1. トップ
  2. ファッション
  3. MARC JACOBSは混沌に反動するミニマルな世界に回帰。【2020-21AW NYコレ速報】

MARC JACOBSは混沌に反動するミニマルな世界に回帰。【2020-21AW NYコレ速報】

  • 2020.2.17
  • 637 views
undefined

例年通り、ニューヨーク・ファッション・ウィーク(NYFW)の大トリを飾るのは、マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)。会場にはゲストのための木製のテーブルとチェアだけが配され、これから何が起こるのか全く予想できない状況が、さらなる胸の高鳴りをもたらす。

19:00になった途端、会場の照明が落とされ、オンタイムにショーがスタート。真っ暗闇の中、スポットライトが当てられたのは、アメリカの伝説的なダンサー兼振付師で、「パンク・バレーリナ」と称されるキャロル・アーミタージュだ(彼女は今回の演出も担当)。

突然のドラマティックな音楽を合図に、彼女に続いて次から次と、モデルとダンサーが暗闇の奥から現れる。衝動に駆られるかのように走り出したり、感情をぶつけるかのような激しいダンサーの動きに、思わず息を呑んでしまう。

undefined
Marc Jacobs Fall 2020 Runway Show

「CHAOS + FORM」と題された今季コレクションは、その言葉通りのドラマティックな演出と抑制のきいた服の激しいコントラストが特徴的。ここ数年、ブランドが打ち出していた装飾主義から一変して、モデルとダンサーがまとう服はミニマルに徹底している。

undefined
undefined
undefined
undefined
undefined

マークが特別な思いを抱く、インターネット時代以前の60年代から90年代のクラシカルなアメリカに着目し、ジャクリーン・ケネディ・オナシスを彷彿とさせる、スカートスーツのセットアップやAラインコート、丸襟のミニワンピ、タイツ、メリージェーンが登場。イブニングルックに関しては、社交界に舞い戻ったようオートクチュールのような趣きだ。

ブラックのストレートパンツにブラトップの90年代風スタイルをまとったのは、歌手のマイリー・サイラス。総勢約140人が起用されるなか、さりげないカメオ出演が不意をつく。

undefined
undefined
Marc Jacobs Fall 2020 Runway Show

デザイナー、マーク・ジェイコブスによる多様性や個性へのセレブレーションは、さまざまな人があらゆるステージ、年齢、時間、機会に着ることのできるタイムレスなスタイルとして表現。「何もフィルターがかけられていない、クラシカルな服装こそが、人々の感情や個性を外に出す力を持っている」。そんな彼のメッセージを感じとることができる。今季も、マークのファッションへの愛に満ちたショーで、一週間にわたるNYFWの幕を閉じた。

Photos: Gorunway.com, Getty Images Text: Maki Saijo

元記事で読む
の記事をもっとみる