人に惹かれるのには、それなりの理由がある。著書に『Family Fit: Find Your Balance in Life』を持つ臨床心理学者のジョン・メイヤー博士によると、私たちが正反対の人に惹かれるのは、その人が自分にない(または足りない)資質を持っているから。つまり私たちは、「自分にも欲しいと思う相手の資質に惹かれている」ということ。

『Should I Stay or Should I Go?』の著者で認定臨床心理学者のラミニ・ダルヴァスラ博士が言うように、自分とはまるで違うと感じる人と付き合うのは、エキサイティングなことでもある。例えば、あなたが高校時代に夢中になったバイク少年。

でも、「正反対の人に惹かれるという」コンセプトが世間に深く根付いているのは、自分とはそれほど正反対と思わない人でも、付き合うと次第に正反対に思えてくるから。

「自分とそっくりな人なんてひとりもいません。だから自分と似た人を選んでも、違いが浮き彫りになってくると、“若干正反対”な気がしてくるのです」とダルヴァスラ博士。

もちろん、「正反対の者同士は惹かれ合う」というフレーズを聞いただけで、自然と正反対の人を好きになることはない。ということは、相性が一番良いのは自分と全然違う人? 内向的な人は外交的な人、外交的な人は内向的な人と付き合うべきなの? パーティーが好きな人と家で過ごすのが好きな人はマッチしない? 夜型と朝型は? 焦る前に、これだけは知っておこう。

正反対の人に惹かれることは、実際のところほとんどない(自分にはそう思えるかもしれないけれど)。

まず、正反対の人に惹かれるとは実際にどういうことかを詳しく知る必要がある。これを文字通りに解釈するなら、あなたとパートナーの間には共通点が何もないことになる。でも、実際は思いのほか共通点が多いもの。

「私たちは、興味の対象や生い立ちが似ている人に惹かれる傾向にあります」とダルヴァスラ博士。「つまり、実際に正反対の者同士が惹かれ合うことはないのです」

これには科学的な裏付けもある。心理科学専門誌『Psychological Science』に掲載された論文によると、フェイスブックに残したデジタルフットプリント(いいね!の対象や投稿内容)を分析した結果、ほとんどの人は自分とかなり似ている人と交流していることが分かった(少なくともネット上では)。

また、人格・社会心理学専門誌『The Journal of Personality and Social Psychology』によれば、調査チームが計1,523組のカップル、友人、知り合いを対象に価値観、考え方、人柄を問うアンケートを行ったところ、すべての項目において類似性が86%という結果になった。

とはいえ、あなたとパートナーが多くの点(音楽や食べ物、ファッションの好みなど)で異なっている可能性は大いにあるし、それがお互いにとっての魅力になることもある。それでも、あなたとパートナーは想像以上に似ている可能性が高い。

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