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【専門家監修】モラハラ夫と離婚すべき?関係を続けると決めた妻がとるべき行動【離婚できない妻のモラハラ対処法 Vol.3】

  • 2020.2.28
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言葉や態度で相手に精神的なダメージを与える「モラルハラスメント」(略してモラハラ)。暴力とは違い心の傷は目に見えにくいことから、「うちの夫、モラハラかも?」と思っても、その被害を口に出せない人もいるのではないでしょうか。

最終回は、「モラハラによって起こる2次被害」、「モラハラ夫とは離婚するべきか」、そして「攻撃がおさまったあと、離婚せずに自分の人生を生きる方法」について、Joeさんのお話をうかがっていきます。

「あなたの夫はモラハラ体質?その特徴や原因とは」
「夫のモラハラスイッチを入れない3つの方法。される側の原因は!?」の続きです。

■「誰もわかってもらえない」モラハラの2次被害



モラハラの被害者は、勇気を振り絞って親や友人に相談しても、「女は我慢するもの」と言われたり、「そんな態度をされるのは自分が悪いからでは?」と心ない言葉を返されがちだと言います。

というのも、モラハラ夫の大半が外面の良いタイプで、周りの人に「まさかあんな良い人がモラハラをするわけがない」と思わせるのがうまいのだとか。結果、被害者は「誰にもわかってもらえない」ことで2次被害に陥ることも…。

Joeさんは、「まずはモラハラという言葉にとらわれず、今もし相手との関係がつらいならば状況を変えることを考えてほしい」と言います。

もし、周囲の人にわかってもらえなければ、公的機関で必死に訴えるのもひとつの方法だとか。被害者になる人にはこういうことが苦手な人が多く、「こんなこと言ってもいいのだろうか?」と、どうしても控えめになってしまうといいます。だからこそ、必死に伝えることで、相手に「何かあるんじゃないか」と思わせることがポイントだそう。

誰かに「自分がつらい」と伝えることは、状況を変える一歩につながるはず。あきらめずに、必死に伝えること。わかってくれる人がひとりでもできれば、前向きに立ち向かう力が出てくるのではないでしょうか。

■モラハラ夫と別れる? 別れない?



もし、夫にモラハラを受けたら離婚したほうが良いのでしょうか。それともしないほうが良い? モラハラ夫を相手に手続きするのは、一筋縄ではいかないとは思いますが…。Joeさんにこの質問を投げかけると、こんな答えが返ってきました。

「どちらでもよいと思っています。重要なのは、どちらにしても本人が状況を客観的に見て理解し、納得できているということ」。

これまで数多くのモラハラ被害者から話を聞いてきたJoeさん。夫からモラハラを受け続けても“離婚しない”妻には、さまざまな理由があったといいます。

「離婚しないことを選ぶ人は、育てるべき子どもがいる、簡単に離婚してもらえないからトライする方が骨が折れる…などの理由があります。なかでもお金の心配をする人が多いです。

実際に、ひとりで子どもを育てていくのが困難な社会であることも事実です。あるいは単に、離婚してしまうと世間体が悪いと考える人もいます」(Joeさん)。

モラハラ被害者に限ったことではなく、シングルマザーが日本の社会を生きていくのはとても厳しいといわれています。金銭的な問題だけでなく、子どもを育てるためには人手も必要になります。

仕事中の子どもの預け先は? 自分が体調を崩したときは? 子どもが体調不良のときは仕事を休める? こういった不安を持つ人は、モラハラされても夫と一緒に暮らすことを選ぶ場合が多いとJoeさんはいいます。



■本当の人生は、攻撃が終わってから始まる

さて、「Joeメソッド」を遂行し相手の攻撃が終わった場合、もうモラハラの心配はなくなるのでしょうか。

「即座にテンションを戻してはいけない」とJoe先生は警告します。「基本的にモラハラをする人は、モラハラできる状況であればします。攻撃されないためには、“その人が攻撃したくならないキャラ”として存在し続ける必要があります」。

また、多くのカウンセリングを行ってきたJoeさんによると、「攻撃のターゲットになる人には、ひとつの場所や人に依存する傾向がある」と言います。攻撃をなくすために始めたメソッドなのに、いざ相手と距離が離れていくと寂しく感じてしまうのだとか。

そこで、Joeさんが勧めるのが、夫には内緒でほかに夢中になれるものやよりどころを見つけること。趣味でも仕事でもいい、それが見つかれば人生の目的や生きがいになると言います。そして、モラハラ夫とある程度の距離感を保つ具体的なポイントとして、以下を挙げてくれました。

<モラハラ夫と距離感を保つポイント>
・趣味や友達を、夫と共有しない
・予定を報告しない
・夫はひとつ家にいる同居人と考える
・単独者として生きる意識を持つこと
・自分の趣味。自分だけのアジトを持つ



Joeさんは「本当の人生は、攻撃が終わってから始まる」と言います。ここがスタートラインであり、本当に大事なのはその先の人生をどう生きるか。

幸せは夫や他人が運んでくれるものではなく、自分でつかむもの。モラハラ夫がいたって、状況を変えることさえできれば、自分の望む幸せをつかむことができるのです。

■状況は自分でいつでも変えられる

最後にJoeさんに「このJoeメソッドを作ったときに心掛けたこと」を聞いてみると、「その人の余計な先入観や感情をどかして、客観的に状況を見てもらうこと」との答えが返ってきました。

モラハラを受けている人の大半は、「夫はそんな人じゃない」とか「自分のせいなんだ」と思ってしまうのだと言います。だからこそ我慢してしまうし、努力して愛してもらおう、認めてもらおうと、自分をすり減らしてしまう。

「そんな自分を、本人が客観的に判断できていて、納得していればいいんです。でも、状況を捉え違えて損をしていたり、気付かずに搾取されていたり…。それは悔しいんですよね。

だから、『あなたの感情抜きで、こういうことになっていますよ』と状況を伝えてあげたい。僕のスタンスはそこだと思っているんです。共感して“大丈夫だよ”というカウンセラーもいます。もちろんそういったカウンセラーも大事だと思うけれど、僕の役割ではないと思っています」

もし今、「夫はモラハラかも…」と感じているならば、客観的な目で、自分たち夫婦のやり取りを振り返ってみてはいかがでしょうか?

モラハラだとあえて決める必要はありません。生命などの危機がなければ、すぐに行動を開始しなくてもいいかもしれません。でも、つらくなったらいつでも自分の手で状況は変えられる。

それを知っただけでも、心が軽くなったのは筆者だけでしょうか? 夫との関係につらい思いを抱いている人たちが、そんなお守りのようなこのメソッドに出会えますように。

■今回お話をうかがったJoeさんの著書
『離れたくても離れられないあの人からの「攻撃」がなくなる本』


(Joe/SBクリエイティブ ¥1,430(税込))
モラルハラスメントを受け苦しんでいるけれど、“離れられない”または“離婚できない”人に向けて、自分の平和を取り戻すメソッドを紹介。シチュエーションに合わせた表情やしゃべり方、心の持ち方まで、具体的ですぐ実行できるメソッドが並ぶ。
Joe(ジョー)さん
モラハラ対策カウンセラー。1976年、典型的なモラルハラスメントの関係にある家庭に生まれる。自身の経験から、モラハラをする人、被害を受ける人の心理を学び、モラハラで苦しむ人にアドバイスを始める。現在は、ブログや講演会などでメソッドを伝えている。
ブログ:離れられない『モラハラ』『身近な人からの攻撃』対処の超裏技!
》「離婚できない妻のモラハラ対処法」連載
「VOL.1」から読む≫
あなたの夫はモラハラ体質?その特徴や原因とは

https://woman.excite.co.jp/article/lifestyle/rid_E1579012000228/


前回「Vol.2」の記事≫
夫のモラハラスイッチを入れない3つの方法。される側の原因は!?

https://woman.excite.co.jp/article/lifestyle/rid_E1579014703228//




》「モラハラ夫図鑑」連載
優しかった夫…怒りスイッチは突然に/まさしの場合

https://woman.excite.co.jp/article/child/rid_E1575616098178/


人前で私にダメ出しする夫…横暴な態度に呆然/けいすけの場合

https://woman.excite.co.jp/article/child/rid_E1580111217178/

(古口春菜)

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