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あいまいな返事を続ける彼のことは諦めたほうがいい?【ひとみしょうのお悩み解決】

  • 2020.3.25
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“【お便り募集】文筆家ひとみしょう お悩み解決” に送っていただいたお悩みの中からひとつピックアップしてひとみしょうさんがお答えしていきます。

「朱雀さん24歳」のお悩み

遠距離の彼氏がいます。付き合ってまだ10ヶ月ほどです。

キリよく1年後に同棲をしようと話をしていました。

私の方に夢があり、今いる場所から動けない状態なので、彼が越してくる予定になっています。

それには彼が職を辞めなければなりません。

しかし、年越し前には会社に言ってスッキリさせたいと言っていた話が伸びに伸びて、いまだに辞める話を出せていないそうです。

煮え切らない彼の態度に私も疲れてガッカリしたと言ってしまいました。

すると、状況とか考えてだの、忙しくなっただの、具合も悪いだのと言われて、自分のことでイッパイイッパイだと言われました。

約束を何度も破っているのは相手なのに、なぜここまで言われなきゃいけないのでしょうか。

もう彼のことは諦めたほうがいいのでしょうか。

〜ひとみしょうのお悩み解決コラム〜

ぼくは諦めたほうがいいと思います。

彼は悪気があってあいまいな態度をとっているわけではないんです。朱雀さんのことが嫌いだからあいまいな態度をとっているわけでもないのです。

男はまず自分の人生をどうにかしなくてはいけないという考えがあるから、あいまいな態度をとるのです。

以下に解説しますね。

彼にとっての理想の同棲相手とは

彼は朱雀さんのことが好きです。

だから彼は、朱雀さんと同棲したいと思っているし、なんなら結婚したいとも思っているでしょう。

でも、彼は、自分がどう生きていくといいのかがわかっていません。

仕事をしているという事実が即、「どう生きていくといいのかわかった」ということを意味するわけではないんですね。

どう生きていくといいのかわからないけど、とりあえず食っていかないといけないから、採用されやすそうな会社を選び、そこで(じつはつまらなく)働いている人だって大勢います。

彼はその中のひとりです。

そういう人は、表向きは穏やかに生きているように見えても、心の中はドロドロ、つまり生き惑っているので、自分のことでいっぱいいっぱいです。

なので、たとえば、生活をともにするパートナーとして彼にとって理想的な人は、自分のことを導いてくれる人です。かつ、収入を含む仕事のことにとやかく言わない女子です。

自分の生き様をしっかりとしたものにすることって、男にとって人生の一大事だから、収入のことや生活のこと、仕事のことをうるさく言わず、あたたかい目で見守ってくれる女子のみが、彼にとっての理想の同棲相手であり、結婚相手なのです。

女子は「ふたりで」、男子は「ひとりで」

女子だってきっと、とくに若いと、生き惑っていると思います。

若くして「わたしはこう生きていく」というのが定まっている人って少数だから。

でも、なぜか――これはなぜかとしか言えないのですが、なぜか女子は生き惑っていても、それなりに上手に恋愛しますね。

いや、生き惑っているからこそ、その不安というか、漠然とした淋しさを恋愛をとおして(彼氏をとおして・同棲生活をとおして)どうにかしたいと思っているのかもしれないですね。

対して男子は、生き惑っている不安定な気持ちを、自分ひとりで解決しようとします。

これも「なぜか」としか言えません。

隣に朱雀さんのようなステキなパートナーがいるのに、朱雀さんと同棲して生活の安定を得たら、どう生きていくといいのかがわかる可能性があるのに、でも男はそういう発想をしないんですね。

おれは生き惑っている。どうにかしてひとりでがんばって自分の人生の基盤をつくらなければならない。でないと、同棲したり結婚したりしたとき、おれは相手に迷惑をかけてしまう――彼はこう考えているのです。

同棲を選択する人の気持ち

ぼくのように40歳も過ぎれば、若いころの生き惑う感じを、あるていど俯瞰的に(上から全体を把握する感じで)眺めることができるようになります。

なので、ぼくが朱雀さんの彼氏であれば、ぼくは喜んで朱雀さんと同棲すると思います。

そして、ともに生活をしながら、自分という存在を広く認識するよう努めると思います。すなわち、自分はこれまで何をしてきて、これから何をしたいと思っているのかとか、自分はどういった仕事をとおして社会に貢献できるのかとか、そういったことを「女」のいる安定した時間や空間のなかで考えると思います。

でも彼はそうしません。

あくまでも、のらりくらりと、朱雀さんとの同棲を先延ばしにします。

自分の生き様に自信をもっていない人はたいていそうするので、彼が特別に変わった人だというわけではありません。

男の恋愛観・女子の恋愛観

男はまず仕事なんです。「仕事=自分の生き様を決定づけるもの」と認識しているからです。

いまの時代、女子だってがんばって働いていますよね?

でも、男と女とでは、仕事に対する捉え方がちがうのです。

男はあくまでも「仕事=自分の生き様を決定づけるもの」と捉えます。

で、生き様が決定したのちに、恋愛とか同棲とか結婚がきます。

女子はきっと、仕事も恋愛も同棲も、ぜんぶ同じレベルの同じテーブルに置きますよね?

仕事がうまくいかないから恋愛に逃げる。会社選びに失敗したからできちゃった結婚をして華麗に主婦に転職し、楽しく子育てをする――男尊女卑的なことを言いたいのではなく、女子はそういう感じで、これがダメならあれをやってみる、あれがダメならこっちを掘ってみるということができますね。

男はそれができないのです。

いえ、いいんですよ。男のなかにも、社会に出てみんなと働くのが苦手な人がいて、そういう人は主夫になりたいと思っています。ぼくも以前はそう思っていました。

がしかし、社会がそれを認めないですね。主夫という選択肢は主婦という選択肢にくらべ、差別されていますよね。

おわりに

朱雀さんの彼氏に限らず、なんらか意思決定すべきときにあいまいな態度をとる男は大勢います。

彼らに共通するのは、生き様の決まってなさです。

逆説的にいえば、彼は生き様が決まらない不安定な気持ちを、恋愛をとおしてエッチをとおしてどうにかしたいと思っているから朱雀さんと付き合っています。

がしかし、究極的には、恋愛もセックスも、彼に安定した強固な生き様を与えません。それは彼が社会に出て、汗を流して獲得するものだからです。

生き様がいまだ定まらない彼をあたたかく見守るのか、生き様が定まっているほかの男と付き合うのか、どちらを選ぶのかは朱雀さん次第です。

ぼくの勘だと、朱雀さんはきっと、2~3年後に、生き様の定まったしっかりした男性と結婚するように思います。

お互いがんばっていきましょう!(ひとみしょう/作家・コラムニスト)

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