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『伊藤家の晩酌』~第十夜1本目/するする飲めておいしさ際立つ「二兎 純米吟醸 雄町55」~

  • 2020.3.9
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弱冠22歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入! 酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは? 第十夜は、2月に二十歳を迎え、お酒解禁となった妹・ひびきへ、オススメの日本酒を3本ご紹介。まずは、「おいしい!」が連発した飲みやすい1本から。
(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)

第十夜1本目は、飲みやすさ抜群で誰もが好きになる「二兎 純米吟醸 雄町55」から。

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愛知県岡崎市にある「丸石醸造」の人気銘柄「二兎」。コンセプトはその名の通り、“二兎追うものしか二兎を得ず”。味も香りも酸も甘みもキレの良さも、すべてのバランスが抜群にいい「二兎 純米吟醸 雄町55」。
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720ml 1823円(税別・ひいな購入時価格)/丸石醸造株式会社

姉・ひいな(以下、ひいな)「今回は愛知県岡崎市の『二兎』です!」
父・徹也(以下、テツヤ)「いい名前だね」
ひいな「“二兎追うものしか二兎を得ず”なんだって」
テツヤ「確かに。確かにね。欲張りに行けってことだな。追わなかったら一兎のままだからね」

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テツヤからひいなへ注いで…
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ではでは、一緒に…乾杯!
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クイッと一口。あぁ〜。

ひいな「あぁ、おいしい」
テツヤ「こりゃ、いいや。1本目に飲むにはこれいいね」
ひいな「でしょ?」
テツヤ「純米吟醸ですか?」
ひいな「純米吟醸です! 正解! よくわかったね!」
テツヤ「それぐらいわかりますよ〜」
……
ひいな「あれ?」
テツヤ「頭だけ出てきたぞ」

おだんご頭がかわいい、妹・ひびきが初登場!

ひいな「飲みたくなっちゃったの?」
テツヤ「来ちゃったの?」
ひびき「うん。もう20歳になったから」
ひいな「ひびき、成人おめでとう!」
テツヤ「20歳の誕生日を迎えたばっかりのひびきです!」
ひびき「ひいなの妹のひびきです! よろしくお願いします!」

ひいな「今日は、日本酒デビューだね!」
テツヤ「緊張してる?」
ひびき「え? 緊張するものなの?」
テツヤ「しないか(笑)。家だしな」
ひいな「日本酒を初めて飲むひびきに、飲ませたい3本を選びました!父からひびきへ注いであげてよ」

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次は、テツヤからひびきへ注いで…
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父のほうが緊張してる…!?

テツヤ「なんか、結婚式の予行演習みたいだな(笑)。じゃ、ひびきにも注いでもらおうかな〜」

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娘2人と一緒に飲める日が来るなんて…顔がほころぶ父テツヤ。
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さぁ、どうぞ〜

ひびき「はい、どうぞ〜」
テツヤ「ありがとう〜。大きくなったの〜」
テツヤ&ひいな「ひびき、20歳おめでとう!」

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3人で乾杯〜!

ひびき「ありがとう〜!」
ひいな「ひびきの反応が気になる!」
ひびき「そんなに見ないで!」
ひいな「どう?」
テツヤ「どう?」
ひびき「…お酒じゃないみたい」
ひいな「おぉ、なるほど」
ひびき「水に味がついてるみたい」
ひいな「新しい表現だね」
ひびき「甘くてデザートみたい」

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3人おそろいのおちょこ…一番大きい大きいのは、もちろん父専用。

ひいな「うんうん、おいしいよね。この『二兎』ってお酒はね、20歳の時に知ってたんだけど、その時はなかなか手に入らなくて飲めなかったの。取り扱ってる店舗がなかったり、貴重だから飲食店にもあんまり置かれてなくて。そしたらひびきに飲ませたいお酒を考えてた時にちょうど『二兎』に巡り会えて。20歳で『二兎』が飲めるなんて贅沢だなと思って選んでみたよ」
テツヤ「日本酒デビューのお酒が『二兎』だなんて、贅沢なんだな」
ひいな「私が最初に飲んだお酒は『仙禽』だったんだけど、『二兎』っていういいお酒からスタートできるのも、なかなかうらやましいなと思って。姉から妹へ、愛情を込めて選びました!」
ひびき「ありがとう」

ひいな「最初の印象ってすごく大事だから。いろいろ迷ったんだけど、純米大吟醸なんだけど、雄町を使ってるからちゃんと米感もある感じのお酒にしてみたよ」
テツヤ「ひびき、聞いてる? 大丈夫?」
ひびき「聞いてたよ(笑)」
テツヤ「ま、難しいことはいいとして。俺はさ、最初の印象が悪かったから、それをずっと引きずってたんだよな。日本酒は悪酔いするって。それで20年間も日本酒から遠ざかってたんだから。宴会で悪い酔いするたびに妻と喧嘩して。毎回絡んで…」
ひいな「聞きたくない〜」
ひびき「知りたくない〜」
テツヤ「そういう意味では、ひびきは幸せですよ! 20年以上飲めなかったんだもんな、こんなおいしいお酒」
ひいな「おいしいね」
ひびき「うん、おいしい」

「二兎 純米吟醸 雄町55」に合わせるおつまみは「菜の花の味噌マヨ和え」

ひいな「この『二兎』は二子玉川になる〈はせがわ酒店〉で買ったんだけど、朝10時から角打ちができるの。そこで朝から飲んでた時、この『二兎』とちりめん山椒と合わせた時にすごく合ってて。だから、ゆでた菜の花に、自家製の味噌とマヨネーズ、そこに山椒の粉末をまぜたもので和えてみたよ。さっき、ライターさんが持ってきてくれた実山椒の佃煮も上にのせちゃいました。(ライター注:津乃吉の「実山椒佃煮」はこちらでも紹介しています!)
テツヤ「ひびき、マリアージュしてみたら?」

ひびき「一緒に食べて飲むってこと?」
テツヤ「そう!」
ひびき「食べてから飲む? 飲んでから食べる?」
ひいな「どっちでも美味しいと思うんだけど、う〜ん、食べてから飲んでみようか」
ひびき「はい」
テツヤ「素直だな(笑)」
ひいな「おちょこを持って、一口食べて」
ひびき「なんか、味が変わった!」
ひいな「日本酒の?」
ひびき「うん、濃くなった」
テツヤ「ほんと? 俺もやってみよ。一緒に食べたの?」
ひびき「飲み込んでから、お酒を飲んでみたよ」
テツヤ「あぁ、うまいね。山椒の残り香とすごく合う!」
ひいな「山椒好きだからね」
テツヤ「もう、うなぎでいいんじゃないかって話したよね(笑)」

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おいしくて、妹・ひびきがおかわり!

ひびき「おかわり!」
テツヤ「いいよ、いいよ」
ひいな「うれしいな」
テツヤ「それにしても、この味噌マヨ、うまいな」
ひいな「おいしいでしょ?バイト先で教えてもらったレシピなの」
テツヤ「このお酒、なんかほんのり苦味も感じるあるね」
ひいな「うん、少し苦味があるかも」
テツヤ「だから、菜の花の苦味とも合うのかも」

初めて日本酒を飲む妹に、酔わない飲み方をレクチャーする姉。だが…!?

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おいしそうに飲み干す父を心配そうに見つめるひびき。

ひいな「ひびきは家で日本酒飲まないじゃない?」
テツヤ「うん。成人したのにね。今日が初めてだもんな」
ひいな「外ではもう飲んでるらしいよ」
ひびき「だって飲もうって誘われたら飲むじゃん!」
ひいな「今回、ひびきに日本酒を3種類紹介するから『どんなお酒がいい?』って聞いたら、『私、炭酸が飲めないから微発泡じゃないやつで、純米吟醸か純米大吟醸がいい』て言われたの」
テツヤ「おまえ、めちゃくちゃ飲んでるんじゃん! そんなに飲んでるのか…?」
ひびき「そんなに飲んでないよ(笑)。誘われたらちょっと」
ひいな「彼氏が25歳だからな」
テツヤ「すごい好青年だもんな」
ひいな「父、母、ひびきと遠くにいるひびきの彼氏と4人でオンライン麻雀とかやってるぐらいだもんね」
テツヤ「そう(笑)。ひかるさんに負けるとくやしいんだよな」
ひびき「きっとここで飲みたいぐらいだと思うよ(笑)」
ひいな「日本酒ってどんなイメージあった?」
ひびき「う〜ん。ひいなが飲んでるイメージしかない。
ひいな「そっか(笑)」
テツヤ「あんなにおいしそうに飲んでるんだから、おいしんじゃないか?ってね」
ひびき「うん。きっとおいしいんだろうなって思ってたし、おいしいと思う」

ひいな「ありがとう。うれしいな。ひびきにもうひとつ教えてあげるね。お酒を飲む時は、お水と1対1で飲むこと。そうすると、次の日に大変なことにならないんだよ」
テツヤ「お酒を楽しむには必要な知恵だな。飲み方は大事」
ひいな「あと、体調が悪い時はほどほどにすること」
テツヤ「それがな〜、なかなかできないんだよな〜」
ひいな「これ、ダメな例ね(笑)。って、私もまだなかなかできないんだけどね」
ひびき「うん、わかった。気をつけるね」

次回:3月16 日(日)更新予定

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娘が姉妹で日本酒を楽しむ日が来るとは…テツヤ感無量!

【ひいなのつぶやき】
「二兎」というバランスの整ったお酒を飲むと幸せを感じます。これからも家族で楽しみます!
ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中

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