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上司に「28歳で出産は早すぎる」と言われ……。子どもの“正しい”産み時なんてあるの!?【アンコンシャスバイアスを探せ!】

  • 2020.3.30
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uncounsicous_bias_automoai_.jpgIllustration: AUTO MOAI

前職でのこと。新卒で全国転勤があるマスコミに就職した。就職活動中は「家族状況に配慮した人事異動を行なっている」と説明を受けていたが、当時学生の私には、それがどこまで本当なのかはわからなかった。

初任地は北海道だった。仕事にはやりがいがあり、北海道という環境も楽しんでいた。一方で、結婚の話もあり、管理職に相談したところ「結婚したら検討しよう」といわれ、東京に住むパートナーと26歳で別居婚をすることになった。

しかし現実は、配慮はおろか「子どもがすでにいる人が優先だ」と話をすり替えられ、東京から1200キロ離れた地方に転勤することになった。

その後、27歳で妊娠したものの、再び地方に転勤を命じられたのだ。上司には、「電車でたった3駅じゃないか」と言われたが、上司のいう電車とは、新幹線のことだ(片道3時間半!)。

先の見えない不安を感じた私は、女性の管理職に相談した。すると、びっくりするような言葉が返ってきた。

28歳で出産は早すぎる」

どうやら、この組織の中には、勤務地が東京になってはじめて子どもを産むという暗黙のルールがあったのだ。「女性の働き方」の研修や座談会も年に1回はあったが、美談しか聞いてこなかった。完全なるリサーチ不足だった。

早く産むのは「ワガママ」なの?

Photo_ EpicStockMedia/ 123RF
Young cute baby girlPhoto: EpicStockMedia/ 123RF

社内取材を進めると、私以外にも東京勤務になる前に地方で出産した女性は、どんなに優秀であっても(この業界が好きな特ダネをたくさん取っていても!)、明らかに不当な扱いを受けている。男性社会でもまれて今がある女性上司たちからすると、私の叫びはわがままに聞こえるのだろう。

ばかばかしい質問ではあるが、私は入社1年目のとき、先の女性管理職に「子どもの産み時はあるのでしょうか」と尋ねたことがある。その時は、きっぱりと「ない」と言っていたのに。こうした職場にはびこる妙な慣例を変えたいと思う一方、娘の成長は見逃したくなかったので、悩んだ末に転職を選んだ。

この経験を通してわかったいいこともある。転職活動中、意外と幼い子どもがいる母親に対して寛容な会社が多かったことだ。「子育て中の人はたくさんいるから」とごもっともなことを言われたときは、心に抱えてた不安がスカッと晴れて、嬉しくて胸が熱くなった。

仕事は好きだ。家族は大好きだ。いきいきと働く母を見て、娘には育ってほしいと思う。そのために、たとえ「わがまま」と捉えられようが、家族と一緒に住みたいと願うことは何も悪いことじゃないはずだ。

晩婚化、高齢出産の傾向にある世の中だが、早く産むことにも仕事へのメリットはあるはずだ。中核を担うであろう40代のころには、育児に翻弄されることもなくなっているだろうから。20代での出産、何が悪い。

Editor: Mina Oba

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