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SAINT LAURENTが打ち出すマニッシュとセンシュアリティの共存。【2020-21AW パリコレ速報】

  • 2020.2.27
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アンソニー・ヴァカレロが用意したのは今回ももちろん、パリのシンボルであるエッフェル塔が佇む一夜限りのスペシャルな会場。巨大な「YSL」ロゴが浮かび上がるランウェイはシンプルな印象だが、ショーが始まると、次々と登場するモデルをスポットライトが追った。光と影の演出はパリの姿を一層美しいものにしたのだった。

オープニングルックが彼のヴィジョンを明確に表現していた。レッドタータンのダブルブレストブレザーにボウタイが揺れるブラウス、そしてラテックスのタイトなブラックパンツ。マニッシュとセンシュアルを備えたブルジョワの気品が漂う女性だ。ジャケットとラテックスパンツ、そしてヒールの組み合わせはその後も続いた。

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完璧なテイラードジャケットやコートはスクエアショルダーでマスキュリンな仕上がりだが、フェティッシュなレースの下着やシアー素材のブラウスの上に羽織ることで一気に女性らしく。90年代のコレクションから着想を得たというヴァカレロ。ピンク、パープル、ブルーといったカラーコンビネーションや、ドレープを効かせたフロント部分やボディラインを強調したカクテル、特にワインレッドのベルベットワンピースはムッシュ・サンローランが作り出したクラシックな80~90年代のコレクションを思い起こす。

さらにゴールドのチェーンネックレスやジェットイヤリングといったアクセサリーでもレトロなエッセンスを加え、雰囲気を一層強いものに。そこにラテックスのレギンスにドレス、ペンシルスカート、ニーハイブーツを組み合わせることによってハイコントラストを生んでいく。ラストに登場したオールブラックのラテックスドレスに至るまで一貫した女性像を貫き、イヴ・サンローランらしくもありアンソニー・ヴァカレロらしいュールックのオンパレードだった。

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ヴァカレロはサンローラン(SAINT LAURENT)のクリエイティブ・ディレクターに就任して以来、ファッションを通じて女性の権利を主張してきたデザイナーの1人。彼は自身が描くYSLウーマンについて「自分たちのしたいようにする、自由を手にしたパワーのある女性たち」なのだと主張する。それぞれが持つボディやセンシュアリティ、またはどのような表現方法であれ、女性のファッションは世代や国をつなぐ。そんな強い可能性を感じさせるショーだった。

Photos: Gorunway.com Text: Aya Tsuchii

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