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心理カウンセラーに聞く!テレワークで集中力をアップさせるコツ8選

  • 2020.5.11
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新型コロナウイルス感染拡大を防止するため、テレワークを実施する企業が増えています。そんななか、「自宅だとオフィスよりもはかどらない」「ついサボってしまう」といった悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか?

そこで、今回は、日本心理教育コンサルティング代表で、カウンセラーの櫻井勝彦さんから、在宅勤務で集中力を高めて仕事を効率よく進めるコツについて教わりました。

テレワークで集中力をアップさせるコツ8選

■1:出勤時と同じように身だしなみを整える
人目はなくても身だしなみは整える
人目はなくても身だしなみは整える

在宅勤務で全く他人と顔を合わさないからといって、ノーメイクでパジャマや部屋着のまま仕事をしていませんか? 実は、そうした手抜きが集中力ダウンにつながっているようです。

「ヤーキーズ・ドットソンの法則といって、人間は適度な緊張状態におかれたほうが、能力や集中力を発揮できるといわれています。つまり、自宅であまりにもリラックスした状態だと、仕事がはかどらないのは心理学的に当然ともいえるかもしれません。テレワークで集中力を高めたいのであれば、意識的にスイッチをオンにする必要があるといえます。

では、スイッチを入れるために具体的に何をすればいいのかというと、テレワークでも出勤時と同じように身だしなみを整えること。

新型コロナウイルスが流行する以前、通勤をされていたかたは、朝起きると顔を洗い、メイクをして、スーツに着替えるなどしてから、家を出ていたのではないでしょうか。

実は、こうした出勤前の準備行動は、プライベートから戦闘モードにスイッチを切り替える儀式のような役割を担っているのです。

たしかに、人目を気にせず自由な服装で仕事ができたり、オンライン会議で画面に映る上半身だけ着替えれば済んだりなど、手間がかからないのはテレワークのメリット。ただ、何となく仕事がはかどらない……という人は、ちょっと面倒でも普段の通勤用のスタイルに着替えるようにしましょう」(櫻井さん)

集中力を高めるのに、まず“形から入る”というのは非常に重要だということですね。

■2:自分の仕事中の姿が見えるように鏡を置く
自分の姿を客観視しよう
自分の姿を客観視しよう

「適度な緊張状態を保つためには、人目があることも大切です。家でひとりで仕事をしていると、つい気持ちが緩んでしまうものですよね。

そこで、無理やりにでも人目を作る方法として、自分の仕事中の姿が見えるように、鏡を置くという方法が挙げられます。

鏡に映る自分の姿を客観視することには、ついだらけてしまうのを防止する効果があるといえるでしょう」(櫻井さん)

筆者も実際にやってみましたが、だらしない猫背であぐらをかいた状態でタイピングするのは、さすがにまずいと背筋が……。みなさんもぜひお試しあれ!

■3:太陽の光を浴びる
薄暗い部屋だと頭が働かない
薄暗い部屋だと頭が働かない

「通勤時間をカットできるのも在宅勤務のメリットですが、実は、家から出ないことには弊害もあります。

というのも、通勤中に太陽の光を浴びることには、眠気を誘発するホルモンであるメラトニンをストップする効果があるからです。ずっと家にいて、太陽の光を浴びないと、起床後になかなかシャキッとしないということになりかねません。

脳を目覚めさせるためには、朝起きたらまずはカーテンを開けて、しっかりと朝日を浴びましょう。そして、なるべく自然光の入る明るい部屋で仕事をするのがおすすめです。

ただ、自宅の環境によっては、窓やカーテンが開けられないなどで、日中も室内が薄暗いということがあるかもしれません。そうした場合は、LED照明で室内を照らすことでも、ある程度の眠気覚まし効果が得られると思います」(櫻井さん)

■4:20分を目安に筋トレをする
筋トレで脳を覚醒
筋トレで脳を覚醒

「朝の通勤にはもう1つ、筋肉を動かすことで脳を刺激するというメリットも。裏を返せば、通勤する必要がないと、筋肉から脳に十分な刺激がいかず、集中力を発揮できないことになってしまいます。

朝起きたら仕事を始める前に、自宅でできる簡単な筋トレをするのもおすすめです。ある研究によれば、筋トレを20分間すると記憶力が10%アップするとのことなので、20分を目安に行うとよいでしょう。もちろん、20分もするのが大変だと感じるのであれば、自分の可能な範囲でOKです。

もし、どうしても自宅で筋トレをするのが難しいという場合、足ツボを刺激してみましょう。市販の足ツボマットに乗ると傷みを感じると思いますが、痛みの刺激は脳を覚醒させる作用があります。足ツボを刺激して、脳を目覚めさせましょう」(櫻井さん)

通勤時間がゼロになったのを活かして、ぜひ朝の筋トレ習慣を!

■5:音読などで意識的に声を出す
会話不足が集中力の低下を招くことも
会話不足が集中力の低下を招くことも

「テレワークを始めてから、人との会話が減ったと感じているかたは多いのではないでしょうか。オフィスに出勤していれば、まず、あいさつしますし、ほかにも会議や打ち合わせ、雑談などで、声を出す機会がいくらでもありますが、これがなくなることも集中力低下の要因です。

というのも、人と会話するには息を吐き出す必要があり、その反射的効果として、息をしっかり吸うことになり、脳に新しい酸素が供給されます。ところが、じっと黙っていると、自然と呼吸が浅くなり、脳が酸欠状態になりやすいのです。

脳をしっかり覚醒させるには、ひとりでいるときも意識的に声を出すようにしましょう。たとえば、自分の好きな本を音読するなどでもよいと思います。

また、その際、部屋の空気が淀んでいると十分な効果が得られないおそれがあるので、換気もしっかり行いましょう」(櫻井さん)

仕事で集中力が切れてきたとき、音読はちょっとした気分転換にもなり、一石二鳥かもしれませんね。

■6:細かい締め切りを設定する
締め切り効果を活かそう
締め切り効果を活かそう

「テレワークに限らず、普段の仕事のときでも、締め切り前になると猛然と集中力を発揮して、これまではかどらなかったものを一気に片付けた、という経験は誰しもあるのではないでしょうか?

人は時間がないと高い集中力を発揮する性質があります。この性質を生かして、集中力アップのためには細かい締め切りを設定するのも効果的です。

具体的にはどうするのかというと、ストップウォッチを活用します。一口に締め切りといっても、3日後とか1週間後だと『まだまだ時間がある』とどうしてもだらけてしまうもの。

ですから、仕事を細分化して、『この書類を10分で仕上げる』というように、細かい締め切りを設定します。そして、ストップウォッチを使って時間を測りながらタスクにとりかかりましょう」(櫻井さん)

細かい締め切りを設定して、ストップウォッチで時間を測ると、ちょっとしたゲーム感覚で仕事に取り組むこともできそうですね。

■7:こまめに休憩をとる
こまめな休憩で集中力を持続
こまめな休憩で集中力を持続

「人間の集中力が持続する限界は、一説によると90分といわれています。しかし、この90分というのはギリギリの限界であって、人間の集中力のスパンはもっとずっと短いのではないでしょうか。

在宅勤務はオフィスよりも時間に明確な区切りがつきにくいので、集中力が欠けた状態のまま、ついだらだらと効率の悪い仕事を続けてしまうことも起こりがちです。そうした事態を防ぐために、できるだけこまめに休憩をとりましょう。

休憩をとる目安の1つとして、ポモドーロテクニックをご紹介します。ポモドーロテクニックとは、ごくざっくりと説明すると、タスクを25分行い、5分休憩するというもの。これは人間の集中力は25分が限界という考えに基づいて考案されたものになります。

最初に提示した90分よりも、25分というとかなり短いようにも思えますが、もっと短く、15分区切りにしてもよい場合もあります。

もちろん、15分、25分の短いスパンで区切ると、かえって落ち着かないという人もいるかもしれません。どれくらいの時間、集中力がもつかは個人差が大きく、また同じ人でもある仕事は何時間でも集中力がもち、別の仕事はすぐに疲れてしまうというように、仕事の性質にもよるでしょう。

ですから、15分でも25分でも30分でも、まずはいろいろ試してみてはいかがでしょうか?」(櫻井さん)

大切なのは、集中力がとっくに切れているダラダラモードを長引かせないこと。自分のペースで仕事を進めやすいテレワークだからこそ、ストップウォッチを片手に、自分の集中しやすいスパンを探ってみましょう。

■8:休憩時間を長くとりすぎない
もはや仕事に戻れない?
もはや仕事に戻れない?

「さきほどの“こまめに休憩をとる”ことと関連するのですが、休憩時間を長くとりすぎないようにしましょう。5分、10分程度に短く区切ることが大切です。食事休憩などは別ですが、休憩をあまり長くとってしまうと、仕事に戻るのが難しくなってしまいます。

たとえば、覚醒作用のあるコーヒーを飲んだり、ガムを噛んだりして、そのあとすぐに集中モードに切り替えるなど、短時間でできるリフレッシュ方法を、自分なりにいくつか用意しておくといいかもしれませんね」(櫻井さん)

最後に、櫻井さんから一言アドバイスです。

「うつ状態になると集中力は著しく低下するといわれており、仕事をどれくらい頑張れるかは、心のエネルギー量に大きく左右されます。テレワークで仕事がはかどらないのは、努力や仕事のやり方に問題があるのではなく、もしかすると心が疲れているせいかもしれません。

うつの人に『がんばれ』が禁句であるのと同様、心のエネルギーが枯渇している自分を『もっとがんばらなきゃ』と追い込むのは、悪循環にしかならないおそれもあります。

上記の方法をいろいろ試してみてそれでもうまくいかない場合、自分を責めるのではなく、自分の心の状態を振り返ってみるのも大切です。

もしも、心のエネルギーが低下しているのを感じたら、遊びでも何でもいいので自分は何をすると元気になれるかを考えて、まずそれを実行して心のエネルギーチャージをすることをおすすめします」(櫻井さん)

新型コロナウイルスがいつ収束するかはまったく予測ができず、また、ポストコロナ社会でも、テレワークを推奨する企業が増えるかもしれません。オフィスでも自宅でも集中して効率よく仕事を進められるように、今回ご紹介した方法をぜひ試してみましょう。

櫻井勝彦さん
日本心理教育コンサルティング代表、講師、カウンセラー、一般社団法人日本ヒューマンスキル教育推進協会代表理事、文学修士、公益社団法人日本心理学会認定士、JAAHSE認定傾聴セラピスト養成講座上級指導者
(さくらい かつひこ)社会心理学系の大学院(博士課程前期)を修了後、各種学校にて心理学の講師・スクールカウンセラー、研修会社で研修企画・講師などを経て、平成18年に日本心理教育コンサルティングを設立。全国の企業・自治体・学校などで心理学を活用した楽しく実践的な講義・研修・講演を行っている。書籍・雑誌・テレビ・ラジオなど、メディア掲載・取材・監修も多数。著書に『仕事が思い通りにできる心理術』(明日香出版社)がある。 公式サイト

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