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本当の体幹トレーニングとは?インナーユニットを鍛える方法とおすすめポーズ|理学療法士が解説

  • 2020.4.18
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「インナーユニット」とは

「体幹トレーニング」という言葉はよく耳にすると思います。「体幹」とは字の通り身体の幹となる「胴体」部分です。体幹は身体の軸や中心となり、腕と脚と頭を除いた、胸部・背中・腰部・腹部・臀部が該当します(頭部を含める場合もあります)。

その体幹のさらに核となるとなるところが「インナーユニット」という腹腔の部分です。

「インナーユニット」は、体幹トレーニングの際に土台となる重要な筋肉です。体幹トレーニングは、「インナーユニット」と呼ばれる部分をコントロールできることが前提でもあります。

具体的に「インナーユニット」とは、腹腔の深部にある筋肉である、

・横隔膜
・腹横筋
・多裂筋
・骨盤底筋群

の4つの筋肉の総称です。

インナーユニット
illustration by Misako Nakagawa

この4つの筋肉が腹部にドーム状のスペースを作っていて、その腹腔内を引き締めて安定させたり、緩めて柔軟にしたりなどの働きを担っています。この4つの筋肉からなる「インナーユニット」を「コア」と言うこともありますが、コアの定義は指導者やスポーツによっても分かれるところです。

「インナーユニット」を鍛えるメリット

インナーユニットをコントロールして鍛えていくことで、

・体幹が安定する

・思い通りに身体を動かせる

・疲労を抑制する

・怪我を防止する

・姿勢が良くなる

・パフォーマンスが上がる

・お腹が凹む

・代謝が上がる

・腰痛などの痛みや凝りが和らぐ

・尿漏れや内臓脱の予防と改善

などの効果が挙げられます。

もともとインナーユニットというものは、私達人間が何か動作を開始する際、まず最初に働くべき「原動力」となるところです。筋肉が働く本来の正確な順序が何らかの原因で崩れてしまうことで、今お伝えしたメリットと逆のことが、違和感や症状として徐々に現れてくるのです。

インナーユニットのコントロールですが、身体の深部の筋肉のため目に見えて分かりやすい動きではなく、とても微細な制御とともに体感して体得していくものなので、可能なら理学療法士やフィジカルトレーナー、インナーユニットに詳しいヨガインストラクターに直接指導を受けることが望ましいです。

まず「ドローイン」を練習しよう

インナーユニットのコントロールの基本となるのは、「ドローイン」です。ドローイン(draw in)とは、引いて中に入れるという意味で、おへそを背骨に近付けていくように、腹部の筋肉を収縮させて、腹圧を高める方法です。

インナーユニット 腹横筋
濃いピンク色の部分が腹横筋/Illustration by Misako Nakagawa

まず仰向けになって両膝を立てて、手のひらを腹部にあてて「腹式呼吸」をします。吸う時にお腹を膨らませて、吐く時にお腹を凹ませる呼吸です。

インナーユニット4筋とも意識しながら呼吸することは最初は難しいので、まず一番実感しやすい腹横筋の動きだけに今回注目します。腹横筋が働くと、残りの他の3筋も必ず連動して働くので安心してください。

吸う時・・・お腹に空気を入れるように、お腹を柔らかく膨らませる。

ドローイン
吸う時

吐く時・・・おへそを背骨に近付けていくように、お腹を薄く凹ませていく。

吐く時
吐く時

腹横筋は、「天然のコルセット」ともいわれ、腹巻のように筒状にお腹と腰の全体を守るように、クルンと巻きついている筋肉です。筋肉の形状をイメージしながら腹式呼吸を繰り返しましょう。

今実際にお腹に腹巻を巻いている感覚で、息を吸う時は、その腹巻を太くするように、息を吐く時は、その腹巻をキュッとひと周りもふた周りも細くしていくような感覚です。

息を吐く時にインナーユニットの4筋にスイッチが入るので、吐く時の腹横筋の収縮に重点を置いておこなってください。

仰向けで行うのがドローインは最も体感しやすいですが、最終的にどのような体勢でもドローインができることが理想です。

仰向けでコツが掴めたら、胡座や椅子で座った状態、立った状態、四つ這い、さらに今度は歩きながら、階段を登りながらなど、いろんなシーンでコントロールできるかどうかぜひ試してみてください。

ドローインした状態でヨガポーズ

ドローインがうまくできていると、インナーユニットを使えていることになるので、それを実際にヨガのポーズでも生かしてみましょう。

プランクポーズ
プランク
Photo by Paul Miller

体幹を使う最も代表的なヨガポーズです。腕の筋肉だけで支えてしまって今までこのポーズが辛かった人や、腰がどうしても反ってしまう方は、インナーユニットを使えておらず、お腹がタプンと柔らかく下がっていた可能性があります。お腹を凹ませてドローインして再チャレンジしてみましょう。

サイドプランクポーズでも良いですね。

四つ這いで腕と脚を伸ばす
ドローイン インナーユニット ハンドニー
Photo by Getty Images

右腕を前に伸ばした場合は、反対の左脚を後ろに伸ばします。これもバランスは一見取れていてポーズは完成しているけど、お腹がハンモックのように垂れ下がっていて、インナーユニットを全く使えていない人が多いです。必ずドローインしておこないましょう。

ヴィーラバッドラーサナI(戦士のポーズI)
戦士のポーズ1
photo by Michael Winokur

ポーズの時に腰が反り過ぎてしまうという人は、やはりドローインできていない場合が多いです。決して腰椎が柔軟なのではなく、ただインナーユニットの意識が弱くコントロールできていないのです。ヨガの後で腰が痛くなるという方はインナーユニットの出力不足が原因のため要注意です。この戦士のポーズⅠだけでなく、戦士のポーズⅡもⅢも同様に、必ずドローインを意識してチャレンジしてください。

最後に

他にもバランスポーズなど、様々なポーズでドローインしながらインナーユニットを働かせることがヨガでは必要となります。

インナーユニットを働かせている時とそうでない時との、ポーズの安定感や力強さ、バランス感覚の違い、疲れずにポーズをキープできる持久力の違いをぜひ体感してみてください。比べると違いは明らかだと思います。ただし、リラックスのポーズやストレッチのポーズの際は、インナーユニットの力は一度緩めてくださいね。

インナーユニットの意識で、これからのヨガが変わるはずです。

ライター/堀川ゆき
理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。モデルやレポーターとして活動中ヨガと出会い、2006年にRYT200修了。その後健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士国家資格を取得し、慶應義塾大学大学院医学部に進学。現在大学病院やスポーツ整形外科クリニックで、運動機能回復のためのリハビリ治療に携わる。RYT200ヨガ解剖学講師も務める。2020年RPYT85修了。

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