1. トップ
  2. ファッション
  3. BALENCIAGAのショーに、異常気象を彷彿とさせる水面が出現。【2020-21AW パリコレ速報】

BALENCIAGAのショーに、異常気象を彷彿とさせる水面が出現。【2020-21AW パリコレ速報】

  • 2020.3.5
  • 759 views
undefined

バレンシアガ(BALENCIAGA)の会場では、最初三列目の座席までが水に浸かり、天井全体に火、稲妻、渦巻く海の映像が流れ、モデルたちは水面のランウェイを歩いている。異常気象が起こすこの世の終わりを想起させ、恐怖を抱かせる演出である。

アーティスティック・ディレクター、デムナ・ヴァザリアは、今季をこれまでで最も「ブラックなショー」と述べる。ヴァザリアが得意とする、世界の現状や社会的観察から生まれるクリエイションは、今回も発揮された。自身の出身地であるジョージアの正教会とクリストバル・バレンシアガの出身地であるスペインのカトリックを着想源に、モデルは司祭のような長くて黒いローブやコートをまとっていた。ヴァザリアは、幼少期から目にしていた正教会の司祭や修道士のまとう衣服に、強く魅せられていたという。その祭服や法服の持つ厳格さはカジュアルウェアへと再解釈され、ハードコアの美学やフェティッシュなディテールによって再編成されていた。

undefined
undefined
undefined
undefined
undefined
undefined

シルエットは既成概念を破り、ガーメントと着用者の間の空間を強調したビッグなフォルム、異常に尖ったショルダーが目に留まる。続いて、水から身を守るネオプレンスーツやレザーのセットアップが登場し、まるでスーパーヒーローとダークヒーローが競演しているかのようだ。足もとにも機能性を重視し、ビブラム(VIBRAM)とコラボしたシューズを製作。ラストルックでは、煌びやかなガウンがランウェイに光をもたらし、ショーは終幕した。

undefined
undefined

また、ブランドのアイコンバッグ「Classic Balenciaga」の誕生20周年を記念して、新世代のファンために再解釈された「Neo Classic」が初披露された。

バレンシアガのアーカイブと社会情勢のリサーチに時間を費やしたことを物語る今季のコレクション。今年7月のパリで、メゾンの原点といえるオートクチュールコレクションが52年ぶりに再開されるが、準備に余念のないヴァザリアに期待したい。

Photos: Gorunway.com Text: Maki Saijo

元記事で読む
の記事をもっとみる