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話題の「ツイッター文学賞」受賞作品3冊!“つぶやき”が決める、年間ベスト小説とは。

  • 2020.5.4
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1年間に出た新刊小説で面白かった本を国内・海外それぞれ1作品ずつ投票する、「ツイッター文学賞」。書評家の豊㟢由美さんが立ち上げました。Twitterアカウントを持っていれば誰でも投票でき、書評家が集まって行われる結果発表も毎年大盛り上がり。この賞の良さは1票の“重さ”と“熱さ”。だから全体の順位そのものよりも投票された本の多様さとそこに投じた想いを読み、気になった本を手に取ってみるのがおすすめ。

国内1位『黄金列車』/ 著・佐藤亜紀

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(KADOKAWA/1,800円)

第二次世界大戦末期のハンガリー帝国、大蔵省の役人バログが主人公。彼は政府がユダヤ人から没収した宝飾品を退避させる「黄金列車」の運行を命じられる。官僚がそのミッションを遂行する過程で起こる交渉事や感情を細やかに描いた人間ドラマ。登場人物がとにかく魅力的で惹きつけられる。

国内2位 『なめらかな世界と、その敵』 /著・伴名 練

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(早川書房/1,700円)

無数の並行世界を転移する少女たちの青春を描いた表題作のほか、脳科学を題材にして認知工学に制御された愛を描く短編や修学旅行中の高校生たちの乗る新幹線のぞみが時間停滞現象にとらわれる小説等、SF初心者も存分に楽しめるストーリー展開で爆発的なヒットとなった。赤坂アカが描き下ろした装画も話題に。

海外1位『掃除婦のための手引き書』/ 著・ルシア・ベルリン、訳・岸本佐知子

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(講談社/2,200円)

3回の結婚と離婚を経て、一人で子育てしながら様々な仕事に就き、アルコール依存症に苦しむ。そんな著者自身の体験を元にした24編の物語。大酒飲みの祖父や毒舌なアルコール依存症の母は実在で、どの話に登場する人物もひとクセあり、ディテールに富んだ鮮烈な言葉の数々は、その場に漂う匂いまで感じさせる。(講談社/2,200円)

(Hanako1184号掲載/text:Keiko Kamijo)

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