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自分の“やりたいこと”を事業にする3つのポイント【大人のキャリア】

  • 2020.5.14
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東証マザーズ上場会社の女性最年少取締役のキャリアを経て、2008年に衣食住に携わるコンサルティング会社を設立。 2014年には体験型イベント「日本女子博覧会」を発足し延べ4万人を動員。現在は日本の食文化やアニメ、アイドル市場に着眼した事業展開をするインタラクションメディアグループ取締役の東貴代さんにお話を伺いました。

■やりたいことで事業を立ち上げる時に大切なこととは

――学生時代から事業家として活動し、現在も複数の事業をパラレルに動かしていますが、“やりたいこと”を仕事にするために大切なことはなんだと思いますか。

大切なことはシンプルに考えて3つあるかと思います。

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1.可視化(具体化、数値化)する
2.市場(マーケット)を分析し研究する
3.学ぶ姿勢を持ち続ける
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――それぞれ詳しくお話を聞かせてください。

■やりたいことは具体的に可視化して、仲間を呼び寄せる

――やりたいことを仕事にしたいと考えたときに最初にすることは?

可視化することですね。つまり具体化と数値化するということ。
ぼんやりしているアイデアは実現できません。より具体的な言葉にできることはアクションにつながります。事業の概要(コンセプト、戦略、マニフェストなど)を明確にし、最終的には、事業計画として数字に落とし込むことからスタートします。

――どのように可視化したら良いのでしょうか。

シンプルに5つのポイントで物事を整理してみましょう。

よくマーケティング戦略を立てるときには4Pという考え方が応用されます。

自社サービスにおける製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、販促(Promotion)それぞれの要素がターゲットに刺さるように構成されているかを分析する方法です。私の場合は4Pでなく5P――人(Person)という要素も追加して考えるようにしています。

まず自分のやろうとしていることを、届けたい人に必要としてもらうにはどうしたら良いのかを整理してみましょう。このポイントで分析やプランニングしていく習慣をつけると、最終的には具体的な言葉になり、数値化されていくことになります。

――やりたいことを事業にするには必要としてくれる人の存在は不可欠ですね。

女性は自分の想いを口にすることも、ボキャブラリー豊富に表現することも上手なので、もともとプレゼン能力は高いと思います。ですから私は、男性よりも女性の方が共感してくれる仲間を引き寄せる求心力には長けていると感じます。

自分のやりたいことを一度俯瞰し整理する作業を行うと、アクションプランが明確になります。それを周囲にアウトプットすることによって、必要としてくれる取引先やサポートしてくれる仲間を引き寄せやすくなると思います。

 3

■市場の分析は、本屋さんから始まる……?

――事業を立ち上げるときに大切にしていることはありますか?

やりたいと思ったことの市場価値(マーケットの大きさや可能性)を知ることです。

私はクライアントから依頼された事業コンサルティングのみならず、自ら発案して事業を展開し実践することも大切だと考えています。

現在私は、ヨーロッパやアジア市場を視野に入れたアイドルグループの育成事業(*1)や、ユネスコ文化遺産にも認定された「和食」に着目した飲食事業(*2)も展開しています。

成長市場であり、日本ならではのコト(コンテンツ)でインバウンド需要や海外展開が見込める事業は、可能性を見据えて自らのリスクテイクで積極的に展開するようにしています。

*1 アイドルグループ「P.IDL」の妹分「W.(ダブルヴィー)」のプロデュース
*2 完全自家製粉の十割蕎麦屋「蕎麦あずま」

――市場ってどうやって見たら良いのでしょう?

一番簡単なのは、日頃から興味のある分野についてアンテナを張っておくことです。私の場合、周囲の事業家仲間との会話や本屋さんで情報収集しています。

――本屋さんでの情報収集ならすぐに真似できそうです。

もともと本屋さんが好きで、待ち合わせを本屋さんにしたりもしています。少し前に発売された堀江貴文さんの『君はどこにでも行ける』、松浦弥太郎さんの『センス入門』はとても参考になりましたね。

『君はどこにでも行ける』は、堀江さん独自の切り口で見る世界情勢について述べられた本で、私の考える世界の将来市場と照らし合わせ、整理することができました。

『センス入門』は、漠然とした「センス」について述べられています。ビジネス、ファッション、人間関係などすべてに適応する「センス」ってとっても漠然としていたのですが、読み終わったあとは私なりに「センス」というぼんやりした感覚を可視化できた本でした。

ほしかった情報を入手できたり、考え方の整理ができたりするので、空き時間に本屋さんに立ち寄るのはおすすめです。

 4

■学ぶ姿勢とは、成功者を真似することである

――やりたいことを事業にするときに一番大切なことは何でしょうか?

やりたい! と強く思うなら実現する方法を見つけることです。

私の場合、「食」が好きという想いから蕎麦屋の事業へ。そして、新しい働き方をクリエイトしたい、やりたいことを実現しようとする人を応援したいという想いから、次世代のアイドル育成事業につながりました。

やりたいと思うことがあって、どう実現したら良いかわからなければ学ぶことから始めましょう。どんなに強い思いがあっても、思っているだけではスキルはつきません。

――学び方にコツはありますか?

ひとつの方法として、成功者を真似ることをおすすめします。

私は学生時代から、起業したい! 海外と日本を行き来する仕事がしたい! と思っていて、理想の生き方に近くて成功している経営者の本を読んでいました。そして真似できることからやってみる。

なりたいイメージが具体的であればあるほど、アクションプランも鮮明で実践力は高まります。もちろん事業計画も作ったことなどなかったので、自分で会計の勉強をしたり人に教えてもらったりしてスキルを身につけていきました。

――身近に真似できる人がいれば、その人を。いなければ本を読んでそこに書かれていることを真似してみる。そうしていくうちに学びはスタートしているということですね。

やりたいことを実現するためには、マーケットについて学び、どうしたら実現できるかをシンプルかつ客観的に考え、具体的なアクションに落とすことが大切だと東さんは言う。

やりたいことを仕事にしたい女性は、まずは東さんを真似てみることから始めてみてはどうだろうか。

取材協力/株式会社インタラクションメディアグループ

Text/Mediajo(取材:ZENKUMI/ライター:NAHOMI)

2017年8月23日 公開
2020年5月13日 更新

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