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個人事業主は車を経費計上できる?経費の範囲&節税対策をFPが解説

  • 2020.3.29
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個人事業主の方が効果的に節税するためには、計上可能な経費を漏れなく計上することがとても重要になります。中でも車に関係する経費については、他の経費に比べて高額になる傾向があるので、認められる範囲内できっちり計上することが大切です。

そこで本記事では、個人事業主の方が経費として計上できるもののうち車に関係する経費について詳しく解説します。

個人事業主で車を購入するケース

ネットを活用して自宅で事業を展開する個人事業主の方が増えていますが、中には事業に車を使用するケースもあるかと思います。例えば、営業で外回りをするために車を購入するケースもあるでしょう。

基本的に事業のためだけに車を使用する場合は、ある程度経費として認められる可能性が高いですが、私用でも車を利用する場合については注意が必要です。

経費として認められるのは、あくまで事業のために直接使用している部分だけなので、車を私用でも使う場合については部分的に経費として認められなくなる可能性があります。

車の名義はどうなる?

経費として計上するとなると気になるのが車の名義です。例えば法人が車を保有するとなれば法人名義で購入するのが通常ですが、個人事業主の場合は店舗名や事業所名で購入することはできるのでしょうか。

結論からいうと、個人事業主の方が車を購入する場合の名義は、その方の個人名義になります。店舗名や事業所名などのいわゆる屋号については、株式会社のように法人格がないので、権利を帰属させることができないからです。

よって、個人事業主が車を購入する場合は普通に自家用車を購入する場合と同じで個人名義になります。ただ、個人名義だからといって経費にできないわけではありませんのでご安心ください。

計算上経費にできる費用

車に関連して発生する費用には様々なものがありますが、個人事業主の経費として計上できる可能性があるものとしては次の通りです。

税金関係

自動車税、軽自動車税、自動車重量税、自動車取得税など車を保有することでかかる税金については、経費として計上することが可能です。かかるタイミングが決まっているので、ある程度経費として先読みできる点がメリットといえます。

自賠責保険・任意保険など

強制加入が義務付けられている自賠責保険、任意保険(車両保険、人身傷害、弁護士特約などの保険料も経費として認められます。保険の名義も車と同様に屋号で加入することはできませんが、個人名で加入している保険料でも、経費として計上することが可能です。

車両維持費

車両を維持していくためにかかるメンテナンス費用で、主に次のような費用が経費として認められます。

  • 洗車費用
  • 車検費用
  • ガソリン代
  • オイル交換台
  • ブレーキパッド交換
  • タイヤ交換、保管代
  • 点検費用
  • その他修理費用
  • 駐車場代
交通費

高速道路料金やETC、そのほか駐車料金なども事業のための利用であれば経費として認められます。ただし、いつ、どこへ、なんの目的で行ったかなどについては記録に残しておくことが大切です。

ローン金利

ローンを組んで車を購入した場合は、金融機関に支払う利息も経費として計上することが可能です。このように、車に関連して計上できる経費は多岐にわたります。

車の減価償却費について

車の経費の中で忘れてはならないのが、減価償却費です。減価償却費とは物の劣化代のことで、車などの高額資産については、購入した代金を一括で経費として計上するのではなく、使用年数に応じて毎年一定額を経費化していきます。

車の主な減価償却期間は次の通りです。

  • 普通車:6年
  • 軽自動車:4年
  • ダンプ以外のトラック:5年
  • ダンプのトラック:4年
どこまでが減価償却の対象?

減価償却費は車に関連する経費の中で最も高額になる可能性が高いので、計算する際には間違えないよう注意が必要です。車を購入する際には車両本体料金以外にも様々な費用が掛かりますが、減価償却に含む費用としては次のようになります。

  • 車両本体料金
  • カーナビ
  • ETC
  • スタッドレスタイヤ
  • その他オプション
  • 納車にかかる費用

反対に、以下の費用については購入時に支払った費用だとしても減価償却には含めず、個別に経費化します。

  • 自動車税、自動車取得税、自動車重量税
  • 自賠責保険料
  • 登録費用、代行費用
  • 車庫証明の取得にかかる費用

なお、リサイクル料金を支払った場合は、すぐに経費化するのではなく車を将来的に売却または廃車にする際に経費として計上するため、それまでは預託金として仕訳をして確定申告をします。

中古車の減価償却

車を中古で購入した場合は、減価償却期間がその分短くなります。中古車の耐用年数(減価償却期間)は、次のように計算します。

  • 中古車の耐用年数=法定耐用年数-経過年数+経過年数×0.2

よって、普通車で6年以上型落ちしている車でも最低2年で減価償却することになります。

中古車は短期償却が可能

このように新車であれば6年かけて減価償却するところ、中古車であれば最短2年でスピード償却ができるので、売上が伸びていて急遽経費が欲しい場合は、高額な新車を買うよりも中古車を買った方が一度に大きく減価償却費を計上できるため有利です。

例えば300万円の新車だと年間で50万円しか減価償却費として計上できませんが、6年落ちの中古車で200万円であれば倍の100万円を減価償却費として計上できますので、節税対策で経費を計上したい場合には注意しましょう。

カーリースを利用した場合

最近ではマイカーリースやカーシェアなど車を保有しないケースもあるかと思います。これらのサービスを利用した場合は、リース料金などをそのまま経費として計上することが可能です。

ある意味減価償却費を計上しているのと同じような感じになるので、マイカーにこだわらなければリースやカーシェアを活用することも一つの方法となるでしょう。

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私用でも車を使う場合の按分割合

個人事業主で車を保有する人の中には、個人事業だけではなく私用としても使うというケースは多いのではないでしょうか。

例えば、普段は子供の送り迎えなどに車を使っていて、週末だけ事業で使っている場合や、反対に平日は配送の仕事で車を使って、週末は家族で遊びに行くために使うなど、仕事と私用の両方で使うケースは意外と多いと思います。

ではこのような場合、どこまで経費として計上することが可能なのでしょうか。

経費の分け方

車を仕事と私用の両方に使っている場合は、仕事として使っている割合と私用として使っている割合を合理的な考えに基づいて按分して、それを経費に当てはめて計算することになります。

按分計算しなくていい経費

車に関係する費用でも、次の費用については私用と仕事用で按分計算する必要はありません。

  • 駐車料金
  • 高速道路代

また、駐車場の料金についても店舗専用の駐車場がある場合などについては、全額を経費として計上することも可能です。自宅の駐車場代については、按分計算が必要になります。

仕訳の仕方について

私用と自営業どちらでも使用する車の場合、費用の仕訳はどのようにしたらよいのでしょうか。基本的に、事業と私用の支出が混ざっている場合は家事関連費に仕訳をします。按分計算した費用については、家事関連費に仕訳をして所得税を計算しましょう。

経費として認められにくい車とは

私もこれまで車に関係する費用を経費として計上した経験がありますが、その際に税理士から注意をされたのが車の車種です。

例えば、軽自動車については比較的営業車両的なイメージが強く、維持費が安いことから経費として認められやすい傾向があるのですが、外車などについては税務署から私用との指摘を受けやすくなるため注意がいるそうです。

特に危ないのがベンツです。ベンツは税務署の印象として事業用というイメージが薄く、本人の私用であるという認識があるようなので、個人事業用の車として確定申告しても否定される可能性がありそうです。

ただ、BMWは意外と認められるそうで、外車によっても税務署の受ける印象が違います。ベンツというと高額なイメージがありますが、最近では中古で新車の軽自動車以下の金額でも購入できるので、一概にそうとは言い切れないと思います。

とはいえ税務署的にはベンツはNGが出やすいそうなので気をつけましょう。また車の台数が多い場合も、必要性も含めて指摘を受けますので注意が必要です。

自家用車のほかに仕事用で複数台車を所有する場合は、具体的に複数台必要になる理由について説明できるようにしておきましょう。

個人事業主の車に関係する経費に関するまとめ

今回は個人事業主の車に関係する経費の計上の仕方について詳しく解説してきました。車は個人事業で扱うものの中でも比較的高額な経費を生み出すので、正しく計上して税金を圧縮することが大切です。

ただ、私用でも使っている場合については必ず按分計算して必要な割合だけを経費にする必要があります。按分の仕方については、絶対的な決まりはありませんので、合理的な説明ができる方法で割合を決めることが重要です。

税金を得するために、私用の車を全額経費にすると税務調査の対象になる可能性があるため注意しましょう。

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