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左右の胸が違う!? 乳がんの1%にあたる「乳房Paget病」の基礎知識

  • 2015.4.14
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【ママからのご相談】

最近、お風呂あがりに左右の乳輪の大きさや乳頭の形が違うことに気づきました。ひょっとしたら何かの病気なのでしょうか?

●A. 『乳房Paget(パジェット)病』という乳がんの一種の可能性があります。早めの診察をおすすめします。

こんにちは、スチューデントドクターのひでくらてすです。ご相談ありがとうございます。

乳輪の大きさや乳頭の形の違いが起こる病気として“乳房Paget(パジェット)病”という乳がんの一種が知られています。

“乳房Paget病”は、19世紀にイギリスの医師Sir James Pagetにより報告された病気で、乳がんの内約1%を占めています。がんではありますが、予後は比較的良好な部類に入ると言われています。

●『乳房Paget病』の特徴4つ

“乳房Paget病”には以下のような特徴があります。

(1)中高年の女性に多く発症する

(2)乳頭や乳輪が赤く腫れ、びらんや湿疹のようになる

(3)病状が進行すると円状にいびつな乳輪の拡大がみられ、乳頭が変形、時には消失することもある

(4)乳房にしこりを触れないことが多い

●『乳房Paget病』の検査

“乳房Paget病”では病変部の皮膚生検を行い、顕微鏡でその組織を観察する細胞診が行われます。また、それ以外にマンモグラフィーや超音波検査、MRIなどの画像検査を行うことがあります。

●『乳房Paget病』の治療

“乳房Paget病”は乳がんの一種であり、治療は原則的に手術を行うことになります。検査により切除範囲を決定し、病気の進行具合や患者さんの希望によっては乳房や乳頭、乳輪の形成術を行うこともあります。

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“乳房Paget病”に限らず、婦人科疾患は病院に行くのをためらいがちで、その間に症状が進行してしまうことが度々みられます。

“乳房Paget病”も診断や治療が遅れると、“Pagetがん”と呼ばれ、より深いところに浸潤し予後不良となる場合があります。ご相談いただいたママも可能な限り早い段階で一度病院に行っていただくことをおすすめします。

【参考リンク】

・パージェット病 | がん情報サービス

●ライター/ひでくらてす(スチューデントドクター)

関東の某大学医学部在籍中。映像制作や広告などの社会人経験を経た後、突然「医者になる」と路線変更を宣言。同僚や家族を驚かせる。現在は大学病院で実習中。

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