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「仕事に集中しているからエッチしない」と言う彼。心と体がモヤモヤして困っています【ひとみしょうのお悩み解決】

  • 2020.2.15
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“【お便り募集】文筆家ひとみしょう お悩み解決” に送っていただいたお悩みの中からひとつピックアップしてひとみしょうさんがお答えしていきます。

「みゅうさん39歳」のお悩み

ひとみしょうさん、こんにちは!!しょうさんのコラムが大好きで、誰にも相談できない恋の羅針盤のように感じています。

今日は私の気持ちの持ち方について相談です。

同じ社内に体のカンケイがある彼(43才)がいます。互いに既婚で、家庭も良好。彼は愛妻家です。1年半前に彼からアプローチされ、そんな関係になりました。彼も私もそんな経験は初めてです。彼は自分の気持ちを口にだしませんが、長らくレスだったのと、自分が負ってる仕事を気持ちで支えてくれる人がほしかったんだろうと思います(奥さまには彼が尽くしているようです)。

わたしは体が満たされないと気持ちが辛くなるときがあるので、彼に体を持ってかれないようにしようと思っていたのですが、いつの間にか彼じゃないとダメになってしまいました。

最近、彼としていません。最初は私の家庭を理由にされ、もう一度聞いたら、今忙しくて……と。最後に捨て身で「カラダが切ない、どうしてもダメなの」と聞きました。今は仕事に集中してると、だからダメ。我慢して。と言われました。

じゃあハグしてといって、ハグしてくれたのですが、彼のが反応してしまい、手を導かれたのでさわったのですが、途中でだめ、だめ、といわれ、キスしてといってもダメといわれました。

嫌われていることはない、彼も我慢してるんだとわかって一安心したのですが、今までは彼が仕事で忙しくても堰をきったようにぶつけてくることがあったのに、わたしの要望は受け入れてくれないんだなぁともやもやです。そんなことを彼に伝えたとしても彼は仕事にたいしては絶対に自分を曲げないので、私が引くしかないのでしょう。

自分のこころと体をどうしたらよいか、もて余してしまいました。

他の人というのはイヤなので、他の何かに打ち込むか、旦那と仲良くするか、彼を見ても特別な感情をもたずイライラしないようにするにはどうしたらよいでしょう。

〜ひとみしょうのお悩み解決コラム〜

男って、感覚の世界に飛び込むのを怖がるんですよね――というのがひとつの答えです。

「感覚の世界」と「考える世界」

人って、「感覚の世界」と「考える世界」の2つの世界を生きています。

たとえば、目でなにかを見て「考える」こともあれば「感じる」こともありますよね。

「考える」と「感じる」を同時にやることもありますね。

耳でなにかを聞いても、「感じる」と「考える」を同時にやったりしますよね。

男は「感じる」より、「考える」を、なぜか優先させます。

対して、女性は「感じる」をなぜか「ふつうに」優先させます。

男が言う仕事とは「考える」世界です。

だから、たとえば、仕事人間である男は、家事が苦手です。家事とは、頭であれこれ考えつつも、結局は「感じる」ができないと務まらないからです。

たとえば部屋の片づけをするとき、頭で考えるだけだと、非常に使いづらい部屋になりますね。

ガスやスマホの請求書を引き出しの中に片づけて、リビングをすっきりと片づけたいと頭で考えても、請求書を引き出しにしまってしまえば支払いを忘れるであろうと「感覚的に予見する」から、おそらく多くの女性は、請求書を引き出しの中にしまわない。

料理をするのにも感覚が必要ですよね。

その感覚の世界に、なぜ男は飛び込もうとしないのか?

その感覚の世界に、なぜ男は飛び込もうとしないのか?

きっと怖いのだろうと思います。

エッチを例に挙げると、エッチが気持ちいい行為だと男は知っています。好きな相手と何回でもヤリたいと男だって思っています。彼女の求めに応じて、彼女がヤリたいだけヤリたいとも、(じつは)彼は考えています。

でも、感覚がそれを拒否するのです。

頭では、あれもこれも、わかっているんですよ。でも、男の感覚は、わかっていることをそのまま実行すれば感覚の世界に溺れてしまうかもしれないと恐れて、だからみゅうさんの期待どおりのことを彼はしないのです。

彼がみゅうさんのことが好きではないとか、みゅうさんのことをないがしろにしているということではなく、彼は感覚の世界に溺れるのが怖いから、みゅうさんの期待に応えないのです。

ではみゅうさんはどうすればいい?

では、みゅうさんはどうすれば、それなりに心と身体のバランスがとれるのでしょうか?(彼とエッチできるのでしょうか?)

この問いに関しては、あまり色いい答えがありません。

彼が「してもいい」と思うときを狙ってエッチするとか、それくらいの答えしかありません。

じつは、彼が仕事人間で(=頭でっかちに生きていて)、エッチにあまり応じてくれないという悩みを抱えている女性ってわりといて、何回も相談を受けてきましたが、これといった解決法がないのが実情なのです。

なので、たいていの女性は、よそで適当に済ませるか、応じてくれる男性に鞍替えするか、という方法をとっています。

もっと深い理由(むずかしいけど我慢して読んでください)

男が頭でものを考える世界に住んでいて、なかなか感覚の世界にやってこないことについて、ぼくは上に「なぜか」と書きました。

この「なぜか」を説明しようと思えば、哲学的なむずかしい話になるので、「なぜか」と表現を丸めてしまったのですが、それでもその「なぜか」を説明するなら、男がもっている世界観の話になります。

「自分」を「時間と空間が広がる最初の地点をもつ存在」とした場合、男は「過去」という時間をもとに世界観を構築しています。

対して女性は、「今」という時間をもとにその世界観を構築しています……という説明ですが、理解していただけていますか?

簡単にいえば、男は過去に生きていて、女性は「今」を生きているのです。

過去に生きる人の特徴は「べき論」で生きているということです。

「仕事をすべき」「上司に好かれて出世すべき」「お金を稼ぐべき」こういう考えに支配されつつ生きているのが男です。

女性の脳中にも「べき論」はたくさんあるはずですが、おそらく女性は「べき論」と「今」とのバランスをとるのがうまいのでしょう。「さくっとエッチして、そのあと、また仕事に励むといいじゃない!だからエッチしようよ」――たとえばこう考えていませんか?

男はそうは考えれないんですね。もう「生まれつき」考えられない、としか言えないくらい、どうしようもなく考えられないんですね。

もっと簡単に言いましょう

もっと簡単に言うと、「胃がどこまで丈夫に生まれついているのか」ということです。

好きな人とエッチして最高の時間をすごすという「超感覚的な世界」を「どこまで食べることができるか」というのは、「生まれつきどこまで胃が丈夫にできているか」という問題になります。

たいていの男は「セックスしてぇ!」と渇望するわりに、いざヤレる状況を手に入れたら「やっぱり怖い。それに、仕事のことを脇に置いておきつつセックスすることに、どこかしら罪悪感を感じる」と思って、ヤリません。つまり、胃がもともと丈夫じゃないんです。

対して、女性は……とくに30歳を超えた女性の中には、胃が丈夫な人がいますね。

別の言い方をしましょうか

彼は「遊ぶ」ことに罪悪感を感じています。エッチするという「遊び」も、絵画展に行くという「遊び」も……感覚的になる時間をもつことに罪悪感をもっています。

対して、みゅうさんは、感覚と、頭で考えることのバランスをとるのが上手です。

彼と、たとえば絵画展に行くとか、音楽会に行くとか……なんらか感覚的なデートを重ねることで、彼も感覚の世界と考える世界のバランスをとるのが上手になる可能性は(理論上は)あります。

が、そもそも仕事人間の彼を絵画展に連れていくのが大変だろうと思います。

感覚の世界に飛び込むのを怖がる男の特性って(世の多くの男の特性って)、ホントに矯正するのがむずかしいです。

なので、しかたなく、ほかの男の人とエッチして、やがてその男性のことを好きになって、付き合って……。

で、仕事人間である元カレを振り返ったとき「わたしはなぜ、わたしの要望に応えてくれない彼氏にこだわっていたのだろう」と思う女子のことが、ぼくはリアルに理解できます。

「仕事人間の元カレ、なつかしいな」と、切なく過去を振り返りつつも、女性ってなぜか、自分の心身のバランスをとりやすいダーリンに、わりとすぐ馴染んじゃうんですよね(と、男のぼくにはそう見えます)。

色いい答えにならなくてごめんなさい。(ひとみしょう/作家・コラムニスト)

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