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今、60代以上のベテラン勢がショーに呼ばれる理由とは?

  • 2020.3.11
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ヴァネッサ・レッドグレイヴ(左)とジョエリー・リチャードソン(右) ROKSANDRA
ヴァネッサ・レッドグレイヴ(左)とジョエリー・リチャードソン(右) ROKSANDRA

今シーズンは60歳を超えるおしゃれなセレブリティたちが、フロントロウを賑わせた。もちろん、見出しを飾ったのは、人気のK-POPアイドルやインフルエンサーかもしれない。だが、今回のコレクションには数十年にわたって業界に君臨し続けている女性たちが、グッチ(GUCCI)ディオール(DIOR)バーバリー(BURBERRY)など、錚々たるブランドのゲストとして姿を現した。グッチ(GUCCI)では76歳のイタリア人モデル、ベネデッタ・バルツィーニが鮮烈な柄ミックスを披露し、日本の夏木マリがリカルド・ティッシの手によるバーバリー(BURBERRY)のレザートレンチコートを主役に会場に現れた。

夏木マリ BURBERRY
夏木マリ BURBERRY

これまでも、年齢を重ねるほどに輝きを放つ女性たちが常にファッション界で活躍してきた。だが近年は、10代や20代のニューフェイスを呼んでショーに注目を集めようとする業界の動きが加速し、コレクションのフロントロウはTikTokやインスタグラムで知名度を上げた、Z世代のインフルエンサーやセレブで占められるようになった。最前列から届けられる人気インフルエンサーのライブストリーミングを見るのもいいが、2020-21年秋冬コレクションでは、オンライン上の数字では価値を測れないような才能が改めて重要視されたのだ。長年、デザイナーの作品のファンであり続けている女性の支持には、一定の信頼性がある。フットワークの軽いインフルエンサーとは異なり、83歳で女優のヴァネッサ・レッドグレイヴは、服を気に入らない限り、ショーには現れないかもしれない。

ビアンカ・ジャガー DIOR
ビアンカ・ジャガー DIOR

さらに、実際にゲストたちがどのようにコレクションを着ているのかを見る楽しみもある。ビアンカ・ジャガーがマリア・グラツィア・キウリディオール(DIOR)をまとった姿は、スタイリストチームの成果ではなく、彼女自身のセンスの賜物なのだ。綿密なスタイリングによってファッションが作られている時代に、かつて見過ごされがちだったシンプルさは新鮮に感じられる。ニューヨーク、ロンドン、ミラノ、そしてパリの最前列を活気づかせた女性たちのファッションを見ると、真のスタイルを支えるのは個性と存在感なのだということがはっきり分かる。それは、どの年齢にも当てはまる貴重なレッスンようだ。実際、会場に現れたベテランのスタイルアイコンたちの装いを見てみよう。

女優シガニー・ウィーバーは、シックなカラーリングで、エイジレスな美しさを引き出した。

BOTTEGA VENETA
BOTTEGA VENETA

元祖スーパーモデルのベネデッタ・バルツィーニは、エキセントリックな柄ミックスを披露。

GUCCI
GUCCI

イタリア映画界の第一線で活躍する、監督のマリナ・チコーニャ。ハンサムスーツに柄シャツを合わせて、プレイフルに。

GUCCI
GUCCI

貴重な2ショット! デイビッド・ベッカムの母サンドラ・ジョージナと、ヴィクトリア・ベッカムの母ジャッキー・アダムズ。

VICTORIA BECKHAM
VICTORIA BECKHAM

ヴィヴィッドなイエロー&オレンジは纏うだけでエネルギッシュに。現役モデルのメイ・マスク。

SALLY LAPOINTE
SALLY LAPOINTE

モデルでアクティビストのベサーヌ・ハーディソンは、大胆なプリントドレスにビッグフレームサングラスを合わせて、グルーヴィーなムードを振りまいた。

GUCCI
GUCCI

カーディガンにホワイトドレスを合わせて、迫力のあるボヘミアンを完成させたのは、スペインのソーシャライト、ナティ・アブスカル。

ETRO
ETRO

Text: Janelle Okwodu Photos: Getty Images

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