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学会で発表!卵子凍結でその後に妊娠できる確率は「18%」

  • 2020.3.5
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21世紀を生きるわたしたちにとって、仕事、結婚、出産など、ライフスタイルに対する考え方が多様化しているのは喜ばしいこと。

イギリス国家統計局のデータによると、イングランドおよびウェールズの初産の平均年齢は28.9歳であり、この年齢は上昇を続けているそう。またコスモポリタン イギリス版によると、女性の出産年齢が上昇しているこの時代、卵子凍結の需要も上がっているのだとか。

女性は生まれたとき、卵子のもととなる原始卵胞を蓄えており、成長するにつれこの数が次第に減少していくのだそう。そして、年齢とともに生殖能力は低下し、37歳までに卵子の90%が消滅。40歳前後では自然妊娠の可能性は約5%(ひと月ごと)にまで減少するんだそう。

卵子の冷凍保存をすることで将来の体外受精(IVF)が可能となるものの、新しい研究によると冷凍した卵子が体外受精で機能する(=妊娠する)確率は、あまり高くないということが明らかに。

今回新たに研究結果を発表したのは、イギリス・ニューカッスルにある不妊治療専門院「Newcastle Fertility Centre」の科学者たち。

2020年1月にスコットランド・エジンバラで開催された学術集会で彼らが明かしたのは、凍結卵子を使用した患者による新生児誕生率が「18%」であるということ。この数値は過去15年間にわたる「HFEA=Human Fertilisation and Embryology Authority(ヒト受精・発生学委員会)」のデータを分析し、結論付けられたものなのだそう。

この結果は、「卵子を凍結・使用すると、1/5の確率で出産することが可能になる」という見方ができる一方で、「British Fertility Society(英国不妊学会)」は「卵子凍結をしても『将来の出産が保証されるわけではない』ことを知っておくべき」と警告しています。

先の学術集会でも発表を行った、不妊治療専門クリニック「Leeds Fertility」のマリアノ・マスカレンハス医師は「より若いうちに卵子を凍結すれば、成功の確率が上昇する可能性はあります」とコメント。

「しかし(まだ情報がないため)卵子凍結時の年齢や、いつ、どの卵子を凍結保存したかによる違いはわかっていません」

加えて、興味深い数値も。ドナーが提供した凍結卵子を使用した場合の出産確率は31%であることも判明。「若くて健康、不妊の問題がない女性の凍結卵子を使用する場合、成功率が高くなるのです」とマスカレンハス医師。

このような専門家の見解が「卵子凍結に対する抑止力」になるべきではないものの、科学の力によって確実に妊娠できるわけではないことを示唆する面も。

また、万が一に備えて「卵子凍結をした方がいいのでは?」と思う人が増えると、日本でも卵子凍結には高額な費用がかかるため、社会的なプレッシャーになる可能性が。凍結しても妊娠・出産が保証されるものではないことを、事実として認識しておくべき。

いつか出産したいと考える人が「パートナーや父親候補探しを必要以上に焦る必要がなくなる」という利点に加え、リスクも良く知った上で「卵子凍結」への決断をすることが大切です。

※この翻訳は、抄訳です。

Translation: 宮田華子

COSMOPOLITAN UK

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