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それは本当に愛? もしかしたら、「リマレンス」かも。

  • 2020.2.12
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周りが見えている?

「リマレンス」とは?

リマレンスとは特定の相手にロマンチックな感情を抱くこと。通常は、その人に関する強迫観念や空想、その人と付き合いたい/このまま付き合い続けたいという強い願望を伴う。どうしてもロマンチックなことばかり考えてしまい、それ以外は何も目に入らない状態。

リマレンスという言葉を生み出した心理学者のドロシー・テノヴ博士は、500人以上の被験者と愛に関するインタビューを行い、1979年の自著『Love and Limerence: The Experience of Being in Love』の中で「愛のサブセット=夢中になること」の意味を説明している。

それ以来、リマレンスは広く研究されており、社会心理学たちはリマレンスが人間の進化を支えているという仮説まで立てている。

「リマレンスは、“つがい形成”に必要な神経心理学的ソフトウェアの一部です」と話すのは、『Love Worth Making: How to Have Ridiculously Great Sex in a Long-Lasting Relationship』を執筆したスティーブン・シュナイダー。「成熟したカップルになると、つがい形成ではなく“つがい維持”(大人の愛)用のソフトウェアが起動します」

つまり、理論上リマレンスは、付き合い始めたばかりの段階で相手を心から好きになり、強いつながりを築く上では役に立つということ。

でも、リマレンスが続いてしまうこともある

一般的な強迫観念と同様、リマレンスが人生に悪影響を与えることはある。憧れの人と常に一緒にいたいがために会社を休んでしまったり、仮に会社へ行ったとしても、次に会うときのことばかり考えて仕事がはかどらなかったり。2人の世界に浸っていたくて、友達や家族を放置するようになることも。

「お互いに夢中すぎて、他のことを全て無視してしまうカップルを見てきましたが、これは必ずしも健全な関係とは言えません」とシュナイダー。「破産でもしたら大変です」

リマレンスと愛の違い

リマレンスの真只中にいる人は、「この人は欠点のない完璧な人間」というイメージを作り上げているので、ありのままの相手の姿を見ていない。その人とどうやって付き合うか、どうやって死ぬまで仲良く暮らしていくかを夢想することも多い。

それに対して「愛」は、時間をかけて経験を共有し、ありのままの相手の姿、欠点などを受け入れ、2人の間にリアルで深い絆を築くことで得られるもの。

SNSがリマレンスに与える影響

メンタルヘルス専門家のジョエル・カラバロによると、SNSを使えばリマレンスを経験するのは簡単。インスタグラム、ツイッター、フェイスブックをスクロールするだけで、リマレンスの中にいる人々の様子や思考が伺える。

「オンラインコミュニティに参加し、フォローしたりコメントを残したりすれば、興味のある人々の様子を随時チェックするばかりか、その人たちの生活の一部になることもできます」

その一方でシュナイダーは、SNSが若い世代のリマレンスを減らしていると考えている。というのも、インスタグラムのようなアプリには、リマレンスの相手にそっくりな人が何千人といるから。

「リマレンスのカップルはお互いを理想化する傾向にありますが、SNSを使っていると、自分のパートナーが“至って普通”であることや、それほど特別ではないことに気付きます」

リマレンスが止められない……どうすればいい?

「特定の人に夢中になると、どんないいことがあるのか自問自答してみましょう」とカラバロ。

「リマレンスの中にいると、何か大事なことを見落としたり、不満を感じたりしませんか?」

そして、リマレンスに費やしているエネルギーを他のことに使ってみる。「幅広い人間関係の構築に時間とお金を使ったり、得られるものがハッキリしていて、実際に付き合える可能性の高い人を探したりしてみましょう」

※この記事は当初、アメリカ版メンズヘルスに掲載されました。※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Zachary Zane Translation: Ai Igamoto

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