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自分に言い訳をしないため【私がタトゥーを入れた理由】

  • 2020.3.30
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日本では未だ根強くある、タトゥーへの偏見。それでも多くの人が、体に思い思いのタトゥーを残している。見ただけではわからないけれど、彼らにとっては意味深いタトゥーも。

コスモポリタンでは、そんな彼らにタトゥーを入れた理由を聞いてみました。

BRUNO(29)/クリエイティブディレクター
――初めてタトゥーを入れたときは、どんな思いで入れましたか?

世界的にみてもタトゥーを入れること自体はOKだけど、やっぱり仕事とか立場によって、働くことが難しくなることはまだあるよね。僕は、それを全部失くしたかった。自分に言い訳をできなくするために。

そしたらもう戻れないし。たくさんタトゥーが入ってて、「一般企業で働きたいです!」みたいなのは、今の日本はもちろん他の国でも難しいから、“自分の人生は、自分で生きる”って決めたときに入れた。タトゥーを入れたことで、新しいスタートを切るっていう感じで。

右は人生について入れているけど、左は愛について入れてる。心臓が左にあるのもそうだけど、左手を使うときってスペシャルになるでしょ。例えば、握手するときに左手を添えたりとか。左手を使うことは、すごく特別なことでもある。

だから、左には簡単には入れたくない。すごく大切なこととか、愛について入れたいかな。

――お気に入りのタトゥーを教えてください。

右腕にある、目が描かれた鍵のタトゥー。口は嘘をつくけど、目は嘘をつかない。もし僕があなたの口では言わないことを知りたいと思ったら、目を見たらわかる。心のドアを開くときの鍵みたいにしたくて。

――このタトゥーをいれようと思った理由は?

僕の右腕には、人生のことについてのタトゥーを入れていて。そうだなって思ったときがあって、入れたかな。あとは、このタトゥーを入れることによって、このことにもっとセンシティブになって、さらにフォーカスできるかなって。

右腕にある他のタトゥーは、毎日生きてて学んだこと、こういう人生を作っていきたいという思いを込めてる。

――タトゥーが入っていることで、嫌な思いをしたことがあったら教えてください。

嫌じゃなかったけど、6、7年前に「出て行って」って言われたことはあるかな。ジムで最初にボディチェック受けて、入会していいって言われたのに、1カ月後に辞めてくださいって言われましたね。タトゥーがあることも話したんですけど。スタッフはOKしてくれたけど、やっぱりジムに通ってる他の人が嫌だって言ったんだと思う。

けどそう言われても、嫌じゃない。日本ではそうだよねって、わかってるから。嫌な気持ちにはなってないかな。

――日本と海外では、タトゥーについての考え方は違うと感じますか?

どうかな。「タトゥーってどう思う?」とかって話さないからね。でも、日本に限らず、タトゥーが嫌いな人はたくさんいる。若いとか若くないとか関係なくて。タトゥーが好きじゃないっていう人もいっぱいいるし、タトゥーを入れてる人にいいイメージを持ってない人もいる。

だから、日本だけじゃないと思う。でも、“個人の自由”は海外のほうがあるかな。

――タトゥーを新たに入れるときは、どんな気持ちのときですか?

自分の中で何かあったときに、出来事とか時間がクローズしたときに入れてるかな。チャプター1、チャプター2みたいな感じで。

人のスタイルだから関係ないけど、デザインがかわいいからって簡単に入れる人もいると思うんだけど、そういうのはないかな。それはその人の自由だから、いいと思うけどね。

――反対してる人もいると思いますが、何か思うことはありますか?

タトゥーを嫌いな人たちの考えを、変える必要はないと思う。そこは関係ない。あなたのタトゥーが嫌いって言われても、あなたの人生に関係ないからって思うかな。

他の人の嫌いとか、気にしない。そういう言葉を聞いたときは、気持ちよくないと思うけど、気にする必要はないよね。

――今後、日本でのタトゥーへの考えはどのようになっていくと思いますか?

人がジャッジすることには、限界が来ると思う。日本みたいにトレンドに敏感な文化は、周りが変われば変わると思う。

例えば、オリンピックで世界中の人が日本に来るときとか。タトゥーが入っている人はたくさんいるから、日本の温泉とかも「タトゥーをOKにしよう」っていうところが多くなってきてると思うんだけど。あの人たちが、やりたくてやっているのか。ギブアップしてやっているのか。多分ギブアップになってくると思ってて、時代が決めることだと思うね。

大きいコミュニティを変えるには、すごい時間がかかると思うし、すごいパワーがいるから大変だと思う。だけど自分のライフスタイルとか、スタイルに合ったコミュニティに入るほうが簡単。そのほうが自分が幸せになると思う。そのコミュニティの考えを変えるっていいとは思うけど、タトゥーへのヘイトがなくなったら本当に幸せなのかな? 僕はそうは思わないかな。

でも、こうやって話すと「好きなことだけしてます」みたいな人の話っぽいけど、自分のやることにはちゃんとレスポンシビリティーを持ったほうがいいと思う。それはタトゥーもそう。それで入れるだけ入れて、「好きだから入れた」とか、でもタトゥーを入れたことに関して何か言われて嫌な気持ちになるんだったら、準備できてなかったんでしょ? って思う。

何をやるにも、何かを言われたときに「自分はこう思ったからこうしたんだよ」って言えるようにしたほうがいいと思う。

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