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「スマホが手放せない」「匂わせ投稿」の本当の原因とは#やめられない理由

  • 2020.3.21
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依存とは?3つの分類

何らかの対象行動が習慣化して自分や他人の生活に支障が出ているにもかかわらずそれがやめられなくなっている状態のことで、精神医学的な診断が下されるものを「依存症」といいます。

分類には以下のようなものがあり、それぞれが重なり合うこともあります。

・物質依存:(例)アルコール、ニコチン、カフェインなど
・プロセス依存:(例)ネット、ゲーム、ギャンブル、買い物など
・関係依存:(例)ストーカー、DV、恋愛など

対象行動が違法でなく、やめたい時に躊躇なく離れることができ、自分の生活に支障が起きておらず、家族、恋人、他人など周囲の人へも迷惑をかけていない範囲であれば依存ではないかもしれませんが、そうでないのであれば対象行動から離れたり、他の望ましい行動に置き換えていくことが必要になるかもしれません。

「やめたいと思ってもやめられない」というループから抜け出すためには、その行動の背景となる、その行動の前後にある気持や考え、体の感じなど、自分のことをよく知ることが問題行動を解決するヒントになります。今回はSNSへの依存を見てみましょう。今や日常生活から切り離せないものだからこそ、気づかないうちに習慣的な依存行動になっていないかチェックしましょう。

SNS依存のケース

*事例には複数のケースを組み合わせており、特定の個人のものではありません。

事例1. 同僚とのグループチャットが気になるAさん

女性だけの職場で働いており、同僚との業務外でのコミュニケーションツールとしてグループチャットを使っている。関係がうまくいっていない同僚が終業後に「誰かさんのせいで今日も残業」と、暗に自分のことを指しているのではないかと思う投稿をしてから気になり始め、その同僚が「イライラする」といったネガティブなことを書くだけで不安が募る。いつ自分のことが書き込まれるかわからないので片時もスマホを離せず、寝不足になり、ご飯も喉を通らない。

プロセス依存と人間関係依存が重なっているケースで、明らかに生活に支障が出てしまっていました。カウンセリングを進める中で、Aさんはスマホに依存しているわけではなく、「みんなに好かれたい」「対立したくない」という欲求や対人関係での不安が自分の中にあることを認めることができ、相手の気持ちや行動はコントロールできないということを自覚することができました。健康状態を取り戻すために少しずつスマホを触る頻度を減らし、その置き換えとして、不安になったら好きな旅行雑誌を読むということにしました。並行してコミュニケーションスキルのトレーニングをして、自分のことだとわかる形で悪口を書かれた場合は「やめてほしい」とはっきり伝える準備をする、最終的にはグループチャットから抜ける選択肢も検討するなどを行い、今では健康度を高めています。

事例2. 偽投稿がやめられないBさん

夫との関係がうまくいっていないが、周囲に悟られたくない。実際には自分で購入したプレゼントや花束などの写真をSNSに載せ、「夫からのサプライズ」と自慢したりほのめかすことがやめられない。どんどん高価なものにエスカレートしてきており、夫に内緒で借金をする事態にまでなっているが、誰にも相談できない。

このケースもプロセス依存と関係依存が重なっていて、Bさんと家族の経済状況に悪影響を及ぼしています。依存が深刻になっている一つの兆候として「不正直さ」があります。見栄を張る、真実を隠そうとする、嘘をつくなどが続き、やめられなくなっているとしたら要注意です。Bさんは「友人から惨めな人、寂しい人だと思われたくない」という気持ちがあり、それが現実にならないように依存行動(SNSでの偽投稿)を行っていました。「他人から愛されていなければ自分には価値がない」という長年の思い込みを捨てて自分らしくふるまったり、うまくいっていない夫婦関係について夫と話し合うことを始めました。借金問題についても夫に打ち明け、購入したものをネットで売ったり、夫からお金を借りて返済し、少しずつパートで働いて返していくことにしました。

事例3. 「いいね!」がほしくてたまらないCさん

SNSに投稿した記事や写真に「いいね!」がないと自分がダメな人間だと思って恥ずかしくなる。「いいね!」を押してくれない友人には恨みや怒りを感じ、悔しくてたまらない。最近では「いいね!」をもらうために、つい話を誇張してしまい、自分でも何が現実なのかよくわからなくなってきているが、徐々に罪悪感が薄れているのを感じる。自分が「いいね!」を押すと相手も返してくれることが多いので、友人たちの投稿には隅々まで目を通し、ボタンを押すことが日課になっている。以前は毎日飼い犬の散歩に行っていたが、最近は週に2日しか行けていない。

このケースでは自分の生活にはそれほど支障が出ていなかったものの、散歩に行きたい飼い犬に我慢を強いる結果になっていました。カウンセリングの中で、いつからこのような行動が始まったのかを聞いたところ、大きなミスをして上司にひどく叱られた日、何気なくそのことをSNSに掲載したら友人たちが「いいね!」を押してコメント欄で励ましてくれたということがあったそうです。その時の気持ち良さが忘れられず、ついつい周囲の人が注目してくれそうなことを、あることないこと投稿するようになっていました。その後Cさんは、自分の承認欲求はいつまで経っても底なしで満たされることがなく、本当に大切なのは家族やペットとの気持ちの通ったコミュニケーションだということに気づきました。また、上司との関係がうまくいっていないことを認め、今後どうしていくかについて考えています。

ネット上で誰かに褒められたり、心配されたり、慰められて嬉しいと感じることは人間としてごく自然なことですが、バランスを欠いていないかどうかがネックです。最近の行動を振り返ってチェックしてみましょう。

・相手が反応してくれない時に「否定された」「軽蔑されている」など、ネガティブな気持ちになる
・自分や自分の身内をよく見せようと過剰に演出や誇張をしてしまう
・何かを穴埋めしないといけないという切迫感を感じ、リラックスできない

SNS依存から回復するには

SNS依存は「人とつながっていたい」という「関係への依存」が表れたものだと言われています。たまたま自分の問題が出てきた先がSNS依存だっただけなのかもしれず、SNS依存を解決することがゴールなのではありません。それを見誤ると他の対象行動への依存にシフトするだけになってしまう可能性があります。

立ち止まって自分の声を聞いてみましょう。その行動の背景にはどんな心理があるのでしょうか?不安や恐れ、怒りなどの気持ちがあるとしたら、それをまずは「認める」ことが回復への第一歩です。

最初は何かの「支え」となっていた行動が、今では自分や他人の生活や人生に望ましくない影響を与えていませんか?もしそれをしている時に苦痛を感じていたり、本当はやめたいと思っているのであれば、それも認めましょう。その上で、どうやってそれと距離を置いたり、望ましい行動に置き換えたりすることができるかを考えましょう。

デジタルデバイスに行動や時間を乗っ取られているという感覚はありますか?自分が主導権を握る感覚を取り戻すためにデジタルデトックスを試してみましょう。

長期間依存行動が長引いていたり、影響が深刻な場合には自分だけではやめられない場合があります。カウンセリングを受ける、専門病院で治療を受けるという選択肢もあります。参考にしてみてください。


ライター/佐藤彩有里
国家資格キャリアコンサルタント/バルーン・コンサルティング代表/高輪こころのクリニックカウンセラー/MBTI®認定ユーザー/龍村ヨガホリスティックヘルスコンサルタント/ASK依存症予防教育アドバイザー/A/CRA/FT ASIA事務局
企業での社内・社外相談や個人向けキャリアコンサルティングで多くの方の悩みに寄り添っており、嗜癖行動や依存に関するカウンセリング実績も多数。

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