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住宅ローンを滞納したらどうなる?その後の正しい対処法をFPが解説

  • 2020.2.27
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今回は少しネガティブな記事になります。住宅を購入したけれど、支払いが滞ってしまった場合どうなるのかという事について解説していきます。延滞利息を支払えば済むんじゃないの?とお考えの方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、現実はそうではありません。

具体的にどんな事が起こるのか、どうして滞ってしまうのか等事例を交え解説しますので、リスク管理の一環としてお読み頂ければと思います。

返済が滞ってしまった!その後どうなる?

早速ですが、住宅を購入後返済が出来なくなってしまったその後の解説から進めていきます。住宅はご存知の様に人生で一番高額なお買い物であり、長い期間ローンを支払っていく唯一の商品です。

人生の3分の1はローン返済する事になりますが、いくら低金利で借りたとしても、1,000万円以上の借入をしている方は多く、物件によっては億を超えるものだってあります。では支払いが困難になったところから時系列で解説しますね。

銀行から支払いに関する連絡が来る

まず、住宅ローンの引落等が出来なかった場合、借りている方から何の連絡も無ければ、銀行から返済に関する連絡が来ることになります。この場合電話連絡なのか、書面での通知なのか手段は各銀行によって様々ですが、必ず連絡・通知が来ることになります。

最初は引落日を失念していたのかな?と考える事もありますので、そこまで強めに言ってくる事はありません。しかし、この連絡や通知にはある理由があります。

連絡、通知をする理由とは

銀行から支払いに関しての連絡や通知があった場合、ただ支払いを促すだけのものではありません。これには理由があり、記録を残す為でもあります。

例えば支払いに関して全く無視をする借主がいたとします(あまり考えられませんが・・・)。引落に関して、聞いていた話と違うとか、連絡を貰ってないなど言い訳を並べるかもしれません。

そこで、しっかりと記録を残す事によって、「いついつに誰誰が〇〇様にお電話差し上げました」とか「お申込み頂きました書類に記載のご住所にいついつお支払いに関するお手紙を送っています」と言える訳ですね。

さすがに口約束でお金の貸し借りをしている訳ではありません。ちゃんと金銭消費貸借契約という「契約」に基づいてお金の貸し借りをしていますので、まず言い訳は通用しないと思って下さい。

何カ月も滞納が続くと・・・

返済スタートから最初の月に忘れていましたという事で話は進んでいますが、何カ月も返済が無かったとします。こうなってくると銀行も本腰を入れて債権の回収に動き出しまが、返済が滞って3カ月位で督促状や催告書の通知が届きます。この通知の違いを解説しておきますね。

督促状とは、「支払いが出来ていませんので〇月〇日までにお支払い下さい」という内容の通知になります。言い方や文章はややソフトなものです。

催告書とは督促状とは異なり、強めな言葉になり、「〇月〇日までにお支払い頂けない場合には法的措置等を検討します」という内容になります。

この様な通知が届いたにも関わらず、支払いが出来ない、支払いをしないとします。次に起きるアクションは保証会社になります。

保証会社の役割

住宅ローンを申し込む際に保証料を取られます。これは住宅ローンの返済が滞った時に、返済を保証会社が行いますという事の料金になります。

保証会社があるから安心だ!というのは早計で、返済の義務が無くなる事はありません。というのも、滞った場合の返済は保証会社が一括で銀行に支払いをしまので、対銀行には債務(返済義務)は無くなることになります。

しかし、保証会社が代りに支払ってくれていますので、次の支払い先は保証会社へ返済をしなければならなくなります。これを代位弁済と言います。

代位弁済とは債務者(借入をしている本人)に代わって保証会社や第三者が支払う事を言います。代位弁済が発生した際には、信用情報に異動事故が残る事もありますので、以後の借入に影響を及ぼす事もあります。

代りに支払ってもらった事で、債権が保証会社へ移る事になる訳です。保証会社は言い換えると債権回収のプロです。確かにローン返済が滞った際のセーフティネットではありますが、保証会社に移る事で更に支払いは厳しくなっていく事になります。

保証会社に債権が移った際に気を付ける事は?

保証会社へ債権が移るという事は、本来借りた銀行への住宅ローンが完済したという事になります。この時に「団信」が消滅する事になります。

団信とは、借入期間中に借主が万が一亡くなった場合に、保険金で住宅ローンを一括返済できる住宅ローン専用の生命保険の事です。最近では働けなくなった際に団信が機能するものもあり保証範囲が充実してきています。

団信がなくなり、保証会社へ債務が残る事になりますので、タイミング悪く万が一が起きてしまうと、残されたご遺族は大変な目に合う事になります。くれぐれも借入れた時の条件そのままで引き継がれている事はないと憶えておいて下さい。

保証会社への支払いはどうなるの?

保証会社へ債権が移行した後の支払いに関しては通常の分割返済となりますが、銀行と違って、返済が1日でも遅れる場合は一括返済を求められる事になります。通常金銭消費貸借契約には「期限の利益」というものが存在します。

期限の利益とは毎月の支払い日を設定してある契約で「分割で支払えますよ」という、借主側の利益です。しかし、返済が遅れると期限の利益を喪失する事になり、分割で認められていた返済を一括でしなければならなくなります。

この期限の利益を喪失する事になる為、一括返済を強いられる事になります。残高が高額であればあるほど、返済は困難を極める事になります。

一括返済が出来なければどうなるの?

一括で返済が不可能な場合は住宅が「競売」にかけられる事になります。たまに競売物件などで市場に出る物件がそうですね。競売は最低価格で販売される事になり、保証会社としては売ってでも債権を回収したいのです。

なので、販売価格と同額で出しても買い手が付く事は少ない為、販売価格の50%から70%くらいの値段で売却されます。こうなると家に住めなくなりますし、ご近所にも知れ渡る事になります。

競売される時のデメリット

競売に関して、メリットはありません。本来なら住むべき家を強制的に売却される事になりますので。デメリットとしては、競売にかけられ売却できたとしても、ローン残債が残る可能性があります。つまり、家に住めない上にローンが残るといった事が起きてしまいます。

滞納回数は関係ない。返済が困難なら相談しよう

この様に返済が滞ってしまうと、良い事は一つもありませんし、かなり厳しい状況下に置かれる事になります。もしも返済が遅れたり、困難な場合にはまず銀行に相談するべきでしょう。

返済が滞る理由は?

ここでは返済が滞ってしまう代表的な理由を解説します。ご覧になっている皆さんも先々でこうなるかもしれません。是非目を通しておいて下さい。

収入状況の悪化

返済が出来なくなる原因は1つ。収入状況が悪化する事以外にありません。どんな場合に悪化するのかと言いますと、病気になって仕事が出来なくなった場合が挙げられます。

病気と言っても、治療が長引くものもあれば、直ぐに社会復帰できる病気もあり、程度や疾患は選ぶ事はできません。気づいた時には進行していた!という事もありますので、健康には十分気を付けたいですね。

しかし、加入している団信でがんに罹患したとか脳卒中で倒れた場合に保証されるものもありますので、健康が気になる方は手厚な団信に加入しておきましょう。

他に悪化する要因として、転職や親の介護といった環境の変化が挙げられます。ローン返済中に転職した場合、同じ給料で雇用されるかは分かりませんし、会社そのものが続くとも限りません。

また親御さんの介護が絡むと金銭的な負担や仕事の時間が削られる事もあるでしょう。この様にご自身をとりまく環境に変化があると、収入が悪化する事だってあり得ます。堅実に貯金や保険でリスクを軽減できる対策を取っておきましょう。

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返済が滞る前の対処は何かある?

実際に事が起きてからの対処はあまり選択肢が絞られますので、事が起きる前の対処法として解説しておきます。

任意売却を検討する

先程の競売と違い、任意で住宅を売却する方法です。競売は売却価格が低くなりますので、ローンが残る事もあります。残る金額を考えるなら、少額が良いに決まっていますよね。

そこで、任意に売却し高値で売却できれば残債も少なく済みます。この任意売却は住宅を手放す事になりますので、慎重に検討して下さい。

個人再生を行う

個人再生とは、法的に借金を減額し再生を図る事を言います。しかしデメリットとして、手続き後数年間(7年以上はかかります)はローンやクレジットカードの作成が出来なくなります。破産宣告と違って住宅ローンを抱えている方はこの個人再生であれば住宅を手放さずに済みます。

リースバックという手段と居住できる期間

リースバックという言葉を聞いた事はありますか?簡単に解説すると、住んでいる家を売却しますが、代わりに毎月家賃を支払って今の家に住み続ける方法になります。こうする事によって家を手放さず、引っ越しもせず、契約内容にさえ問題がなければずっと住み続ける事は可能になります。

また将来的に、買い戻す為の資金が貯まったら、改めて買い戻す事も可能です。但し、売却額と残債の関係で残債が残る場合はリースバック出来ない事が多いので、注意して下さい。

住宅ローン支払いの滞納に関するまとめ

今回は住宅ローンの支払いが滞った時の解説でした。本来は家族が楽しく笑顔で過ごせる家でありたいのですが、様々な理由で支払いが難しくなる事もあるでしょう。まずは銀行に相談を早い段階で入れる事は必須です。事が大きくなる前に相談しましょう。

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