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最終回は交渉力について伝授!【創刊編集長のキャリア連載Vol.6】

  • 2020.3.30
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この連載は、コスモポリタン日本版創刊編集長としての経験や過去に勤めたIT企業(LINE、livedoor等)での経験、これから挑戦する起業のエピソードを元に、キャリアアップしたい読者のみなさんに私なりに役立つと思うアイデアをシェアしていく連載です。この記事が最終回! ラストの記事も読者の皆さんに少しでも役立ちますように。

交渉力は、誰にでも身につけられる!

「最終回は、交渉力というテーマで書いてくださいねー! 白重さんは、交渉のプロと編集部の企画会議で盛り上がったのでw」 と元部下がLINE をくれました。ずっと隣で私の仕事ぶりを見てくれていた部下にそんな風に思ってもらえてうれしいなと思いつつも、自分では交渉力に長けているとは一度も思ったことがありません。

部下たちには、交渉力がある上司という風に映っていたかもしれませんが、私は”その度になんとかしてきた”という意識が強く、あらゆるビジネスの場面で、交渉スキルを必要にかられて、身につけてきたように思います。

交渉スキルがさほど高くなかった私がどのようにして、交渉を必要とする場面で力を発揮できるようになったのか、実際に実践していたことをお伝えできればと思います。

交渉力で意識することは、たった2つ
1、すぐに感じられるメリット(数字で見通しがつくもの)
2、将来的なリターン(交渉相手の未来に役立つ何かを提供できているか)

私は、このふたつのどちらかが、交渉内容を話す際に、含まれているかを意識し、ネゴシエーションを必要とする打ち合わせに挑んでいました。もちろん、これで100%うまくいくわけではありませんが、自分が望んでいた結論に着地する確率は、随分と上がりました。

相手は、ハッピーになれるか?(2の場合)

「○○さん(女優orモデル)にコスモに出てほしいです。お願いできませんか?」

今では、サイト規模も大きくなり、断られることはほとんどありませんが、リリース当初は、実績があまりないので、ストレートにお願いするだけでは、事務所に断られてしまうことも度々ありました。

そんな時は、出て欲しい女優さんまたはモデルさんのキャリアがコスモに出ることで、今後どれだけ役立つかという話を丁寧に担当マネージャーさんに説明していました。

相手に納得してもらうためには、交渉相手が今後どのようなキャリアを実現したいかを具体的に知っておく必要があります。ですので、しっかりと相手の要望や野望をヒアリングするのがとても重要です。

たとえば、海外でモデル活動にチャレンジしようとしていたモデルさんの担当マネージャーには、コスモポリタンが約80カ国で展開されているグローバルブランドであることを知ってもらい、今後、海外の仕事をする際に、コスモポリタン日本版へ出た実績は、交渉材料に必ずなると説明をしました。1年後、マネージャーさんが「あの時、白重さんが言っていたことが現実になったよ! 一緒にやった仕事がとても役立ちました。ありがとうございます」と連絡をくれました。

交渉相手のビジョンを叶える道筋を立て、それを基に交渉を進める、そうすることでお互いがWin-Winな関係で仕事ができるようになりました。

その案件は、自分がいる必要があるのか?(1の場合)

とある広告主から 「コスモである必要ある?他の媒体に出稿するのでも変わらなくない?広告メニューは、どこもあまり変わらないし」とご指摘を頂いたことがあります。

作り手としては、唯一無二のメディアだと信じて運用していますが、多くのメディア担当者と日々ミーティングしているクライアントの立場になると、コスモと同じようなメディアはたくさん存在していると認識するのは当然のことだと思います。

編集者としては、他メディアとは違う世界観や、細かなディテールを話したくなりがちですが、そこよりもクライアントの困っていること、どんなことを実現したいのかのヒアリングに徹しました。

それを基に、コスモポリタンを通して、商品の認知度を上げ、ファンがどのように増えるかというアイデアを具体的な数字を盛り込み、直近で効果を感じられるプランを考え抜き提案していました。ここまでやって初めてコスモポリタンと組む意味がクライアントの中で生まれます。

メディアというビジネスは、競合他社が多い。なので、”ありきたり”ではクライアントは振り向かない。その案件になぜ自分たちが存在する必要があるのか? という意味を常に考えて実行していたからこそ、継続して、良いお付き合いをさせていただけた”仲間”がたくさんできたように思います。

焦らないで、待つことも必要

「少し、コスモの様子をみてから決めたいです」と当時、心からコスモに出ていただきたかったアーティストのマネージャーさんに言われたことがあります。

1と2のどちらを用いて説明しても、相手の心には響きませんでした。そんな時は、焦らずリラックスして待つことも必要です。だけど、ただ待つだけでは意味がないので、ご迷惑にならない程度に、メールをしてこちらの近況を伝えたり、面白い情報を送ってみたり、常にあなたを気にかけていますということを伝えつつ、私はまだ諦めていませんよ! というニュアンスも伝え続けていました(もちろん、しつこいなーと思われない程度に。その加減や言葉の使い方はとても重要です)。

すると、1年後、私の熱意が伝わり一緒にお仕事ができることになりました。その企画自体は、多くの女性に共感され、SNSでもシェアされることとなり、マネージャーさんとアーティストご本人も喜んでくださいました。読者にも支持され、みんながハッピーになった仕事。

現時点でうまくいかなくても、時期をずらして実現するという方法もあるということを知っておくと、お互いにとって一番いいタイミングが訪れるはずです。

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みんな元気?コロナで大変だけど、心は強く穏やかに毎日を楽しく過ごそうね? キャリア連載の記事がアップされてます?‍♀️よかったらプロフィールリンクから読んでね。テーマはビジネスにおいての外見の重要性です? Tops #cruciani Pants #maxandco Stall #zadicandvoltaire Photo @meidlin #fashion #ファッションコーデ #ピンクベージュコーデ

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創刊編集長のアドバイス

交渉というと、ついつい自分の要望を通したいという思いだけが先走ってしまう人もいるかもしれませんが、相手にも相手の事情があるということを前提にしておくと、自分が取るべき対応が自ずとわかるはずです。

3ヶ月に渡り、全6本キャリア 連載を執筆させていただきましたが少しでも参考になっていたらうれしいです。コスモポリタンの読者は、キャリアに邁進している女性が多く、前向きに人生を楽しんでいる人が多い。そんな読者のみなさんがこれからも楽しく仕事ができるように心から応援しています!

またいつか会う日まで♡

白重絢子(Ayako Shirashige)

1986年生まれ。大学を卒業後、制作会社でアシスタントをした後、livedoorやLINE等のIT企業で、メディアやマッチングアプリ、広告ビジネスに携わる。2015年にコスモポリタン日本版創刊編集長に最年少で就任。4年間でビジネスを拡大させる。2020年1月からウェルネス系のスタートアップ企業の立ち上げに奮闘中。共同創業者・取締役/COOに就任。

今後も、キャリアの相談がある方は、ぜひ私のInstagramにいつでも気軽にDMをくださいね!( ◠‿◠ )

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