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第23話:ホンモノのアメリカ人 / コビーの話 連載【誰かの話】

  • 2020.2.21
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第23話:ホンモノのアメリカ人 / コビーの話 連載【誰かの話】
出典 FUDGE.jp

外山夏緒さんの物語の連載【誰かの話】23話めは、「コビーがアメリカ人になった時」のお話です。

 

 

23. ホンモノのアメリカ人

 

第23話:ホンモノのアメリカ人 / コビーの話 連載【誰かの話】
出典 FUDGE.jp

 

新宿を歩いていると、

アメリカ人の友だちのコビーを見かけた。

 

英会話スクールの講師をしているコビーは

通りすがりのサラリーマンやOLに、

チラシを配りながらスクールの勧誘をしている。

 

そういえばコビーは最近悩んでいた。

 

アメリカ人なのに、コビーはとても日本人らしい気質で、

だからこそ日本に留学しに来たわけだが、

あまりにも日本人的な気質が強すぎるため、

英会話スクールに来た生徒さんから、

「英会話を習っている気分がしない」って言われたんだって。

 

コビーは真面目だからさ、

そう言われたら、何か答えられることはないかと

いろいろ模索した挙句、

 

鈍臭いのに、

移動には常にスケートボードを利用するようにして、

うどんが好きなのに、

お昼はハンバーガーを食べるようにしてるらしい。

 

奥ゆかしい性格なのに、

常にガムをくちゃくちゃ噛むようにして、

日課にしていた禅を組む朝の時間を

バスケットの練習にあてはじめたらしい。

 

先日は、

茶色の髪を金髪に染め、

茶色の瞳に青いカラコンを入れていた。

 

いまも道ゆく人に対して

映画の中に出てくる革命家のように、

堂々と流暢にスクールの勧誘をしていて

まるで別人みたい。

 

そのようにして、アメリカ人のコビーは

ここ新宿でついに「ホンモノのアメリカ人」になった。

 

新宿に立つコビーの、

青い瞳に冬の平たい青空が映っている。

 

第23話:ホンモノのアメリカ人 / コビーの話 連載【誰かの話】
出典 FUDGE.jp

 

 

絵をはじめ、詩や物語の制作、それらで展開したインスタレーションを行うなど、多岐にわたって活動をしている、gungulparmanの外山夏緒さん。この連載は、彼女が自身のWEBで発表していた「誰かの話」を「ラジオと火星人とコーヒーフロート篇」として、新たにグラフィック作品を加えてお届けしていきます。この世界のどこかにいるかもしれない「誰か」の日常を切り取ったお話を、お楽しみください!

 

Text & Illust_Toyama Natsuo

 

第23話:ホンモノのアメリカ人 / コビーの話 連載【誰かの話】
出典 FUDGE.jp

外山夏緒

2015年より、絵や詩、物語で展開したインスタレーションなどの美術活動をスタート。他、イラストレーション、空間装飾、グラフィックデザインなどで活動中。その他、自身のプロダクトブランドgungulparmanでの商品制作やアートワークなども行う。

WEB:gungulparman.com

Instagram:@gungulparman

 

 

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