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坂本龍一が映画界の新たな才能を絶賛!「『大島渚賞』にふさわしい人は小田香さんしかいない」

  • 2020.3.19
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カンヌ国際映画祭で監督賞に輝いた『愛の亡霊』(78)や、いまなお根強い人気を誇る『戦場のメリークリスマス』(83)など、国内外で高い評価を集めた日本映画界の巨匠・大島渚監督の名前を冠した「第1回 大島渚賞」の授賞式が19日に都内で行われ、審査員長を務めた作曲家の坂本龍一、審査員を務めた映画監督の黒沢清、大島監督の夫人である女優の小山明子、そして栄えある第1回の受賞者に選ばれた小田香監督らが登壇した。

【写真を見る】師匠はハンガリーの巨匠タル・ベーラ!日本映画界の新たな才能・小田香監督とは?

「第1回 大島渚賞」の授賞式が開催!
KADOKAWA

1977年から多くの映画監督を輩出してきた「ぴあフィルムフェスティバル」を主催する一般社団法人PFFが新たに設けた「大島渚賞」は、かつて高い志を持って世界に挑戦していった大島監督の功績にちなみ、映画の未来を拓き世界へ羽ばたこうとする次世代の才能に対して贈られる賞。

大島監督から形見分けでもらったというネクタイを締めて登壇したPFF理事長の矢内廣は、10年間にわたってPFFの審査員を務め、その後顧問も務めた大島監督との思い出を語ると「PFFは今年で42年、映画の新しい才能を発掘することを掲げてやってきました。PFFアワードでは映画の新しい才能の発見を、PFFスカラシップではその才能の育成。そして今回の大島渚賞は、それに続くステップとして、新しい才能を称え顕彰していきたい」と本賞について紹介。

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第1回の受賞者に選ばれた小田香監督は、1987年に大阪府で生まれた新鋭監督。『サタンタンゴ』(94)などで知られるハンガリーの巨匠タル・ベーラ監督が陣頭指揮する若手映画作家育成プログラム「film. factory」に第1期生として参加した経歴の持ち主で、ボスニアの炭鉱を映した第1回長編作品『鉱 ARAGANE』(15)が日本で劇場公開。メキシコに点在する泉をめぐった最新長編作品『セノーテ』(6月公開)は山形国際ドキュメンタリー映画祭とロッテルダム国際映画祭でプレミア上映された。

審査員長の坂本からトロフィーを受け取った小田監督は「これから自分が映画と共に生きていく中で、困難に立ち向かわなければいけないことも多々あると思います。その時は、大島監督の座右の銘であったり、確かに生きた人々のことであったり、その瞬間瞬間を思い出したい。命を、人生をかけていま自分は生きて表現できているのかを常に問いかけ、映画の道を歩んでいく所存です」と緊張の面持ちでスピーチ。

審査員長を務めた坂本龍一が自ら小田監督を推薦したのだとか
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そんな小田監督に坂本は「大島渚という監督は、国家や権力、歴史、国境に翻弄された人々をいつも描いてきた。あるいは、その常識というものに立ち向かってきた。その素晴らしい監督の名前を冠した賞にふさわしい人は誰かと考えた時に、僕は小田香さんしかいないと思って、僕の方から推薦させていただきました」と明かす。

そして「前回の『鉱 ARAGANE』という作品もすばらしかったですが、今回の『セノーテ』はその何倍も素晴らしい。ぜひ皆さん観ていただきたい。マヤの人たちの苦渋の500年、文明を滅ぼされた苦難の声がじわっと伝わってくる作品で、完全に大島渚監督の思想と通底するものだと感動しております。次回作も楽しみです。期待しています」とエールを送った。

「第1回 大島渚賞」記念上映会は明日3月20日(金・祝)開催
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また、記念品贈呈を務めた小山は「大島はさぞかし満足して、喜んでいると思います」と笑顔でコメント。審査員を務めた黒沢は「当初から大島渚の名にふさわしい賞というものを、いまの若い人にあげるのは大変困難な作業で、僕もやや戸惑いながら審査員という役を引き受けた」と振り返ると「小田さんの作品に出会うことができて、これは他にないと感じた。この賞を背負って、今後も素晴らしい作品を撮ってください」と、新たな才能の活躍に期待を込めて語った。

さらに審査員の荒木啓子PFFディレクターは、小田監督の師であるタル・ベーラ監督からの祝福のメッセージを代読。「なによりもお祝いを伝えたい。実はあなたをとても誇りに思っていると打ち明けましょう。あなたに出会う幸運に恵まれたこと、それは私の人生のひとつの贈り物。あなたがこれまで作ってきた映画に、あなたの誠実さと強さに、心から感謝したいと思います。そしてとにかく前に進んで行きなさい。ビッグハグを贈ります」。

明日20日(金・祝)に丸ビルホールで行われる「第1回 大島渚賞記念上映会」では、小田監督の最新作『セノーテ』と、大島監督の初期の代表作である『青春残酷物語』(60)が上映。両作の上映の合間に、小田監督と坂本、黒沢の3名によるトークショーが行われる予定となっている。(Movie Walker・取材・文/久保田 和馬)

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