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週に1~2回でOK! ヨガが脳にもいい理由とは?

  • 2020.3.23
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ヨガをすれば、柔軟性や筋力が高まり、ストレスが軽減され、マインドフルネスが養われると言うけれど、新たに発表された研究結果は、ヨガが脳の「機能」だけでなく「構造」も変える可能性があることを示している。

脳の可塑性に関する専門誌『Brain Plasticity』に掲載された論文レビューによると、研究チームはヨガと脳の健康に関連する11本の論文を見直した。このレビューに含まれたのは、10~24週間にわたり初めてヨガを行った被験者の脳の健康状態を実験の最初と最後に測定した論文と、定期的にヨガを行った人と行わなかった人が見せる脳の違いを測定した論文の2種類。

また、今回のレビュー対象となった論文はどれも、ハタヨガ(意識的な呼吸と動作のつながりに重点を置くタイプのヨガ)と瞑想を扱っていた。レビューの結果、ヨガをする人は脳の灰白質が大きく、皮質も厚いことが判明。灰白質は特に老化プロセスにおける精神機能を改善し、皮質厚は知能を高めることが分かっている。

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この論文の共著者で米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の運動心理学研究所ディレクター、ネハ・ゴーテ博士によると、この結果は脳の健康を向上させるにあたり、高強度の有酸素運動(脳機能の改善に結び付けて考えられる)と低衝撃かつスローペースのエクササイズ(まさにヨガ)の間で悩む必要がないことを意味する。

「ヨガには有酸素運動と似たような効果があるようです」とゴーテ博士。「私たちがレビューした予備研究の結果は、ヨガが脳の海馬(かいば)、扁桃体、帯状回、前頭前野にプラスの影響をもたらすことを示しています。記憶と情報処理と同時に感情の調節も担う脳の領域ですね」

例えば、側頭葉の奥深くにある扁桃体は、感情的な反応によって引き起こされる行動をつかさどる。恐怖心や攻撃性だけでなく、快感や満足感の中枢とも言える場所。よって、ゴーテ博士が言うように、この小さな神経細胞のかたまりを鍛えれば、恐怖心にもとづく反応を抑える一方で幸福感を高められる。

それに対して前頭前野は、プランニングや問題解決、意思決定といった複雑な認知行動をつかさどる脳の領域。帯状回は辺縁系の一部で、学習、記憶、感情の処理に欠かせない。

ヨガによって脳の構造が変化する理由は今回のレビューでも分からなかった。でも、ゴーテ博士は、動作、呼吸、瞑想を組み合わせると、それぞれを単独で行ったときより脳の健康が促進される可能性もあると考えている。

長期的かつ定期的なヨガによる脳の変化を突き止めるにはさらなる研究が必要とはいえ、今回のレビュー結果は、ヨガを始めて10週間でプラスの効果が得られることを示している。これを機に週1でヨガを始めれば、きっと脳のためになるはず。

※この記事は、『ランナーズワールド』から翻訳されました。Text: Elizabeth Millard Translation: Ai Igamoto

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