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アスリートに多い? 靭帯損傷の治療に効果的な“RICE処置”とは

  • 2015.4.14
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【男性からのご相談】

最近スポーツ選手が靭帯損傷という記事をよく見かけます。自分は経験したことがないのですが、やはり大ケガなのでしょうか? そもそも靭帯についてよく知らないので、教えてください。

●A. 靭帯(じんたい)とは骨と骨とをつないで離れないようにしている、筋状の結合組織のことです。

ご相談ありがとうございます。理学療法士のOHSAWAです。

靭帯は皆さんの体にあるものですが、骨や筋肉に比べて知識が乏しいものですよね。今回は靭帯のことと、靭帯を損傷してしまった後の対処法などをご説明させていただききます。

●靭帯とは

靭帯とは骨と骨とをつないで離れないようにしている、筋状の結合組織のことです。薄くて硬い丈夫なゴムのようなもので、筋肉のように自由に伸び縮みする伸縮性はありません。関節を安定させるだけでなく、動きも制御する働きももっています。

●靭帯の損傷とはどういうことか

スポーツや事故などで強い負荷がかかったときに、靭帯の一部が傷つき裂けたり破けてしまったものです。

例えば、足首を捻ってしまい、痛みはあるものの明らかな損傷が見られない場合は、皆さん経験のある“捻挫”と診断されることが多くあります。一部のみの損傷であれば部分断裂と呼ばれることが多く、最近ではレンジャースのダルビッシュ投手が右肘の“内側側副靭帯の部分断裂”との報道がありました。

また、接触型のスポーツで起こりやすい膝の“前十字靭帯損傷”は、大相撲の遠藤関が先日受傷してしまいましたよね。靭帯は損傷の程度により、重症度が変わってくるようです。

では次に靭帯を損傷した後の治療法をご紹介していきます。

●靭帯損傷の治療

損傷の経度である捻挫であれば、即座にRICE処置を適切に行うことが重要です。RICEとはそれぞれの頭文字をとった治療方法とその順序を表しています。

【RICE処置】

R:rest(安静)……炎症を抑えるために患部を安静にします

I:ice(冷却)……氷嚢やアイスパッグなどで患部を冷やし炎症を抑えます

C:compression(圧迫)……腫れを防ぐために患部を圧迫します

E:elevation(拳上)……心臓より高く患部を拳上し、血流のうっ滞を防ぎます

中等度以上の靭帯損傷の治療は、症状の重さに応じて“手術”と、手術をしない“保存療法”に分かれます。損傷の程度が経度であったり、ケガからあまり時間が経っていない状態であれば、ギプスやサポーターなどで固定する保存療法を行い、安静にしていればほぼ治ります。

手術が必要になるのは靭帯が完全に切れた“靱帯断裂”、複数の靭帯が損傷したり、半月板などの周辺組織も損傷しているような“複合損傷”です。靭帯は完全に切れると自然に再生することはありません。よって手術は他の部位の腱を切り取って、切れた靭帯の代わりにする“靭帯再腱手術”が行われます。

再腱手術を行った後は長いリハビリが必要になるため、プロスポーツ選手や事故などにより複数の靱帯断裂がある場合や、合併症により保存療法では歩くのも難しいような人、などが対象となります。

ちなみにダルビッシュ投手の肘の靭帯は完全に切れたわけではありませんが、今後完全断裂してしまうリスクなどを考慮して“靭帯再腱手術”を選択したそうです。

しかし、靭帯が断裂しても、患部をしっかり固定しつつ周辺の筋肉を鍛えることで、日常生活や軽めのスポーツ程度なら問題なくできるようになるようですよ。

損傷の程度に関わらず、早めの対処は大切ですので、ぜひRICEは覚えておいて実践してみてくださいね。

【参考リンク】

・RICE処置 | びわこ成蹊スポーツ大学

●ライター/OHSAWA(理学療法士)

22歳で理学療法の資格を取得後、急性期病院や老人保健施設を経て、現在は都内の訪問リハビリで勤務している。従来の理学療法の治療観点を重要視しつつ、東洋医学や内臓へのアプローチにも興味をもち取り入れている。また、体軸理論により施術する自身のコンディションにも気を付けて日々研鑚している。

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