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ひと匙の楽しみ…〈成城石井〉と〈KINOKUNIYA〉

  • 2020.4.16
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明日も家、明後日も家、明々後日も家。そんな方も多くなってきたのではないでしょうか。粛々と日常を保つ中で、ほんの少しでも変化をつけることがいい息抜きになるなと感じるこの頃。部屋でもいつもと違う位置に座り視点を変えてみたり、閉まりっぱなしだった窓を開けてみたり、日々のルーティンに何かプラスして変化をつけてみる。ちょっといいスーパーに行って、めずらしいものを買ってみるのもそう。いつものスーパーではあまり見かけない輸入ものの調味料やおやつは見ているだけでワクワクさせてくれます。となると、我らの味方になってくれるちょっといいスーパーといったらやはり〈成城石井〉さんと〈KINOKUNIYA〉さん。パンもこだわりありのラインナップで心満たしてくれますよ。

世界の食文化への入口…〈成城石井〉

私の活動の中心となっている〈1966カルテット〉は、イギリスのロックを中心に演奏しているグループ。なのでブリティッシュロックが好きなのはもちろんのこと、ロンドンガール風のファッションは大好物だし、英国展とか見つけたら吸い寄せられちゃうし、紅茶もスコーンも大好きだし、ユニオンジャック柄とかすぐ買っちゃうし、もはやイギリスを感じるものならついつい飛びつきたくなる病の進行が止められない今日この頃(誰か止めて)。そんな私が最近、初めて出会ったイギリスのパンがあるのです。それがこのイギリス式パンケーキなる「クランペット」。なんとこちら〈成城石井〉さんが本場イギリスから直輸入しているのですって。過去にイギリスへ行った時も出会わず、〈成城石井〉で見つけるまでわたしゃこの子の存在を知らなかったよ。イギリスのパンを〈成城石井〉で知る。上等ではないか(何が)。

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「クランペット」。見渡す限り穴だらけ。途中で焼くのをやめたホットケーキのような見た目です(失礼)。裏側はちゃんと“綺麗に鉄板で焼いたよ”風になっています。
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材料には保存料など入っておらず、至ってシンプルで安心。

無数の穴の奥から「待っていたよ」って声が聞こえてきたら、もう遅い。私もあなたもモチモチの巣窟に堕ちてしまっているのです。この蜂の巣のような無数の穴がおびき寄せるのは私達だけではありません。そう、バターに蜂蜜、上にのせる物は全てこの穴に吸い込まれていきます。言うなればこの地に舞い降りた生きとし生けるもの全ては彼らの手の中にあるのだ、ハッハッハ!ということです(どういう事だ)。

そしてこの穴達は貫通していません。見事に裏側は行き止まりになっているので、この穴ぼこ全部がポケット。バターや蜂蜜を多く抱えたポケットは近づいてナイフを沈めるだけでマグマのようにふつふつとバターや蜂蜜の泉が吹き上がるのです。その映像、想像するだけで昇天しそうになりませんか(私だけ?)?意識を繋ぎ止めておいてくださいね。生地自体の甘さはかなり控えめで、少し酸味が効いているので、何もつけずに食べるとかなりあっさりというか少し物足りないくらい。でもそのあっさりの味わいを打ち破る強烈な特徴がこのモッチモッチな食感。しっかりトーストしても健在な粘度を感じるモチッと感は癖になります。蜂蜜もバターも多ければ多い方が間違いなく美味しい。それを受け止めるポケットは十分すぎるほどあるのですもの。生地の甘さもテイストも控えめ故に、チーズを載せてチーズトーストやお食事パンに振り切ることも自由自在。この食感は日本人なら絶対好き!!!なぜこれが日本で流行っていないのか不思議なほどです。2020年、流行っちゃうのではないでしょうか。ブーム前夜、先取りイエイ(ダサッ)。

パンならお任せあれ…〈KINOKUNIYA〉

言わずもがなの高級スーパーの代表格〈KINOKUNIYA〉さんですが、ドイツパンやイギリスパンなど多種多様なパンを揃え、パン専門店ブランドもあるほど、パンにはこだわりのあるイメージです。駅にくっついた小さな店舗から百貨店のインショップまで様々な形態で展開されていて、おそらくそのどちらでもパンはラインナップされているはず。今回はすぐに食べられる(トーストしなくても美味しそうな)、どの店舗にも1番取扱いがありそうでスタンダードな2つをチョイスしてみました。

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「クリームパン」。〈KINOKUNIYA〉のホームページにもオススメとして出てくるこの子は、「生地の1.5倍以上の重さのクリームがおいしさの秘密」とのこと。ほんの少し温めて頂いてみました。
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持ち上げると重さでくにゃーと手から落下しそうになる程、たっぷりのカスタードクリーム。

生地よりクリームが1.5倍多いとこうなるんですね。温めたからなおさらかもしれません。口に入れるのが先か落下するのが先かというほどに、持ち上げるとクリームの重みでゆらゆら。ジェンガを思い出すゆらゆら加減です(大袈裟)。

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パン<クリームの図。
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グローブハンドな見た目はトラディショナルなクリームパンですが、ノンノン。ものすごく薄皮です。サクランボの皮のよう。

キャパギリギリまで詰められた、もはやキャパオーバーなくらい詰められたクリームはとろとろ。でも流れ落ちるほど水っぽくはなくて、ぷるんと残る固さが昔ながらのクリームパンの趣も感じさせてくれます。味わいもそう。この卵のコクと甘さは、カスタードを練って練って炊いていく映像が浮かぶような昔から愛される古き良きカスタードクリームの味わい。トーストすると薄皮のカリッから、とろりんが押し寄せる急展開に目も舌も離せなくなること間違いなし!冷やして食べれば、プリンみたいに少ししまったクリームと皮が一体化して八堂のクリームパンのようにデザート感も増しますよ。

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「クロワッサン」。クロワッサンの顔どっちが上か問題について悩みながら写真を選びました。 私的にはこの子はこっちの方が可愛いと思ったけど、一般的には逆の方が正解のよう?(右スクロールしてね)
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どちらの顔が好みか、ぜひ聞かせてくださいね()!

一口食べて驚きました。だって想像以上に本格派だったんですもの。しっかり香るバターが甘く包みこみ、口当たりは軽やか。内側に向かうにつれ巻きが重くなると、バターの重厚感も比例するように増していきます。この感じ、美味しいパン屋さんで買ったクロワッサンと同じだ!巻きは繊細とかではないかもしれないけど、うっすら滲む塩気も、ほのかな甘みだってそれ。お家でパン屋さんと同じようなクロワッサンが食べられるだけで今は心から嬉しい。

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中心部分のバターの重みと柔らかさも良き。
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やっぱりこっちの顔が好きだなぁ…(しつこい)。

ちなみにトーストした直後は、この子に限らずクロワッサンはバターが溶けてサクサクというよりふにゃふにゃになるので、しばし置くのがオススメです。バターがしっかりしたものならなおのこと。少し熱を冷ましているうちにサクッと感が戻ってきて、角が立ちつつふわっと絶妙なバランスになる気がします。言うなれば、食べ頃は“冷めたて”。トースターから取り出し器にのせてから、カフェオレ用にミルクを温めたり、紅茶の茶葉にお湯を差して3分待ったりする頃にはちょうどいいクロワッサンになっているはず。お試しあれ。

他とは一線を画するラインナップの両店は、パンにもその個性がキラリ。選びきれないほど豊富な種類の中から自分だけのお気に入り(と自分で思うもの)のパンを見つけるのは宝探しのような楽しさがありますよね。いつものお買い物カゴの中に1つ、日々の楽しみを足すこと。それはきっと繰り返しのような毎日にひと匙のきらめきを運んでくれるはず。みなさんのお気に入りもぜひ教えてください!

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