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眠りが途切れ途切れだと、数日後の片頭痛を引き起こす!?

  • 2020.4.28
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健康的な睡眠習慣は、いとも簡単に崩れてしまう。ネットフリックスで新作を観るために一晩夜更かししただけで、その後何日も眠れなくなり、朝から頭がズキズキ……。なんて経験がある人も多いのでは? 不規則な睡眠時間が引き起こす健康リスクについての研究結果を見ていこう。

神経学専門誌『Neurology』は、一過性片頭痛を経験したことのある成人98名を対象とした研究結果を発表した。参加者たちは、6週間にわたり睡眠追跡デバイスを装着し、睡眠時間、カフェインとアルコールの摂取量、運動量、ストレスレベル、頭痛の頻度を毎日報告。

その結果、睡眠時間の短さが片頭痛を引き起こす確率は低い一方で、睡眠が途切れ途切れになると、2日後に片頭痛が生じやすいことが分かった。この論文の筆頭著者で、米ブリガム女性医療センター行動睡眠医学臨床部長のスザンヌ・バーティッシュ医学博士によると、これはベッドで横になったまま目がさえている状態とのこと。

「睡眠時間が短いせいで頭痛のリスクが高くなることはありませんが、ベッドの中で起きている時間が長いと頭痛のリスクが高くなります」とバーティッシュ博士。寝ているべきなのに目が覚めている時間が長くなればなるほど、翌日ではなく2日後の片頭痛リスクが高くなるんだとか。

ストレスレベル、運動量、カフェインとアルコールの摂取量といった他の要因を差し引いても、この結果は変わらなかった。

片頭痛が遅れてやってくる理由はまだ分かっておらず、さらなる研究が必要なのは間違いない。でも、バーティッシュ博士の研究チームは、断片的な睡眠によって視床下部の制御力に変化が生じ、それが片頭痛を引き起こすのではないかと考えている。視床下部はホルモン分泌と体温調節に関連する脳の領域。その2つが乱れれば、片頭痛が生じてもおかしくない。

この論文には、因果関係がハッキリしないという問題もある。片頭痛のリスクが高いから睡眠が断片的になるのか、睡眠が断片的だから片頭痛のリスクが高くなるのか。もしかすると断片的な睡眠は、片頭痛の回数を増やす原因というよりも、片頭痛がもうすぐ来ますよというサインなのかもしれない。

米シャーロッツビル神経学・睡眠医学所長で『The Sleep Solution』を執筆したクリニックW・クリストファー・ウィンター医学博士によると、この研究は脳の血流に着目した他の研究に似ている。今回の研究には関与していないものの、ウィンター博士は断片的な睡眠に関する過去の研究に参加していた。

「面白いことに、私が関与した過去の研究では、睡眠時間が短い夜は血流が増すのに対し、睡眠が断片的な夜は血流が著しく減ることが分かりました」とウィンター博士。「片頭痛は明らかに脳の血流量に関連していますから、睡眠の質とも当然密接に関連しているでしょう」

専門家のほとんどは、1日6時間以上の睡眠を勧めている。それを少しでも下回ると、肥満、高血圧、糖尿病、心臓発作、心不全、脳卒中といった健康問題のリスクが高まる。

ウィンター博士が言うように、薬を飲んでも、温冷マスクを使っても、暗くて静かな部屋でリラックスしても、ボトックス注射を受けても片頭痛の頻度や強さが変わらないなら、睡眠外来で検査を受けてみるといいかもしれない。

※この記事は、ランナーズワールドから翻訳されました。

Text: Elizabeth Millard Translation: Ai Igamoto

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