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ビリー・アイリッシュ、兄と両親を心配させた「自殺ソング」とは?

  • 2020.3.13
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シンガーのビリー・アイリッシュが、ヒット曲「エヴリシング・アイ・ウォンテッド(Everything I Wanted)」をめぐって兄のフィニアス・オコネルともめていたことがわかった。(フロントロウ編集部)

兄として妹の幸せを願う

今年のグラミー賞で女性アーティストとして史上初めて主要4部門を制覇し、計5部問で受賞を果たした18歳のカリスマシンガー、ビリー・アイリッシュの兄で音楽プロデューサーのフィニアス・オコネルが、昨年11月にビリーがリリースしたヒット曲「エヴリシング・アイ・ウォンテッド(Everything I Wanted)」の裏話を米The New York Timesのインタビューで明かした。

「夢を見た/望むすべてを手に入れた夢」という歌い出したから、「飛べると思った/だからゴールデン・ゲート・ブリッジから飛び降りた/誰も泣いたりしなかった/誰も気づきさえしなかった」という衝撃的な歌詞へと続く同曲は、ビリーが自殺する夢を見たことがきっかけで誕生した楽曲。

ビリーは以前英BBCのラジオ番組のインタビューで、同曲について「自殺する夢を見たのがきっかけでこの曲を書いたの。(夢の中では)私が自殺したことを誰も気にしてなかった。私の親友や仕事仲間が『はじめから彼女のことが好きじゃなかった』って言ってたの。ファンの子たちも全然気にしてなくて、ネット上で私が自殺したことについてけなしていた。だから、その夢を見た翌日は1日中混乱してた。そしてこの曲のサビを書いた」と語っていた。

画像: 兄として妹の幸せを願う

ビリーは16歳だった2018年に深刻な“うつ”の症状に悩み、自殺願望を抱くほど追い詰められたこともある。そんな彼女のことをつねに間近で見ていた兄のフィニアスは、この曲の構想を初めて聞いた時、ビリーのことが心底心配になったのと同時に、自分が悪い意味でビリーのことを手助けしているのではないかと感じたという。

「エヴリシング・アイ・ウォンテッド」の制作をすることは、「音楽的にアルコール依存症の人にビールをあげるようなものだ」と思ったフィニアスは首を縦に振らず、その結果、兄妹は大ゲンカになった。フィニアスから「君が自分で自分の命を奪う曲を作る手助けはできない」と言われたビリーは部屋に引きこもり、それからしばらくのあいだ冷戦状態が続いたそう。

ビリーによると、フィニアスは“救いのある最後”を望んでいたが、リアルを追求するビリーはそれに納得がいかず、一旦、この曲の制作を保留にすることに。その後、兄妹の異変に気づいた両親が2人のあいだに入り、2人は和解。何度も話し合いを重ね、最終的に兄妹愛をテーマにすることで落ち着いた。ビリーが見た夢の内容は残しつつ、「夢を見た/望むすべてを手に入れた夢/でも目が覚めると/君がそばにいてこう言ってくれる/僕がいるかぎり誰にも君を傷つけさせはしない」というフィニアスのビリーへの愛が感じられる歌詞が出てくる、“救い”の感じられる作品になっている。(フロントロウ編集部)

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