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テレビドラマ初出演! ミュージカル俳優・吉原光夫、“朝ドラ”は「思ってもいなかった」<エール>

  • 2020.4.23
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テレビドラマ初出演の吉原光夫が岩城の魅力を語る!
(C)NHK

【写真を見る】作業場で語り合う岩城(吉原光夫)と音(二階堂ふみ)

放送中の連続テレビ小説「エール」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)に出演する吉原光夫からコメントが届いた。

本作は、「栄冠は君に輝く~全国高等学校野球大会の歌~」など数々の名曲を生み出してきた昭和の音楽史を代表する作曲家・古関裕而氏と、妻で歌手としても活躍した金子(きんこ)氏をモデルに、音楽とともに生きた夫婦の姿を描く。

主演の窪田正孝は、福島で代々続く老舗呉服店の長男で、気弱でいじめられがちだったが音楽と出合い、その秘めた才能を発揮して作曲を始める古山裕一を、二階堂ふみが裕一の妻となる関内音を演じる。

吉原が演じる岩城は、関内家が営む馬具店の職人頭で、音が恐れるほどの強面だが、職人としての腕は一流という役どころ。これまでミュージカル「レ・ミゼラブル」のジャン・バルジャンや、劇団四季のミュージカル「美女と野獣」のガストンなどを演じてきた吉原だが、今回の「エール」がテレビドラマ初出演となる。

第19回(4月23日)では、音とともに馬具の作業場で語り合うシーンが放送され、強面で厳しい印象だった岩城の“優しさ”が垣間見えた。

そんな岩城を演じる吉原に、演じてみての感想や、ヒロインの二階堂の印象などを聞いた。

「朝8時に映ってもいい顔なのかな?」

――「エール」の出演オファーを受けた際の心境はいかがでしたか?

よくマネジャーに怒られるんですが、オファーを喜ぶことは作品に対して失礼かなと思ってしまうんです。後に己を裏切ってしまう感情になるというか。

マネジャーに対しては、「こんな俺が、朝8時に映ってもいい顔なのかな?」というのは聞きましたよ(笑)。「もうちょっとリアクションください。NHKですよ、朝ドラですよ」とマネジャーに返されて。謝ったうえで、大きめのリアクションをとりましたね(笑)。

思ってもいなかったというのが正直なところです。自分とNHK、自分と朝ドラ、というのがリンクしていなかったので。テレビドラマの出演自体が今回初めてですからね。

馬具職人・岩城を演じる吉原光夫
(C)NHK

「最初の撮影は緊張していて、ほとんど覚えていないんです」

――“朝ドラ”の空気感や、テレビドラマの撮影現場の雰囲気などはどのように感じられていますか?

僕のNHKさんのイメージが、すごく真面目で、すごく細かく、統制のとれた現場というイメージがあったので、撮影に入る前日の夜は、寝て起きては台本を見て、というのを繰り返していました。一字一句、間違えちゃいけないと思って。見かけによらず、結構緊張してしまうタイプなので、現場でも緊張しながら過ごしていました。

――実際に現場に入られて印象に残っていることはありますか?

最初の撮影は緊張していて、ほとんど覚えていないんです。僕が普段テレビで見るような方々がいらっしゃって。皆さん温かく迎えてくださいました。

撮影自体は、僕がイメージで思っていたよりも、監督が出演者側に預けてくださる現場で、「吉原さん、どう思います?」「ここはどうします?」と投げ掛けてくださるので、舞台と同様、いろいろとトライさせてもらえました。やりにくさは全くなかったですね。逆に新鮮でした。

――岩城を演じる際に、役作りで何かされたことはありますか?

馬具職人頭という役なので、事前に直接この目で見ておきたいなと思い、北海道にある馬具工房に勉強で伺いました。今の工房のベースとなる旧工房も見させていただいたりして。

革に穴を開けていく作業、革に糸を通していく作業というのはずっと練習してきましたが、職人さんと息を合わせて作業もさせていただいたことで、実際に演技をする上ですごく助けになりましたし、役に立ちましたね。

他の仕事の稽古があって、久しぶりに「エール」の現場に入っても、着替えたとたんに、革に触って穴を開けたりするぐらい役になじんでいます。

NHKさんのリアルなセットは、本物の馬具工房のにおいや場の雰囲気と似ているので、すぐに自分が岩城へ戻ってくるのが感じられます。忠実に再現されているセットにいつも助けられています。

吉原光夫が馬具職人・岩城を演じる
(C)NHK

「関内家に対しても、忠実であり、愛情深い人間」

――一流の馬具職人という設定ですが、プレッシャーなどはありましたか?

職人として腕が一流という設定なので、すごくプレッシャーがありました。それもあって、北海道まで行って勉強しましたし…。なかなかのプレッシャーですよね。でも、死ぬほど練習をしたので、そこは自信があります。

実は、僕はドラマでのルールみたいなものが分かっていなかったので、前室でスタンバイをするということも知らなかったんです。照明さんたちがセッティングをしている中、作業場のセットで黙々と練習をしていました。舞台のセットだと、慣れるためにずっと居たりするので。もしかしたら邪魔になっていたかもしれませんが、休憩中も一人で集中して作業をしていましたね。

お世話になった工場の職人さんからは「普通に働けるよ」と言われるくらいに、今ではうまくなったと思っています。手にはマメがたくさんできましたけどね。

――岩城の魅力はどこだと思われますか?

馬具職人はすごく繊細でこまやかで、センスがあって、頭が良くないとできない仕事。岩城という人間は、自分をとことん突き詰めて、妥協を許さない。プライドを持って、この職業を背負っていた人だと思います。周りの人に厳しいのも、要はこの仕事を他人になめられるなよ、という意味合いもあるのかなと。

関内馬具店は軍に馬具を卸す仕事をしているので、量産しないといけない。下請けとしてかなりハードな仕事だったと思います。岩城としては、いい仕事をして、馬具職人という職業が世の中にもっと認められる仕事になるように、完璧な美しいものを作ろうとしている。

光石研さん演じる安隆さんを超えようと思っていたわけじゃないけれど、馬具職人としてのプライドを保つために厳しい人間になったんだろうなと思います。

裏を返せば、たぶん中身にあるものは、温かくて、信じたものに真っすぐな人。関内家に対しても、忠実であり、愛情深い人間だと思います。

ずっと僕の中で引っ掛かっていたんですが、岩城は第9回(4月9日放送)で仕事がなくなった関内家から出ていくというシーンがありました。実のところ、演じていた僕は納得いかなかったんです。岩城はどんなときでも出ていかない人なんじゃないかと思っていたので。

幼少期の音(清水香帆)に、「職人は仕事がなきゃ食ってかれん」というせりふを言うんですが、役を演じていくごとに、あのときの行動は、関内家のためだったのかなと思えるようになりました。さらに一流になろうとして、外で職人としての腕を上げようとしたのではないかと思えて、あるときふっと腹に落ちたんですよね。

今みたいに作り手が大々的に知らされることって昔は少なかったと思うんです。誰が作ったかは重要視されていない時代で、自分の技術を人に評価されて、雇われることでしか生計を立てられない。それって、職人にとってはすごくさみしいことだったと思います。岩城の背中が少しさみしそうな感じがするのも、なんとなくそういう背景があるからだと思います。

いま古着や手作りのものを好む方が多くいるのも、現代の機械で作られたものではなく、当時のこまかい手作業で生み出される丁寧さや質感、あたたかみが出ているからこそ。

物づくりを極めた職人の方は、作り上げられたものとイコールというか、温かくてとても優しい方なんだろうなと思います。大体いいものを作る職人さんってファーストコンタクトは怖い方が多いイメージじゃないですか。岩城も見てのとおり、いかついですもんね(笑)。

手紙を待つ音(二階堂ふみ)に声をかける岩城(吉原光夫)
(C)NHK

「女優さんより役者という言葉のほうが似合う俳優さんです」

――関内音演じる二階堂ふみさん、関内光子演じる薬師丸ひろ子さんの印象はいかがですか?

僕の立場から失礼だと思うのですが、二階堂さんはすごく男気がある人だなと思います。ご一緒させていただいたシーンで、監督たちが難しいなと捉えている撮影があったんです。

僕は撮影のことは分からないのですが、二階堂さんとしゃべりながら一緒に馬具を作り上げていくシーンで、二階堂さんが通しで撮ろうと提案されたことで状況が好転したことがありました。本物を求めている人なんだなと思いましたし、女優さんより役者という言葉の方が似合う俳優さんですね。

薬師丸さんは、僕が映画好きなのでずっと見てきた方でもあったので、そういう方を目の前にして、一緒に目を合わせられるだけでも光栄です。もう十分、一緒に演じさせていただけただけで感激しています。

――読者に向けてのメッセージをお願いします。

今回ドラマという新しい世界に飛び込みましたが、ミュージカルや映画でやっていることと僕自身はアプローチの仕方は変えていません。

ミュージカルを見てくださっているお客さまが、朝ドラをどう見るかは分からないですが、たぶん僕についてはあまり違和感なく見ていただけると思います。そこまで出演シーンが多いわけではないので(笑)、ぜひ見つけていただけたらと思います。(ザテレビジョン)

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