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シンデレラ役を辞退。作品選びのこだわりとは?【エマ・ワトソンを紐解くキーワードvol.4】

  • 2020.4.17
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『ハリー・ポッターと賢者の石』(01)で勉強熱心なハーマイオニー・グレンジャーを演じた。Photo_ (c) Warner Brothers/courtesy Everett Collection/amanaimeges
HARRY POTTER AND THE CHAMBER OF SECRETS, Emma Watson, 2002『ハリー・ポッターと賢者の石』(01)で勉強熱心なハーマイオニー・グレンジャーを演じた。Photo: (c) Warner Brothers/courtesy Everett Collection/amanaimeges

6歳から役者になることを夢見ていたエマ・ワトソンは、9歳で『ハリー・ポッターと賢者の石』(01)のオーディションを受け、11歳でスクリーンデビューを飾った。今年が女優人生19年目にあたる。しかし、その内の10年を『ハリー・ポッター』シリーズのハーマイオニー役に捧げてきた彼女にとって、そのイメージを払拭するのは容易なことではなかった。

そういう意味でも彼女は『ブリングリング』(13)で、それまでの優等生イメージとは真逆の窃盗団の一味という役をオファーしてくれたソフィア・コッポラ監督に感謝をしていると以前、『インタビュー』誌で語っている。エマの作品選びの決め手は2つ。「仕事をする人。特に誰が監督なのかが私にとって重要。それから脚本」だそうだ。

セレブに憧れる高校生グループが起こした実在の事件を映画化した『ブリングリング』(13)。Photo_ Merrick Morton/(c)A24/courtesy Everett Collection/amanaimages
THE BLING RING, Emma Watson, 2013.セレブに憧れる高校生グループが起こした実在の事件を映画化した『ブリングリング』(13)。Photo: Merrick Morton/(c)A24/courtesy Everett Collection/amanaimages

2017年に世界的大ヒットを記録した『美女と野獣』に主演したが、実はそれ以前にディズニーから『シンデレラ』(15)の主演をオファーされていたものの、「シンデレラのキャラクターに共感できない」という理由で断っている。その後、なぜ『美女と野獣』のベル役を引き受けたのか?

「シンデレラよりもキャラクターと共鳴する部分が多いと思ったし、自分の置かれた環境を自分なりに改善しようとするところにもインスパイアされた」からだという。さらに同作で時代に合わない描写などを指摘し、書き換えてもらうように意見をするなどして(実際にエマの意見が採用されている)、納得がいくまで隅々まで徹底したこだわりをみせた。

巨匠アラン・メンケンによる音楽に彩られた『美女と野獣』(17)で、「4歳のころから夢中」だったというヒロインを演じた。Photo_ Laurie Sparham /(c) Walt Disney Pictures /courtesy Everett Collection/amanaimeges
BEAUTY AND THE BEAST, Emma Watson, 2017.巨匠アラン・メンケンによる音楽に彩られた『美女と野獣』(17)で、「4歳のころから夢中」だったというヒロインを演じた。Photo: Laurie Sparham /(c) Walt Disney Pictures /courtesy Everett Collection/amanaimeges

最新作『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(初夏公開予定)では、四姉妹の長女メグ役を演じるエマだが、今作の製作で最も嬉しかったことの一つが、活動家である同業者たちと一緒の時間を過ごせたことだという。「ローラ・ダーンとメリル・ストリープと私は、今作で一緒になるずっと前から知り合いだったの。私たちはアクティビストの集まりで出会い、さまざまな活動を通して顔を合わせていたから、こうやって仕事で一緒になる以前からアクティビストとしての団結心があった」

役もただ引き受けるのではなく、誰を相手に自分がどう演じるべきかどうかをしっかりと吟味するエマ。そんな彼女は「テレグラフ」紙のインタビューで、「人間は経験から学ぶことしかできないの。だから、人から色々と教えてもらう以上に、自ら行動を起こして失敗を経験することが大事」とも語っている。今後の出演作はまだ発表されていないが、常に前進を続ける彼女が次に選ぶのはどんな役なのか。今から楽しみだ。

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Vol.1 エマ愛用、ファッションのエシカル度がチェックできるアプリって?

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Text: Rieko Shibazaki

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